元帥からの応援を受けた後、長い坂を上ってから、88km地点のスペシャルエイドに入る。
スペシャルエイドは、事前に預けておくことができる、自分専用の補給食。
スペシャルエイドでストレッチ
本来なら、ここまでの間にトップチューブの補給食バッグを、大半消費しているはずだった。
後半戦に臨むための兵糧を、スペシャルバックに詰めておいたのだ。
しかし、前半戦から補給が喉を通らない。
予定の半分程度しか消費しないまま、このスペシャルエイドに寄ることになった。
スペシャルエイドは、1周目の88km地点か、2周目の143km地点の、どちらかで寄ることができる。
昨年は寄らずにスルーした。
まだ補給が残っているので2周目にとっておく手もあったのだが、
腰痛がひどくなってきたので、ここらで1度、ゆっくりストレッチがしたかった。
ここで胃薬(漢方薬)を飲んでおいた。
まだレース全体から見たら、半分も終わっていない。
ここで内臓がやられるわけにはいかない。
補給食バッグの中身を整理する。
後半戦でもし胃が復活したら、いつでもちゃんと補給できるように。
そしてストレッチ。
まだまだ先は長い。一度、カラダを整えておかないと、先が続かない。
90km地点で、バイク開始から3時間半。
60km地点で2時間10分だったから、この30kmで1時間20分掛かっている。
岐宿から二本楠までは上り中心なので、まぁ、仕方ない。
全体としてみれば、7時間のペースにギリギリついている。
耐える後半戦
二本楠を過ぎて、2周目に入る。
毎度のことながら、ここで左に曲がれたら、どんなに楽か・・と思う。
トンネルに向かう前の緩い上り坂。
周りの選手も辛そうだ。
今日は陽射しが強い。体力の消耗も例年より早い。
2年前の2016年、この地点で補給食が足らなくなった。
ちょうど私を抜いていく熊に、スポーツ羊羹をもらって復活したのを思い出す。
あの日も暑い日だったが、この地点ではまだ、胃が動いていたということだ。
今はもう、固形物は食べたくない。
胃が弱まっているのを改めて認識しつつ、トンネル以降の下り坂は、
作戦通り、エアロフォームで流していく。
2回目の中州を過ぎて、折り返し区間に。
既に仙人との距離はもっと離れていたらしく、会うことはなかった。
大宝のエイドに到着。
胃薬は飲んだが、まだ復活しない。
このエイドでトイレに寄った。腹痛が収まらない。
大宝を出ると、AKBとすれ違う。
1回目と変わらぬ距離。
私も苦戦しているが、少なくとも同じくらいのペースで進めている様子。
「今年のAKBは行ける!」
野辺山ウルトラを完走している今年は、ランに不安はないはず。
100kmを過ぎて、バイクでここまで来ていれば、きっと大丈夫だ。
だが、この直後にAKBが事故に襲われることを、当然、私は知らない。
7時間切りが遠のく・・
西側区間に入り、120kmの看板を目にする。
バイク7時間を切るなら、ここで4時間40分では通り過ぎたいところだが、
その時間は当に過ぎて、5時間近くになっていた。
確実にペースが落ちてきている。
スイムを押さえ、バイク前半戦も押さえていたつもりだが、
それでもペースを維持できない。
「今年もまだダメか。。」
バイク7時間切りを目標に練習してきたが、今年もその目標には届かないらしい。
ここで無理してペースアップするのは懸命じゃないし、出来るならとっくにやっている。
2周目、岐宿交差点に元帥の姿はなかった。
別の場所に移ったのだろう。
スペシャルエイドの直後にあるエイドで降りて、再度ストレッチを行う。
あと少し。あとたった35km程度なのに、恐ろしく長く感じる。
腰が痛く、サドルに座り続けるお尻も痛くなっている。
とにかく早く、この痛みから解放されたい。
上り坂はダンシングで
二本楠を左折。ようやく周回区間を終えた。
しかし、五島のコースは、気持ちを緩ませてくれない。
二本楠を左折した後、本コースの中でも手ごわいレベルの上り坂が待っている。
赤線で囲ったところ。
ここでは何人かがバイクを降りて押している姿があった。
