私の前職、会社員時代に勤めていた会社は、ある技術に特化した会社でした。
その特化したエンジニアとして一流になるために、その会社に転職したのです。
でも、その道から外れた私は、予想外に「宝」を得ていたのでした。
一本道から外れた私
私が前職に勤め始めたのは、約14年前。
新卒で入社した会社を、たった2年間で辞めてのことでした。
幅広く、色んな経験ができた1社目でしたが、より特定分野の技術を掘り下げたい。
もっと大規模なシステム構築を通じて、プロとしての経験を深化させたい。
そんな思いがあってのことでした。
しかし、そんな期待は、入社早々から裏切られ始めます。
その特定分野「以外」の経験を持っていた私は、そのスキルを買われることになりました。
いかに特定技術の専門家集団とは言え、プロジェクトを進めていく上では、
他分野の技術も必要になることが多いからです。
その後、その特定技術を深める案件を経験し、少し自信を持ち始めた頃。
突然、管理職にされてしまいました。
エンジニアとして、もっと尖ろうと思っていた矢先だっただけに、ただ凹んだのでした。
ある分野のプロになろうとして入社したのに、現実はそうはいかない。
期待していたような一本道から、外れに外れていると感じていました。
必要になったことは真剣に学んだ
ITインフラ系エンジニアだった私ですが、その後9年間、管理職を任されることになりました。
大規模なプロジェクトや、問題や課題があり困難なプロジェクトには、
自分自身をエンジニアとして投下することもありました。
管理職として、エンジニアとして、一番苦労した時期でした。
学んだことと言えば、ざっと思いつくだけで、
(一部、専門用語が入っているのでスルーして下さい)
- チーム運営(どうやってメンバーのモチベーションを上げるか?チームのパフォーマンスを最大化するか?)
- 採用(現場の管理職として、新人・中途の採用面接を何度も経験しました)
- ITスキル標準(組織においてエンジニアのスキルを把握し、育成の方向付けをするため)
- ITIL(当時はシステム運用が注目されていました)
- EAIやSOA(インフラ系の人は知らないこと。とあるプロジェクトで必要になり必死に調べた)
というようなことがあります。
どれも、ITインフラエンジニアとしては、直接的に役立つわけではありません。
そう分かっていましたが、当時は良い機会だと思って、真剣に学びました。
点と点がつながっていく
しかし、「本丸」ではなかったこれらの知識・経験が、あとになって面白いほどに役立っています。
チームを運営してきた経験や採用の経験が、現在の経営コンサルティングの際に、役立っています。
企業においてIT組織(情報システム部など)のあるべき組織は?という質問が出たとき、
ITスキル標準(ITSS)やITILの知識を役立てつつ、考えることができました。
さすがにEAIやSOAは使うことはないだろうと思っていましたが、
今日はこれらの前提知識が役に立ったのです。
何年も、10数年も前に学んだことが、最近になって次々と必要になっていく。
本当に経験したことは無駄にならない、と実感しています。
これからも、機会があるたびに、本丸だけでない周辺分野も学んでいきたいと思います。
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【編集後記】
今日はIT漬けの1日でした。
ITは、やっぱり面白いです。
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!