ランニング・トライアスロン

仲間と、ゴール!【バラモンキング2015完走記⑧】

6月14日に行われた、五島長崎 国際トライアスロン(スイム:3.8km、バイク:180.2km、ラン42.2km)、通称:バラモンキング、ギリギリ完走してきました。
素人トライアスリートが完走までに行ったこと・感じたことを、複数回に渡って、お伝えします。

レースも大詰め。ランを残すところ半分。
・・・というところで、内臓までおかしくなり、いよいよ走れなくなったのです。
羅王と合流して進んだのですが。

 

自分をやる気にさせる業

羅王は早速、業を繰り出してきました。
「ネガティブ発言は禁止でいきましょう!」
このときの私は、カラダの限界が精神を侵食し始めているときでした。

「もうダメだ」と思い始めたら、どこまでもダメになってしまいそうな。
ゴールを諦めたことは、このレース中、一瞬足りともありませんでしたが、
完走をより確実に、歩を進めるためにも、ここからはポジティブな空間で。

彼はイヤホンをしていました。
曲を聴き、ボーカルが歌っている間は走る。
次の曲までの前奏は歩く。

この直前まで、私は3分走って3分歩く、を繰り返していましたが、
こっちの方が、ゲームっぽくて面白い。
ふたりになったのでイヤホンを外して、音をガンガン鳴らしながら進みます。

たまに驚き、怪訝そうにするランナーもいましたが、
逆に曲をリクエストしてくるランナーも。
そんなランナーと会話をしながら進む。

こういうところも、幾重もの激戦を生き延びてきた羅王らしい立ち振る舞いです。

 

胃薬で復活

内臓、特に胃の調子が治らず、ついに吐き気がしてきました。
そのことを羅王に告げると、何と胃薬を持っています。
これを飲み、エイドであごだしスープを飲むと、胃が落ち着いてきました。

胃が落ち着いているうちに、素早くジェルを投入。
これで少し体力が続くはずです。

この胃薬がなかったら、私のゴールはもっと遅いか、あるいはリタイアに追い込まれていたかもしれません。
ウルトラマラソンとか、トレイルとか、そしてトライアスロンのロングとか、
長時間レースにはトラブルが付き物です。
そういうレースで発生するトラブルへの対応も、できるようにならなきゃ、と思ったのでした。

そんなわけで、このレース中、一番のピンチをギリギリのところで回避できたのです。

 

仲間のチカラ

音楽ゲームを続け、先に進みます。
折り返しを過ぎて、終盤になるほど、にくい選曲をしていく羅王。
音楽からもパワーをもらい、脚を止めず、むしろテンションを上げてペースアップしていきます。

もう真っ暗になっているのに、応援してくれる地元の方。
そんなお婆ちゃんに積極的に絡む羅王。彼も、もう体力は残り少ないハズなのに。
こういうところ、彼の強さです。尊敬するのでした。

順調に周りのランナーを追い抜きながら併走するふたり。
突然、羅王がエネルギー切れ、と。
私のジェルを上げて、少し経つと復活して安心。

胃薬だけでなく、この併走を通じて彼が私にくれたものは、数知れません。
ジェルでほんの少しは彼の役に立てたのかな、と思うと、また少し元気になるのでした。

復活した羅王が、突然、「このペースでいけば、みよっしーに追いつけるはず!」と。
これも彼なりの自分を鼓舞させる業でしょう。
彼は精神力は天賦の才ではなく、後天的に習得できるもの、ということを言っています。
精神力とは、技術である」と。

それを目の前で、この状況で実践できるとは。
ゴールさえできればいい、と思い始めていた私には、厳しい鞭を打たれた気分でしたが、
せっかくなので、彼と一緒にゴールしたい。
そうして、ペースをしっかり保ち、進んでいくのでした。

地元の方には、夜まで応援してくれることへのお礼。
お礼以上に熱い応援を返され、さらにチカラをもらいます。
特に子どもやお爺ちゃん・お婆ちゃんの応援はチカラになります。

残り3km。みよっしーに追いつきます。
ひとりで淡々と走り続けている。
チーム内で唯一、私よりもマラソン暦が短いのですが、本当に素晴らしいです。
彼からもチカラをもらったことは、言うまでもありません。

 

ようやく手にしたゴール

みよっしーを抜くと、さらに加速する羅王。
この辺りは登り坂がなく、平坦な道になってきたので、歩くことがなくなりました。
曲も関係なく、ゴールに向かって突き進んでいく。私は彼の後ろを必死に着いていくだけ。

残り2km。
最後に飲んだジェルも、エネルギーとして消化されてしまったようで、
ありえない空腹が襲ってきます。
胃薬で復活したとは言え、それ以上、エネルギー補給は受け付けていなかったのです。
ただ、もう補給しても間に合わないです。

とにかく2kmは気持ちだけで走ろう。

ゴールをどうやって決めるか?そんな話を羅王としながら、気を紛らわせます。
肩車でのゴールを提案していた羅王でしたが、私はおなかが痛いので、
大変なリスクがある(笑)ことを伝えて、普通に肩を組んでのゴールに決めました。

残り1kmを切ると、ザックが待ってくれていて、併走してくれました。
これは嬉しい。仲間の応援が、エネルギーになって、何とか止まらずに走れるのです。

ゴールが近付くにつれ、照明が明るくなり、人の数が多くなります。
そして、初めて目にするゴールに向かう赤いカーペット。

両端には、応援してくれる人だかり。
手を出してくれる人たちにハイタッチしながらゴールに向かいます。
ライトが自分たちを照らし、テンションがマックスまで上がります。

そして、ついにゴール!!

goal

達成感、感謝、安堵・・・色々な気持ちが複雑に混ざり合い、絶叫。
ついに226.2kmの長い長いレースを完走したのでした。

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【編集後記】
バラモンキング編、もう少しだけ続きます(^_^;

今日も素晴らしい1日になります。感謝!!

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