一昨日、アジャイル開発の実践者である戸田さんのお話を聞いてきました。
私が惹かれたのは、システム開発に特化した話よりも、ホワイトカラーの生産性を上げる話。
特にチーム作りについては、示唆に飛んだお話がいくつも印象深く記憶に残りました。
今回は、その1つをご紹介します。
「自己ベスト更新」を応援し合える組織
戸田さんは、アジャイルを実践するチームに必要なことは、
「お互いの自己ベスト更新を応援し合えること」だと仰います。
それは、言葉を変えると、相手をリスペクトすることです。
仕事におけるチームは通常、経験・専門性の異なる人が集まっています。
ベテランもいれば、新人もいるわけです。
そんなチームで、新人が10の仕事をしたときに、ベテランが「俺は100できるぞ」と言ってしまったら、新人は頑張る気を失ってしまいます。
そうではなく、ベテランは101できるようになることを目指し、新人は次は11を目指すのです。
私たちは子どもが何かを身につけるたびに、それを応援し、喜び、讃えます。
アジャイルのチームも同じです。
相手をリスペクトし、それぞれが自己ベスト更新することを、真剣に応援しあうのです。
ベテランはあぐらをかくことなく、新人はベテランに引け目を感じることなく、
各々が成長していくのです。
ランニングチームは理想の組織
この話を聞いて、最初に思い出したのが、私が所属するランニングチーム「Admiral」のことです。
比較的、経験年数の短い人が多いチームとは言え、個々を見渡せば、経験の差は様々です。
それでもレースでは、一緒に参加できることを喜びます。
相手が速かろうが遅かろうが、ベテランであろうと入門者であろうと関係ありません。
それぞれが自分にとって最高のパフォーマンスを発揮することを、お互いに応援しています。
これは、私が所属するAdmiralに限らず、どのランニングチームでも同じなのではないでしょうか。
しかし、仕事のチームとなると、お互いを応援するチームを作る難しさを感じるのはなぜでしょう?
目標が一致しているか?
組織論で有名なバーナードは、組織が成り立つ3要素の1つとして、「共通の目標があること」を挙げています。
私は、ランニングチームと仕事チームで異なるのは、この「共通の目標」なのでは?と感じています。
ランニングチームでは、お互いがベストを尽くすことが、最初から目標になっていると思います。
一方で、仕事のチームにおいては目標が個々人でズレていることが非常に多いと感じています。
本来、仕事の目標も「顧客の満足」という点で一致するべきだと思いますが、
人によって自分の昇進・昇格が目標だったり、単に楽をしたい・サボりたいのが目標だったりします。
となると、組織作りの第一歩は、目標を合わせることなのだ、と。
その上で、自己ベストをお互いに応援する。
実はバーナードの3要素の2つ目は「貢献意欲」です。
自己ベストを目指すことは、チームに対して貢献すること、結果として顧客満足につながります。
「お互いに」応援するのは「コミュニケーション」ですね。
この「コミュニケーション」が3要素の3つ目にあたるのです。
つまり、アジャイル開発といっても、何か特別なことをしているわけでなく、
しっかり機能する組織作りを丁寧に行っているのです。
(それが難しいから、こうやって新しい思想が生まれるわけですが)
私もチーム作りをするときには、お互いの自己ベストを応援できるようにしたいと強く思いました。
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【編集後記】
今日はしばらくお会いしていなかった方々とランチ。
毎度お会いするたびに、面白いビジネスの話になります。
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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