「残業100時間」のニュースが議論を生んでいますね。
この議論自体は次に進むための大事なステップだと思いつつ、こういう議論が生まれてしまうこと自体が残念だなぁ〜とも感じています。
労働時間管理ならタイムレコーダーで十分
長時間労働、様々な原因があると思いますが、その厄介な1つは、上司が帰りにくい雰囲気を作っていることでしょう。
「オマエ、部長の俺より先に帰るのか?」という発言を、以前どこか(笑)でも聞いたことがあります。
そんな上司が居たら、自分がどんなに早く仕事を終えたとしても、帰りにくくて会社に居る時間は変わりません。
このような管理職は、早く絶滅したほうが良いでしょう。
私は「部下に自分より早く帰って欲しい」と考える管理職の方が、よほど健全ではないかと思います。
その上で、自分も早く帰りたいから、部下にはもっと早く帰ってもらおうと努力する、と。
管理職の仕事の重要なことの1つに、部下に能力を発揮してもらい、チームとしての成果を上げることがあります。
時間でしか管理できないということは、チームや個人の成果が何たるか?を定義できていない、ということ。
チームを預かる立場・責任がありながら、その成果が分からないという、自ら無能を晒しているのです。
ドラッカーは5つの質問のうち2つで、このように問うています。
- われわれの成果は何か?
- われわれの計画は何か?
自分たちの成果は何であるか、そして、その成果を上げるための計画は何なのか?
それと真正面に向き合うことが経営者・管理職の仕事です。
それをせずして労働時間、いや「会社に居る時間」でしか部下を評価できないのなら、その仕事はタイムレコーダーにやらせれば十分です。
人間がやる仕事ではないでしょう。
管理職は時間ではなく、成果で部下を評価すべき
今や「その時間、その場に居なければできない」という仕事は大幅に減っています。
個人的には、さらにそういう仕事をもっと減らすべきだと考えています。
時間や場所に制約があると、働ける人を選ぶからです。
育児や介護があったり、他にも何らかの条件があったり、そんなときでも誰にでも働けるチャンスがある。
それが一億総活躍の前提ではないでしょうか。
- 銀行や郵便局の窓口に人はいらないし(タッチパネルで十分、必要に応じてWebミーティングで専門家につながれば十分でしょう)
- コンビニやスーパーのレジにも人は不要ですし(Amazon GOが実現する世界です)
- 病院や介護施設、保育園も、人の負担を減らさなければ業界が続きません
「残業100時間」の議論が(私にとって)つまらないのは、時間で管理することが前提になっているからです。
これからは「働きたいときに働ける。働きたくないときには働かない。成果に応じて報酬をもらう」というシンプルな世界になって欲しいと思っています。
別に労働時間は1時間でも300時間でも良いのです。本人が納得しているなら。
余談ですが、「とにかく労働時間を短くしろ」という論調には、プロフェッショナルを育てられなくなるリスクがあります。
イチローが自分の練習を時間で管理していたと思いますか?私は思いません。
真に成果を出そうとしている人は、時間なんか気にしていないのです。
寝ても覚めても、そのことばかり考えて、実践しているはずです。
それはスポーツ選手だけでなく、ビジネスパーソンにも言えることでしょう。
せっかく本人が「とにかくやる」モードに入っているのに、残業100時間以上させてはいけない会社側がブレーキをかける。
そんな構図が生まれている一面がありますし、実際にそれを嘆いている人にもお会いすることがあります。
(もちろん、いつでも本人の意思で、その世界から抜け出せる環境は必要でしょう)
話を戻しますと、管理職にとって把握すべきは時間以前に成果です。
生産性の把握という意味では時間把握は大事ですが、時間以前に成果を把握しなければなりません。
成果をちゃんと把握した上で、
その成果が10時間の労働によって生み出されたものなのか、1時間で生み出されたのか。
メンバーの育成計画や、今後のスケジュールを把握するために、時間を見るのです。
家に居場所がない、稼ぎが足りないなら複業すれば良い
話は変わりまして、「早く帰らないのは、家に居場所がないからだ。」という訳のわからない理由をまことしやかに述べる人がいます。
偉い人がこんな状況だと、本当に組織として「終わっている」と感じます。
会社で尊敬されるようなポジションに居る人が、家で居場所がない。
そんな事実を知って、若手のやる気が上がると思いますか?
ウソでも良いから「家で家族が待っている」と振る舞った方が良いでしょう。
それが組織の成果にコミットする管理職のあるべき姿だと思うのです。
だいたいプライベートである家の事情を会社に持ち込むな、と思います。
公私混同も甚だしい。それで煽りを受ける部下の方々が不憫でなりません。
家に居場所がないのなら、どこか別のところで働けば良いのです。
あるいは自分でコミュニティを運営したり、参加しても良いでしょう。
そこで会社での管理職の肩書きを外されたとき、真の自分の実力を知るでしょう。
「残業代がないと生活できない」
これは管理職ではなく一般社員から聞く言葉ですが、そんな理由の残業も止めましょう。
仕事の生産性を高めて定時に帰り、別の仕事をすれば良いのです。
視野も広がりますし、自然と生産性も上がるでしょう。
定時後から、もう2〜3時間働くのは、私も複業時代の経験がありますが、結構キツイのです。
生産性が上がって成果を上げているのに、それでも残業しないと生活できないのなら・・
それは無駄な生活費がかかりすぎているか、その会社の給料が安すぎるのです。
生活を見直し、会社を冷静に見つめましょう。
ここまで書いてきた通り、時間でしか仕事を把握できない組織は、まだまだ山ほどあります。
そんな会社には早く見切りをつけて、成果・生産性で正しく評価してくれる会社を探しましょう。
そういう会社も増えてきていますので。
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【編集後記】
今日はこれから、とあるイベントに行ってきます。
テクノロジー、イノベーション、ビジネス、エンターテイメント、
これらの掛け算で生み出される新しい世界を観に。
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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