今まで色んなバイク(自転車)ショップにお世話になりました。
- トライアスロンを始めて、初めて訪れたショップ
- 部品の調子が悪くなって、直してもらった近所のショップ
- レース前に全体的なチェックをお願いしたショップ
- パーツや消耗品を買いに行ったショップ
- レンタル・ロードバイクを借りたショップ
- 仕事で支援したスポーツバイクショップ(SPECIALIZEDが中心のお店でした)
- ロードバイクを新調したくて訪れたショップ
今まで何店舗訪れたのか分かりません。
ただ、日頃からビジネスの支援をしている立場として、あるいは一人の顧客として、バイクショップには違和感を感じるところがあります。
今日は、そんな思うところを綴ってみようと思います。
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最初にいくつか厳しいことを言います。
これは私自身が顧客として、直して欲しいと感じることだからです。
それにスポーツバイクを楽しむ1人の顧客として、業界にはもっと発展して欲しいからです。
相手のレベルに合わせて欲しい
自転車屋さんに限った話ではありませんが、いきなり専門用語を言われて「??」となることがあります。
まだトライアスロンを始めたばかりの頃、訪れた自転車屋さんで「ヘッドチューブ」「スプロケット」「ディレイラー」などなど、専門用語が飛び交って、何を言われているのかサッパリ分からなかったことがあります。
言うまでもなく、そのお店には長居しませんでした。
仕事でパソコンを使っている人で、CPU・メモリくらいは知っている人が多いでしょうが、「CPUソケット」「メモリスロット」「I/Oポート」などの言葉を意識している人は少ないでしょう。
自転車もそれと同じです。
乗るのが楽しいだけの人であれば、細かなことは分かりません。
これからスポーツバイクを始める人であれば、なおさらです。
相手のレベルに合わせた会話をお願いしたいです。
もちろん、お客様が詳しい人であれば、マニアな会話を楽しんでください(笑)
メーカー問わず、フラットに提案して欲しい
先日、ロードバイクを新調しようと思って訪れたお店。
様々なメーカーを取り扱っているお店なので、公平な意見が聴けると思って訪れたのですが・・
結果は、SPECIALIZED推し推しでした。
事前にネットで調べて、スペシャ ROUBAIXか、GIANTのTCR辺りが良さそうだなぁ~と公平な意見を聴きに行ったのですが、もうひたすらROUBAIX推し。
しかも ROUBAIX Compくらいのレベルで良いと言っているのに、S-Works推し(なんでやねん!)
店頭に TCR も展示してあったので質問してみると、「それなら Tarmac の方が良いですよ!」と(なんでや。。)
それ以上、質問する気が失せました。
お店として売りたいものがあるのは分かります。商売ですから。
きっとモノによって利益率も大きく異なるでしょう。
ただ、それは完全に売り手の都合。
まずは顧客が望んでいること・困っていることを聴いて、フラットに提案するのが、専門家としての仕事ではないでしょうか。
もちろん、全メーカーの全商品のことを知ることは出来ないでしょう。
知らないことは「知らない」で良いですが、いきなり押し売りするのはやめて欲しいですね。
顧客の話を聴いた上で、フラットに提案をする。
そうでなければ、信頼関係などできるはずがありません。
高い買い物ですし、命を預ける買い物ですから、信頼関係なく買いたくないでしょう。
信頼関係が築けた上で、初めて自分なりの意見が通じるのです。
最初から自分の意見を押し通したところで、伝わるはずがありません。
自店で売っていない人をぞんざいに扱い過ぎ
色んなお店を訪れて感じたのは、「それ、ウチで買ったバイクじゃないでしょ」という扱い。
もちろん、異なるメーカーでパーツがないなどの問題はあるでしょうが、基本的にそれ以前の問題です。
ハッキリと言葉には出しませんが、「オマエ、ウチの客じゃねぇだろ」という空気をバシバシ感じるのです。
目の前に困った人が居るのに、そういう態度はどうなんですかね?
困った人に親切に対応すれば、次は自分のお店で買ってくれるかもしれない。
調子が悪いときに、また頼ってくれるかもしれない。
消耗品を買いに来たり、オーバーホールを依頼されるかもしれない。
ビジネスの視点から見ても、親切にして損はないはずです。
にも関わらず、何が面白くないのか、潜在顧客をぞんざいに扱う人が多い印象です。
ここまで辛辣に書きましたが、もちろん親切で良い方もたくさんいました。
ただ、日頃から色んなビジネスの支援をしている立場で見ると、態度が良くない人の割合が高い業界かな、とは思います。
「売って終わり」は、もったいなさ過ぎる
続いて、もう少しビジネス的な話をすると・・
今の自転車屋さんって、ほとんどが「売って終わり」で、もったいなさ過ぎると感じています。
高い買い物ですから、1台売れれば、それなりの利益があるのかもしれません。
ただ、それでも一般的に考えれば、利益率は10~30%くらいではないでしょうか。
30万円のロードバイクが売れて、高く見積もっても粗利益は9万円。
1日に何台売れるのでしょうか?
