メルマガ:非常識なコンサルタント

死を見届ける覚悟、乗り越える覚悟

先日、あるコンサルタントの「犠牲者」の話を聴きました。


あるコンサルタントにキャリアを相談し、
コンサルティングを受け続けた結果、独立を決意。

会社員を辞めて、自分の事業を始めたものの鳴かず飛ばず。
貯蓄も底を尽きかけたところ、人生の大きな転機も重なり、
会社員に戻ることを決心したのです。

しかし問題はそこから。
既に一定の年齢に差し掛かっている上に、
会社員時代に培ったスキルが、あまりに業界限定的なもの。

会社員に戻ろうにも、戻る先がなくて困っている、
ということでした。

自分の知らない人の話とは言え、
聴いているだけで苦しくなる話でした。


果たして、このコンサルタントは悪人でしょうか?
少なくとも、この話だけからは、私には判断できません。

私たちコンサルタントは、このような「犠牲者」を生み出してしまう
リスクと常に隣り合わせです。

だからと言って、犠牲者を出すことを怖れていたら、
いつまで経ってもコンサルティングができません。

どんな医者にも最初の1人目の患者がいるように、
コンサルタントにも必ず1人目のクライアントがいます。


冒頭の被害者は、そういう不幸に遭ってしまったのかもしれません。
あるいはご本人に問題があったのかもしれません。

私たちコンサルタントが経験を十分に積んだとしても、
それでも失敗はありえます。
どんなに優れた医者でも人生の最期を見届けることがあるように。

意図的に失敗することは、もちろんプロとしての倫理に関わることです。
しかし、全力で支援して応援して、それでもダメなこともあると、
心の片隅では覚悟しておく。

ある意味で、コンサルタントという職業は、
そういう死を乗り越えていくことで成長するものだと思います。

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