経営コンサルタントの国家資格である中小企業診断士。
スキルアップの一環で取得される方が多い資格です。独立してコンサルティングを行うことを前提に考えた場合、中小企業診断士という資格はどれくらい「使える」のでしょうか?
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知識面の穴をなくす意味では最高の資格
最初に知識面です。他の国家資格(士業)と異なるのは、とにかく範囲が幅広いことです。
1次試験は以下の7科目からなります。
- 企業経営理論(戦略・組織人事・マーケティング)
- 財務・会計
- 運営管理(店舗や工場の運営・管理など)
- 経営法務
- 経済学
- 経営情報システム
- 中小企業経営・政策
これだけ幅広い範囲を網羅する知識を持っている人は非常に稀です。それぞれの科目について専門家がいます。彼らに知識・経験の深さで勝つことはできませんが、経営の全体感を俯瞰する意味で、この幅広い知識を身につけることができるのは、本当にありがたいです。
私自身、受験勉強を始めるまではIT(科目で言うと経営情報システム)のことしか知りませんでした。会計で借方・貸方とか、意味の分からない用語が出てきて、泣いたことを覚えています。(簿記を学んだ経験もゼロでした)
そんな私が今は経営者とやりとりできているのは、ここで幅広い知識を得たことで、何を聞かれても「質問の意味が分からない」ということが無くなったことが大きいです。
それぞれの悩みを深掘りして問題解決するには、より高い専門性が必要になるのですが、全体感を抑える意味では、非常に良いバランスです。
各科目の他の資格試験との難易度を比較した記事がこちらです。難易度の参考にしてみて頂ければ。
追記ですが、知識・経験だけでコンサルティングできると思ったら間違いです。コンサルティングの「やり方」やコンサルタントとしての「あり方」も学ぶ必要があります。
公的機関での仕事がやりやすくなる
独立したときの一番の心配事は、どうやって仕事を獲得するか。次の不安は、どうやって経験を積むかではないでしょうか。それまでコンサルティングを行ったことがないケースも多いでしょうから。
仕事を獲得しつつ、中小企業の経営者と対峙する経験を積めるのが公的機関の仕事です。中小企業診断士を持っていると、比較的簡単に公的な仕事を獲得することができます。
診断士には法律上の独占業務はありませんが、事実上、公的機関の窓口業務などは中小企業診断士が行っていることが多いです。と言うのも、上述の通り、どんな相談もいったん受け止められるのは、診断士くらいしかいないからです。
ここで生活できるレベルの収入と経験を積み上げつつ、民間の仕事を獲得して行く、という流れが設計しやすくなります。資格を活かしたスムーズな独立のやり方と言えるでしょう。
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人脈を広げる上でのキッカケになる
私が個人的に最も効果を感じているのは、この点です。
それまでの私は会社の仕事にしか携わったことがなく、個人として外に行くことに不慣れでした。セミナーや勉強会などに顔を出すと、そこには賢そうな人がゾロゾロと・・(汗)
中小企業診断士を取得したことは、私にとって1つの自信になりました。会社の外に出て行っても、個人として他者と交じり合えるようになったのです。ここで経営者やフリーランスと多く出会ったことが、私自身を独立に向かわせるキッカケとなりました。
私の性格上、中小企業診断士を持っていなかったら、経営者やフリーランスの方々と同じ場所に居ても引け目を感じてしまって会話ができなかったかもしれません。それまで出会ったことのないような多様な方々と出会える自信を得たのが、資格取得の最大の成果でした。
出会った人の中には、コンサルティングを生業にする方もいらっしゃいました。そういう方々のコンサルティングを受けたことも多々あります。このサービスを受けた経験が、私自身のコンサルティングサービスを展開する上で、基準になったことは当然です。
中小企業診断士という資格は、どのような仕事をする上でも非常に活かしやすい資格です。
ただ、中小企業診断士の中の自分になるのではなく、自分の数ある属性の1つが中小企業診断士であることは、忘れないようにしましょう。
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【編集後記】
週末に家族でトレイルランニングのレースの予定です。
そのため帰宅後、6kmだけ走ってきました。
レースはトレイル12kmなんですが、大丈夫でしょうか・・
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