私はこの坂をダンシングで一気に上り切った。
100kmを超えた頃から、ダンシングを多めに使っていた。
去年より少しは技術的にうまくなったところ。
去年はシューズを履いてなかったので、ダンシングできなかったが・・
最近、長めの時間ダンシングしても、そんなに疲れなくなった。
前腿を使うのではなく、体重を乗せるフォームになりつつあるからだろう。
これ以降の上りは、ダンシングを使って、結構、周りの選手を抜いた。
ずっと抜かれっぱなしだったので、少しは気持ちが前向きになった。
もっと前半戦から、ダンシングを使うべきだったかもしれないが、腰痛が不安で使えなかった。
失敗した補給、そして体力が尽きる・・
ここで失敗をおかす。
次のランに向けて、少しでもエネルギーを補給しようと、
喉を通らなかったきな粉プロテインを、無理やり食べてしまったのだ。
食べた直後から、喉に何かが詰まった感じがして、息苦しくなった。
胃を圧迫するのがつらくなって、DHポジションが取れなくなった。
ただでさえ、腰とお尻が痛いのに、さらに姿勢に制限が掛かってしまったのだ。
そんな矢先に復路のジェットコースター坂、3連発。
本当に五島のコースはドSだ。
(こちらのブログより)
こんなジェットコースターみたいな激坂が3発も続く。
ここだけは下りも多少、漕ぐ。
ギヤ比を軽くした分、下りではギヤが足りないのだが、そこまでは漕ぐ。
50km/hを超えるスピードまで加速して、エアロフォームで勢いを維持。
そして上りでは、その勢いを活かしたまま、半分以上までは一気に上る。
ギヤを落として、残りは必死にペダリングする。
上り切った頃にはゼーゼーハーハーしているのだが、
すぐに次のジェットコースターが見えてくる。
「なんでこんな地形なのさ・・」
自然のせいにしても仕方ないのが、つい口からこぼれる。
1回、2回、3回・・確実に体力が削られていくのを感じる。
バイクがあと少し・・という思いが、気を抜けさせているのかも。
そう思って最後の30kmをしっかり走ろうと思っても、もうカラダが動かない。。
中央公園の折り返し区間に入る頃には、かなり限界に近づいていた。
ただ、去年は二本楠でリタイアを考え、とりあえず野々切の交差点を目指した。
それを考えれば、まぁ、マシな方だ。
この折り返し区間は、前日も走って、元気なら距離は短いことを実感していた。
その感覚を思い出し、「すぐに終わるよ」と自らに言い聞かせ、懸命にバイクを漕ぐ。
もはや押さえるも何もなく、一刻も早くバイクを終わらせたい一心。
スピードは25km/hも出ていなかったけれども。
この区間で、AKBとはすれ違わなかった。
「少し差が開いてしまったか・・でも、きっと大丈夫」
もう人の心配する余裕なんぞ微塵もなく、自分がギリギリなのだが、
それでもチームメイトだけは気になる。
折り返し区間を終えてから、バイクゴールまでが本当に長い。
下り基調で10数kmしかないはずが、何時間も掛かっているように感じる。
ここから先は辛かった記憶しかない。
腰、お尻が痛い。
胃が気持ち悪い。
トイレ行きたい。(お腹が痛い)
「もう終わってくれ~。まだか?まだか?」
前日、レンタカーでコースの下見をしていたが、
もはや思考できる状態ではなかった。
自分がどこにいるのか?も良く分かっていない。
ただ、ペダルを回すのみ。
最後の最後、右折の信号が見えて、ようやく我に返った。
「バイクゴールだ!」
ランに向けて、トランジションの心の準備をする。
今年も長かった、バイク180.2kmをゴールした。
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【編集後記】
昨晩は久しぶりにスイムレッスン。
スイムの感覚は、良さそうです。
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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