中小企業診断士

中小企業診断士の仕事を分類する(モノ・代行・教育・場)

前回の記事は「聴く」「話す」「書く」の視点で中小企業診断士の仕事を分類しました。
今回は商品・サービス企画をする際に、私が良くお渡しする4つの切り口で分類してみます。

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4つの切り口とは、「モノ」「代行」「教育」「場」です。
専門性の高さを商品・サービスに活かす場合、この切り口が結構、役立ちます。
以下、具体例で見ていきましょう。

代行の例:補助金申請・事業計画書作成

分かりやすい順序で説明します。最初は「代行」です。
言葉の通り、お客様に代わりに何かを行うサービスです。

家事代行を思い浮かべると分かりやすいですね。
私たちは、ますます時間が足りなくなっています。
仕事をして、育児や介護もあったりして、家事に割ける時間が足りません。

そんなとき、家事代行やベビーシッターを活用することで助かります。
「今やるべきこと」に集中できたり、少し休憩できるかもしれないですね。

補助金申請や事業計画書の作成は「代行」の典型例です。
お客様から事業目的をヒアリングしつつ、補助金や融資など、目的に沿った申請書や事業計画書を書きます。
お客様にとっては、家事代行を利用するのと同様に、本業に集中しつつノンコア業務を専門家に依頼するという形です。

ただ、代行と言いつつも、ヒアリングの部分ではお客様がモヤっと考えていることを明確にするなど、コンサルティングのスキルも求められます。

「代行」はお客様にとって価値が分かりやすいサービスです。
なので販売するのが比較的簡単です。

一方、「作業者」として見下されやすいサービスでもあります。
結果的に価格が叩かれやすい側面もあります。
中小企業診断士ではありませんが、税理士の記帳代行は、その典型例です。

社長のパートナーの立ち位置を取りたい中小企業診断士にとってはリスクと言えるでしょう。
単なる代行業者になるのではなく、ヒアリング部分でコンサルティングスキルを見せるなど、専門家としての価値をお渡ししましょう。

 

教育の例:コンサルティング・セミナー/研修講師

次は「教育」です。
「代行」がお客様の変わりにやることだったのに対し、「教育」はお客様自身ができるようにするためのサービスです。
そのような切り口で見ると、コンサルティングも、セミナーや研修講師も、同じ「教育」に属します。

コンサルティングはお客様の課題(現状と理想のギャップ)を明確にして、そのギャップを埋めるための解決策をお渡しするサービスです。ただ、勘違いしてならないのは、「教育」だからと言って、最初から上から目線で教えようとしないことです。

ITについて知識のある人は、「ITについて困っている」と相談を受けると、いきなりITについて教え始めてしまいます。
自分の知識を活かせるのが嬉しくて仕方ないからです。
でも、なぜITに困っているのか?そのような相談に至った背景には何があるのか?をじっくり聴きとらなければ、本当に社長が知りたいことをお伝えすることができません。

お客様の「自走」を促すサービスとは言え、コンサルティングは「聴く」が7割以上と考えておいた方が良いと感じています。

「教育」は代行に比べると、お客様が価値を理解しにくいです。
結果が出るかどうかは、主体者であるお客様次第だからです。

それがデメリットではありますが、文字通り「先生」ポジションを取れるので、価格は代行より高くつけやすくなります。

 

モノの例:書籍・動画

中小企業診断士が物理的なモノを売ることは、あまり多くないでしょう。
書籍や動画などは、専門家としてのコンテンツを伝える意味では「教育」です。
ただ、商品としてのモノの販売の側面の方が強いです。

例えばコンテンツとしての動画を提供するだけでなく、Q&Aサービスをつけたりすると「教育」サービスになります。
「書籍」と「通信講座」はコンテンツは大差ないのに、価格が10倍くらい異なるのは、添削したり質問に答えたりするサービスがついているからです。
「モノ」と「(教育)サービス」の違いが価格に現れているのです。

「モノ」の良いところは、提供者の時間にとらわれずに売れるため、ビジネスがスケールしやすいこと。
ただ、物理的なモノを抱えてしまうと在庫リスクが増えるので、動画などはDVDよりネット提供が良いでしょう。

 

場の例:勉強会・コミュニティ

最後にビジネスとして一番難しいのは「場」の提供です。

何らかのイベントを開いて、そこに集まってもらった人たち同士がつながる仕組みを提供します。
最近だとオンラインサロンが流行っていますが、「場」のビジネスの一形態です。

中小企業診断士で良く見るものでは、勉強会があります。
ただ、仲間内でひっそりやるようなものはビジネスとしてはまわっていません。

「場」の良いところは、主催者だけでは生み出せない場が、生まれる可能性があることです。
参加者同士が化学反応を起こして、盛り上がってくれることがあります。
また、お客様が別のお客様を呼んできてくれることもあります。

一方、変な人が来ると場が荒れることがあります。
その辺りの制御が難しいところです。

その他、中小企業診断士の仕事に関する記事です。

「データで見る」中小企業診断士はどんな仕事をしているか?

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