どんなに良い商品・サービスでも、価値が正しく伝わらなければ、それは売れません。
お客様にとって「存在しない」のと同じだからです。
価値を正しく伝えるための3つの視点をご紹介します。
価値を体験するのは買った後
「良い商品なのに売れない」とは、製造業の方から良く聴くコメントです。
ただ、この主張は、論理的に間違っています。
価値を体験するのは、あくまでも買って、商品を使った後。
だから買う前に「商品の価値を理解しろ!」と思う方が間違っているのです。
お客様は、買う前には商品・サービスの良さを体験できません。
だから、正しく伝える必要があるのです。
その3つの方法をご紹介します。
- 顧客を主語にする
- Before/Afterを明確にする
- P/L、QCD、B/Sで表現する
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顧客を主語にする
価値を正しく伝えるための方法は、商品ではなく顧客を主語にすることです。
右図は、アイリスオーヤマさんの商品ページにあったものです。
事例として分かりやすいので、企業研修などでもご紹介しています。
私達はついつい、売り物である商品の良さを、そのまま表現してしまいがちです。
「このドライヤーは置けるんですよ!」と。
でも、お客様にとっては「それで?」で終わってしまいます。
置けるから何なんだ?と考えてくれるほど、お客様は暇ではないのです。
お客様を主語にして考えましょう。
「テレビを観ながら、髪を乾かせます」
「ブラシをしながら、ドライできます」
このようにすることで、お客様にとっては「自分に関係することだ!」と感じていただけるのです。
理解しやすいドライヤーですら、これだけのギャップが生まれます。
専門性の高いものになるほど、このギャップが大きくなっていきます。
「このスマホのCPUはA12ですよ」
「このデジカメ、1,000万画素ですよ」
「この風邪薬にはアセトアミノフェンがしっかり入ってて・・」
全部「知らんがな」って感じです。
商品が主語になっているからです。
お客様にとって、どういうメリットがあるのか「利用シーン(どこで?いつ?)」を思い浮かべて、言葉にしましょう。
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Before / Afterで表現する
私が価値を伝えるときに鉄板フレームとしてお伝えしているのがこちら。
その商品・サービスを利用する前後で、どう状態が変わりますか?
これをちゃんと表現できれば、価値は正しく伝わります。(そして売れます)
私が子どもの頃、何の疑問も持たずに、水道水を飲んでいました。
ある日、衝撃的なテレビCMが。
水道水を顕微鏡で見てみると、怪しい微生物がガッツリと。
安全だと思いこんでいた水道水が、急に汚れたものに見えてしまったのです。
(写真はイメージです)
「水道水=安全ではない」
この方程式ができあがった後、テレビで紹介されたのは浄水器でした。
「この浄水器を使えば、微生物が除去されて安心ですね〜♪」
日本市場に、一気に浄水器が広まった瞬間でした。
その後、水がペットボトルで売られるようになり、子どもながらに驚いたのを覚えています。
Before=安全ではない
After=安全・安心
これを見事に表現したマーケティングであったと、今は思います。
同じように、Before / Afterで表現できないか?を考えてみましょう。
P/L(利益)、QCD(品質・コスト・納期)、B/S(資産)で表現する
お客様が法人の場合、意思決定は社長の一存だったり(スモールビジネスの場合)、
稟議にかけられたりするでしょう。
いずれにせよ、感情に訴えかけるだけではなく、論理的な説明が必要になります。
法人相手ですから、究極的には「それを買ったら儲かるのか?」を説明することになります。
もう少し具体的な数字で言えば
- 売上が上がる
- コストが下がる
- 品質が上がる(それによって売上が上がったり、作り直しなどのコストが下がる)
- 納期が短くなる(それによって生産性が上がったり、顧客満足度が上がる)
- 資産を持つ必要がなくなり経費として処理できる(それによって初期投資が減ったり、ROAが上がる)
というようなことになります。
これらの数字が、商品・サービスの購入前後(Before / After)でどう変わるのか?
経営的にどういうインパクトがあるのか?を表現できると、稟議を通しやすくなります。
最後に、メッセージはできる限りシンプルに伝えましょう。
ややこしいメッセージは、お客様に負担をかけてしまいます。
パッと見て分かるように。
これら3つを駆使して、商品・サービスの価値を、正しく伝えましょう!
以下、関連記事です。
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