お店の規模にもよるでしょうが、そう何台も売れるものではないでしょう。
せっかくなので調べてみました。
「自転車国内販売動向調査 年間総括(2019年)」によれば、年間販売台数は「大規模店」が567.7台、「中規模店」190.6台、「小規模店」47.7台です。
これはママチャリなども含んでいるので、高額なスポーツバイクは、もっと販売台数は少ないと見るべきでしょう。
やはり、毎日何台も売れるものではありません。
小規模店だと週に1台以下ですから。
とすると、「売って終わり」のビジネスは、あまりにも脆弱です。
スポーツバイクは趣味として乗るものですから、その場を提供した方が良いでしょう。
特に買ったばかりの初心者は、一緒に乗る人がいなければ、すぐに飽きてしまいがち。
これはお店にとっても顧客にとっても、良いことではありません。
顧客との関係を継続することによって、次のビジネスにつながります。
- ライドイベント(初心者向け、女子向け、競技志向者向け、Zwiftミートアップ、グルメライド、桜・紅葉ライド、etc)
- セミナー(乗り方、トレーニング方法、メンテナンス方法、etc)
というようなサービスを充実させた方が、顧客との関係がつながります。
それに利益も稼げますので、物販よりサービスにシフトした方が、お客様にとっても嬉しいですし、ビジネスとしても安定性が増します。
ちなみに、某ショップはイベントの参加は、「そのお店で買った自転車のみ」とありました。我が家の近所なのでライドイベントに参加したかったのですが、もう残念過ぎますね。。
こういうサービスを続けると、顧客同士がつながります。
そのお店が人と人をつなぐプラットフォームになっていくのです。
そのお店で売っているのが自転車という「モノ」ではなく、「場」に変わっていきます。
こうなると、ビジネスとしても安定性・成長性が高くなります。
サブスクでサービス提供した方が良いのでは?
色々と書きましたが、ここまでをまとめると
- 物販よりもサービスに集中すべき
- 顧客との関係性を一過性ではなく、長く保つべき
- 顧客同士をつなぐプラットフォームになる
ということです。
と考えると、サブスクリプション型のビジネスにシフトした方が良いのでは?と思います。
私がバイクショップを経営していたら、間違いなくサブスクのサービスを始めますね。
- サービス・サブスクリプション
(イベントやセミナーに定額で参加し放題) - 消耗品・サブスクリプション
(チューブ、タイヤ、チェーン、クリート、クリーナーなどの定期交換を定額で) - メンテナンス・サブスクリプション
(年に1回のオーバーホールとか、いくつかのメンテナンスを組み合わせて定額で)
特に2番目は、モノをサービス化することができて、売上・利益の管理もしやすくなります。
仕入れもやりやすくなるので、過剰在庫や欠品リスクも減らせます。
お客様と定期的に接点が持てるのも、良い点です。
こんなサービスがあったらいいな
以下、思いつきで「こんなサービスがあったらいいな」と思うものです。
中古品マーケット
お店が「場」になれば、そこで知り合った人達同士で、パーツ類などの売り買いが発生してもおかしくありません。
顧客同士が金銭をやり取りするよりも、そこにお店が入ることによって安心感が増します。
メカニックがチェックを入れることで、モノの価値を高めることもできます。
新品を売る競合を自ら設けてしまうことになりかねませんが、サービスでしっかり儲けが出ていれば、むしろ健全な状態と言えるかもしれません。
(どの市場でも、新品を望む人と、中古のコスパを求める人が一定数います)
カフェ
バイク屋さんがイベントスペース(セミナーをやったり、ライド拠点になる)になるのであれば、ちょっとしたカフェが欲しくなりますね。
ライド後におしゃべりするのにも良い場所に。
先日、矢野口のクロスコーヒーさんにお邪魔したとき、そんなことを考えました。
あと、着替えできるとなお便利ですね。
お店を通じた商品企画
スポーツバイクを見ていると、軽量・エアロなど、どのバイクも謳い文句が同じです。
「プロであるアスリートがレースに勝つこと」を最優先に、商品を企画しているのですから、同じような売り文句になるのは容易に想像できます。
しかし、多くの顧客が集まる「場」になれば、そこに集まる人はレース志向の人だけではなくなるはずです。
利用者の意見を吸い上げることによって、メーカーの商品企画に関わるのは、アパレルや食品メーカーなど、様々な業界で始まっている流れです。
例えば私などはレース(トライアスロン)に出ますが、スキルが低い・カラダの能力もまだまだなので、レース志向すぎるバイクよりも、乗り心地の良さを求めます。
ロング(180.2km)だと7時間以上乗ることになるので、カラダへの負担が低い方が、次のラン(42.2km)に体力を残せるからです。
カスタム商品、プラットフォームに
例えばカスタムペイント。
近所に腕のいい塗装屋さんなどが居てくれると、一緒にサービス開発できそうです。
昔からあると思いますが、おそらく高いのではないでしょうか?
オリジナルバイクは愛着がわきますし、長年使って傷がついたバイクが新品のようになるのも嬉しいでしょう。
このアイデアが浮かんだのは、以前に塗料を開発している企業の経営支援をしたことがあるからです。
近所にある全くの他業種と組むことで、何か新しいことは出来ないだろうか?
そんなことを考えてみると良いかもしれないですね。
1店舗で全てを完結させるのではなく、ご近所さんの専門家同士が手を組む。
顧客から見ると、ショップが専門家のハブとなりプラットフォームになる。
私だったら、信頼する店員さんがお勧めしてくれたら、そのサービス使いますね。
(実際、カラダを定期的に見てくれるマッサーは、バイクの知人経由で教えて頂きました。マッサージしてもらいながらバイクの話で盛り上がると楽しいです)
輸送サービス
ロードバイク中心の人は、私の印象だとどこに行くにも自分で持っていくイメージです。
飛行機でも普通に輪行していたり。
車を持っている人も多そうです。
ただトライアスロンの場合は、その他、ウエットスーツなどの荷物もあるので、自分で持っていけません。
レース前にバイクチェックしたら、そのままパッケージして輸送。
レース後にも会場やホテルなどから輸送。(自宅やショップへ)
そんな手配を一括してやってくれると、個人的に嬉しいです。
思いつくままに書きましたが・・
限られた店舗のスペースでやれることは限られていると思います。
ただ、何も変わらないのではなく、バイクショップが進化していくところを1人の顧客としても楽しみにしています。
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