「中小企業診断士って儲かるんですか?」 たまに質問をいただきます。
中小企業診断協会が公開しているデータを元に、私なりの意見を述べてみます。
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中小企業診断士は儲からない?平均値から見る年収の現実
J-Net21に「データでみる中小企業診断士」という記事が公開されています。
基本属性、活動状況、専門分野などに並んで、報酬についても書かれている、興味深いデータです。
なお、このデータは、中小企業診断協会が集めています。
そのため、協会所属の方に偏ったデータであることは、意識しておいた方が良さそうです。
(中小企業診断士は、協会に所属せずとも、資格を持ち活動できます)
ちなみに私は協会に所属していません。
中小企業診断士だけで集まって群れるよりも、多様性のある場に行きたいからです。
この記事からは、診断士の年間売上については、以下のように書かれています。
(上記、J-Net21のデータより、著者作成)
一番のボリュームゾーンは、501〜800万円以内(19.9%)です。
そして、年商1,000万円以内が、全体の62%を占めています。
これを「稼げる」と見るかどうかは、その人の現在の年収によると思いますが、
私個人的には「診断士、もっと頑張った方が良いのでは?」と。
少なくとも経営を支援する立場にあるのですから、自分自身の事業で成果を上げられないと、信用できません。
- デブなダイエットコーチ
- 自分の家庭が崩壊している人間関係のカウンセラー
- ホームページで集客できないホームページ制作会社
- 貧乏なファイナンシャル・プランナー
こんな人達に仕事をお願いしたくないのと一緒で、売れない経営コンサルタントは、信用できないからです。
なお、このデータで一点気になるのは、「コンサルタント業務の年間売上」と聞いていることです。
診断士でもセミナーや研修講師として働いている方の場合、「コンサルタント業務」はない or 少ないわけです。
私自身、セミナー・研修の売上が2割くらいはありますので、無視できません。
敢えて「コンサルタント業務の」と書いていることに、何か意図はあるのでしょうか?
まぁ、物販の売上とか入れられたら、データとしてカオスになりますが・・
年収を上げるためにはどうすれば良いのか?
中小企業診断士を活かして収入を上げるには、どうすれば良いのでしょうか?
4つほどのパターンで考えてみました。
職場が変わらなければ、大幅アップは困難
同じ職場のままですと、資格をとっても、せいぜい資格手当を貰える程度でしょう。
日本企業の場合は、昇進・昇格しない限り、給料もなかなか上がりません。
転職で年収を上げる
民間のコンサルティング会社など、中小企業診断士を優遇する会社があります。
そのような会社に転職することで、大幅な年収アップを狙うことができます。
こういう会社は、コンサルタントの育成にも力を入れていますので、
キャリアアップの視点から見ても、有力な選択肢の1つでしょう。
副業で稼ぐ
最近注目を集めている副業。
できるなら、やった方が良いでしょう。
特に独立を目指すなら、すぐにでもやることをお勧めしています。
私自身、会社員時代に副業を行っていて、月2〜10万円くらい稼いでいました。
(目的は収入よりも、経験を積むことでした)
本当に稼ぎたいなら、選択肢は独立・開業のみ
転職や副業で、年収を100万円くらいなら上げることはできるでしょう。
よほど良い条件で転職しても、200万円アップくらいでしょうか。
言うまでもなく、これらは会社員として雇用されることが条件ですから、収入は一定のレンジに収まってしまいます。
上場企業の役員でも、年収2,000〜3,000万円台がボリュームゾーンですから、やはり限界があるのです。
(外資系に行けば、もっと稼げるかもしれませんが)
そんなわけで、上限なく稼ぎたいのであれば、選択肢は独立・開業の一択です。
ただ、もちろん注意が必要です。
フリーランスには上限もありませんが、下限もありません。
売れなければ、収入ゼロになる可能性もあります。
やはり収入だけでなく、仕事内容や生き方を考えなければ、正解は出てきません。
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独立診断士の実態
J-Net21のデータに戻って、独立診断士の実態を探ってみましょう。
売上に占める公的業務・民間の割合
売上の数字は分かりましたが、その構成要素を見てみます。
中小企業診断士の仕事には、国・都道府県・市町村、商工会議所などの中小企業関係機関からの公的業務と、
民間企業から直接仕事を受注する民間業務があります。
公的業務を中心とする人から、民間業務を中心とする人まで、様々な人が居るようです。
私は民間業務の割合の方が高いですが、公的業務もやっています。
余談ですが、私が考えていたよりは、民間業務を中心とする人が多いです。
ひょっとして、民間企業の補助金申請の委託・支援が、民間業務に入っているのでは?と勘ぐってみたり。
私に言わせれば、それは公的業務です。
(確かに民間からの依頼ですが、原資が補助金、つまり税金ですので。余談はここまで。)
このデータの問20を見ると分かりますが、どちらを中心とするかで、収入は大きく異なってきます。
どんな仕事をするにせよ、民間業務の方が、公的業務よりも報酬額が高いのです。
売上1,000万円以上を狙うにはどうすれば良いのか?
冒頭のデータからも分かるように、売上1,000万円は、上位38%くらいです。
会社員を辞めて独立するなら、まずはこの当たりは狙いたいところではないでしょうか。
ちなみに売上1,000万円を達成するなら、年間250日働くとして、1日4万円です。
これを安定的につくれるか?です。
上述の通り、公的業務は単価が安くなりがちです。
私のこれまでの経験から見ても、公的業務で安定的に1日10万円を売り上げるのは、厳しそうです。
5万円でも、ちょっとハードルが高そうに見えます。
私がこれまで見てきた、他の中小企業診断士のケースを見ても、
民間で仕事を獲得しつつ、空いた時間に公的な仕事を入れていくのが
1,000万円を超える条件かな、と思います。
逆に言うと、公的機関にぶら下がって仕事を請けるスタイルでは、1,000万円は狙えません。
口を開けてエサを貰えるのを待っているだけなので、まぁ、仕方ないんじゃないでしょうか。(ちょっと辛口に・・笑)
私が日頃から、本ブログで民間企業と直接契約することを勧めているのは、こういう背景があるからです。
年商と年収の違いに注意
なお、この手のデータを見るときには、注意が必要です。
中小企業診断士ならご存じの通り、売上と収入は異なります。
極論言えば、広告を打ちまくれば、見た目の売上は、いくらでも増やせるのです。
でも、それでは利益が残りませんよね。
中小企業診断士のようなコンサルティング業務の場合、
売上と粗利がほぼ等しいことが前提となっているため、言葉もあやふやに使われています。
売上ばかりを主張する人が現れた場合、利益を確認した方が良いでしょう。
ちなみに私自身は、今のところ、広告はゼロ。原価もゼロに等しいので、売上と粗利は、ほぼ同じです。
今は毎月、一定額を個人としての収入にして、残った利益は事業側に残しています。
結局、資格に関係なく、稼いでいる人は、自分なりのビジネスの仕組みをつくっています。
商品・サービスの設計から、お客様を獲得し、継続してもらうまでの流れまで。
中小企業診断士という資格に依存するのではなく、上手く活用する人が稼げるのではないでしょうか。
あまり嬉しくない結論だと思いますが、これが現実ということで。
以下、関連記事です。
同じデータを元に、中小企業診断士の「仕事内容」について記事を書いています。
年収よりも仕事内容に興味がある場合には、こちらを御覧ください。
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