システムをクラウドに置く流れが加速しています。
MUFGすらシステムをAWSに移すと。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO11980880R20C17A1NN7000/
未だにシステム統合のスケジュール延期を繰り返すみずほ銀行は、
システム的に見れば「周回遅れ」に入ったと言わざるを得ません。
オンプレミスのデメリットが目立つ
私は様々な組織にシステム提案をすることがありますが、
特に情報系のシステムに関して言えば、オンプレミスで構築することのデメリットが目立つと感じています。
- 置き場所が必要(サーバルームやデータセンター)
- 初期コストが高い
- 他のシステムとの連携が弱い
などです。クラウドが前提のシステムなら物理的な設置場所は必要ありません。
多くのシステムが初期コストゼロ、ないしはあったとしてもオンプレミスと比べると安価です。
そして、意外と見落とされがちなのが、他システムとの連携です。
クラウド型のシステムの多くは、標準で他のシステムと連携が可能です。
勤怠管理システムが給与システムと連携したり、CRM/SFAが会計システムと連携したり。
標準でなくともAPIが公開されていれば、少ない開発工数で自動連携できます。
オンプレミスのシステム(パッケージソフト)はクラウドに比べると、この流れの遅さが目立ちます。
オンプレミスでシステム構築をするなら明確な理由を
しかし、何だか良く分からない理由でオンプレミスが採用されることが多いのも事実です。
- 新しい技術だから不安(そう言っている人に限ってオンプレの技術も知らないのですが)
- セキュリティが不安(家に100万円置いておくのと、銀行に100万預けるのとどっちが不安ですか)
- ユーザーインターフェースが変わることを説明できない(だったら情シス辞めなさいと)
毎度、こういうシーンに立ち会うたびに、心の中ではカッコの言葉が流れつつも、企業文化なので仕方ないと諦めざるをえないこともあります。特に大企業は。
しかし、MUFGの事例が出てしまった以上、一般的なシステムでオンプレミスを採用するなら、今まで以上に明確な理由が求められるでしょう。
例えばエッジコンピューティング。
データが生成される機器の近くにデバイスがなければ応答時間が致命的になったり、クラウドとの通信量が多くなりすぎたり。
こういうときには工場内のように、オンプレミスでのシステムが最適になるでしょう。
システムの目的を明確に
誤解を招くといけないので補足しておきますと、私はクラウドを絶対的に信仰しているわけではありません。
システムはそれ自体が目的ではありません。
ビジネスで利用される以上、ビジネス上の目的があります。
しかし、その目的ではないところで、システム選定の議論がされることが多いのです。
上に挙げたようなダメ事例も、全てビジネス上の目的ではありません。
もっとはっきり言えば、情シスの都合が前面に押し出されているだけです。
システムがビジネス上の目的を達成するための手段である以上、
その目的を明確にしたら、あとはその目的を達成するためのシステムを描くこと。
非常にシンプルです。
小さな組織ではそれが自然にできています。社長の一存で決まるからです。
情報システム部門が存在するくらいの規模になると、急に話がややこしくなります。
ビジネスではなく、自分たちの仕事のために目的を捻じ曲げる人が出てくるからです。
繰り返しますが、システムはビジネスの目的達成のための手段。
その目的さえ明確にすれば、あとはその軸をぶらさずに、選定・設計に入っていくのみです。
具体的にはシステム導入の前後でのPLの変化、QCDの変化を明確にするなどです。
ベンダーは、情シスに納得してもらうための情報(例:こんなに運用が楽になりますよ)ではなく、
経営上、ビジネス上のメリットをしっかりと謳えるようになる会社が増えると良いですね。
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【編集後記】
先週まで仕事を詰め込んでいたのですが、
今週は少し直接的な仕事を緩め、種まきを多くしました。
楽しみます。
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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