中小企業診断士の受験科目「企業経営理論」のはじめの方でSWOT分析が出てくるからなのか、
あるいは試験合格後の実務補習テキストでSWOT分析をするように勧められているからなのか、
妙にSWOT分析を使いたがる診断士に出会うことがあります。
でも、あらゆるフレームワークについて言えることですが、
適材適所で使ってこそ、フレームワークは威力を発揮します。
間違った使い方では、顧客を混乱させてしまうだけです。
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SWOT分析は比較に優位
私は顧客への初回ヒアリングでSWOT分析を使うことはありません。
SWOT分析は、何らかの経営戦略上の仮説があった上で、比較をするのに便利だと思うからです。
例えば、「顧客のニーズに応える商品を展開するスピードを最優先する」という戦略をとった場合、
営業組織が小さいことは特に問題ではありません(致命的でなければ)。
それよりは商品を企画・開発する体制の方が重要であると言えます。
ここまで仮説が立てば、競合他社を含めた比較・相対上のSWOT分析が有効に働きます。
仮説がない状態で、強みだ弱みだと言っても、基準がないために勝手な主観が入ったり、感情論になりがちです。
ところで余談ですが、SWOT分析は誕生時はSOFT分析と言ったそうです。
こちらの記事にて知りました。
強み・弱みでなく、満足していること・好ましくないこと。
確かにこの表現の方が書きやすそうですね。
最初にヒアリングすること
私はまず経営戦略・戦術を正しく理解するための質問をさせて頂いています。
ここで仮説を立てた後、必要があればSWOT分析を使うこともあります。
- 掲げているビジョン・ミッション
- ターゲットとする顧客
- その顧客に提供したい価値
- その価値を実現するための商品・サービス(マーケティングの4P視点で、売り物以外の3要素も聴きます)
- それを提供するためのリソース
上3つが戦略。下2つが戦術です。
(リソースは長期視点での育成を考えると戦略に入ります)
これらがキレイに揃っていて即回答できる経営者には、出会ったことがありません。
(即答できるなら、コンサルに仕事を依頼しないでしょう・・)
ですから、これらの質問をしながら、現時点の前提で答えていただいたり、考えてもらったりしています。
特に顧客像を明確にすることには時間をかけます。
顧客像がぶれていることが、戦略・思考・日々の活動すべてをぶらしていることが多いからです。
また、戦略を描く上での最重要項目として考えています。
頭だけでなく、顧客に聴く仕組み作りを
それからもう1つ気にしているのは、顧客に聴く仕組みができているか?です。
「強み=顧客が自社の商品・サービスを選ぶ理由」
と定義するなら、顧客に聴かない限り、本当の強みは分からないからです。
経営者やコンサルタントが頭だけで考えることには限界があります。
顧客に聴いてみるからこそ、真の気付きが得られ、次のアクションにつながるのです。
顧客の声なき計画は、正に机上の空論と言えるでしょう。
ですから、顧客から意見を聴く仕組みがない会社には、その仕組み作りを最優先してもらうようにしています。
顧客の声を集めた上で、ようやく戦略・戦術が働くようになってくる。
そういう意味では、フレームワークは頭だけの世界ではなく、もっと感情が混ざったものであると考えています。
(顧客の声には感情が混じりますので)
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【編集後記】
一昨日のトレイルランニングのダメージがひどくて、
昨日は12時間くらい寝ました(^_^;
今だ筋肉痛は治まるどころか猛威を振るっています。歩き方がロボット状態です。
トレラン恐るべし。
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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