中小企業診断士

中小企業における経営コンサルティングの進め方

中小企業において経営コンサルティングを行う場合、どのように進めていくのが良いでしょうか。

この記事では、中小企業診断士や税理士など、中小企業の社長から相談を受ける人を対象に、私のコンサルティングの進め方を共有します。

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コンサルティングとは何か?

私はコンサルティングには、2つの条件が必要であると考えています。

  1. 現状と理想を整理し、そのギャップを明確にすること
  2. そのギャップを埋めるための仕組みを導入すること

詳細はこちらの兄弟サイトをご覧下さい。

https://100athlon.com/what_is_consulting/

中小企業の社長は、事実や感情を切り分けて相談してくるわけではありません。
相談内容のジャンル(会計、マーケティング、ITなど)も当然、切り分けて相談しません。もっと言えば、仕事もプライベートも関係なく相談してきます。

つまりあらゆることが、ごちゃ混ぜになった状態で相談してくるのです。
これは中小企業の社長が悪いのではなく、全部が社長にのしかかっているからです。社長にとっては仕事と人生が一体化していますので、プライベートな相談も出てくるのです。

大企業の社長であれば、実働は現場に任せておけばまわります。経理部、マーケティング部、情報システム部が存在し、それぞれのトップと会話することで、物事は進みます。

しかし、そんな組織が存在しない中小企業の社長には、全ての意思決定に関わらざるを得ません。経営学を体系的に学んだことのない社長が大半ですから、ごちゃ混ぜになるのは避けられません。

この辺りが、大企業と中小企業のコンサルティングのやり方が変わってくる原因でしょう。

1. 依頼事項を確認する

では具体的に進め方を見ていきましょう。
最初はコンサルティングを依頼いただいたとき、相談されたときの依頼事項を確認します。

いくらごちゃ混ぜに相談されると言っても、メインのテーマはあります。後述しますが、その真の問題を突き止める過程でテーマが変わることもあります。

ただ、まずは何を目的にコンサルティングを依頼されたのかを確認するようにします。

2. 事前調査を行う

お客様の会社のことや、その業界のことなど、調べられるものは事前に調べておきます。
全く未経験の業界の場合は、業界に関する本を読んだり。
より詳しく知りたい場合には、図書館に行って「業種別審査事典」を読んだり写真を撮ってきたりします。

もちろんネットで検索するだけでも、最近の業界の動きが分かったりします。日頃から情報収集をする癖をつけておくと良いですね。私の場合は、現在・過去のお客様の業種・業態の情報はついつい読んでしまいます。それが元になって、別のお客様からの依頼をいただいたときも効率よく調査できるようになります。

3. コンサルティングを始める前に行うべきこと

事業として(つまりお金を頂いて)コンサルティングをする場合に、非常に大切なことがあります。

コンサルティングとは、主体となるお客様が行動することを支援することであり、代行サービスではないことを説明することです。

  • 公的機関でお客様からお金を頂かない場合
  • 営業が顧客のニーズを把握する意味でコンサルティングを行う場合

などは、あまり意識する必要がないのですが。

事業でやる場合は、この点を誤るとお客様が成果を上げられないだけでなく、「コンサルタントが何もやってくれなかった」という顧客不満足につながってしまいます

4. 現状把握

続いて現状把握です。気持ちの上では最も重きを置くところです。
真の問題が分からなければ、問題解決はできません。
社長に言われた表面的な言葉を真に受けて問題解決を始めてしまうと、何も解決されなかったどころか、逆に問題が大きくなってしまうことすらあります。

社長「従業員が指示した通りに動いてくれないんですよ」

これを真に受けて、従業員に教育を施したところで、余計に反発されてしまうかもしれません。真の問題は従業員と社長の間の人間関係かもしれませんし、社長の指示が頓珍漢なのかもしれません。全く別のところにあるかもしれません。

現状の何が問題なのか?真の原因を突き止めるために、様々な問いを投げかけたり、事実と感情を切り分けたりします。データを集めて分析したり、従業員の方にヒアリングを行ったり、現場を観察したりします。

5. 理想を掲げる

問題を追究したら、今度は理想を掲げます。既に会社のミッション・ビジョン・バリューなどが明確な場合は、比較的すぐに理想が出てきますが、そうでない場合も多いです。

人によって、5年後10年後のイメージがすぐにできる方もあれば、現在からの積み上げでしかイメージできない方も。その相手に合わせつつ、現時点で考え得る理想を掲げます

6. 計画・振り返り

現状と理想が決まれば、その間にはギャップが生まれます。AS-IS(現状)、TO-BE(理想)、GAP(ギャップ)の関係です。そのギャップを埋めるために、向こう数ヶ月・1年にやるべきことを計画します。

  • 具体的な行動計画
  • 評価指標(何をもって行動が上手く進んでいるのか?を判断するか)
  • 振り返りのタイミング

などを決めていきます。

なおコンサルティングとはギャップを埋めるための「仕組み」の導入ですが、それを実現する上では、従業員への教育が必要になるケースが多いです。必要な事項は行動計画に組み込むようにしましょう。

あとは定期的に振り返り、行動計画を修正していきます。それを何度か繰り返しつつ、また現状と理想・ギャップの整理をたまに行っていきます。

最終的にはお客様が自分たちで今までできなかったことができるようになる。仕組みが導入された状態になるのが成果と言えるでしょう。

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【編集後記】
週末に参加したトレイルランニングのダメージがまだすごいです。。
翌日にプール、昨日はバイクで軽くアクティブレストをしたり、
ちゃんとストレッチをしたり。

軽いトレランでここまでダメージを食らうとは、カラダの弱体化が悲しいです。
ただ、12kmくらいは山を走れるのも分かったので、少しずつトレーニングの負荷を上げていこうと思います。

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