IT・システム関連

「Virtual(ヴァーチャル)」を「仮想」と訳すから本質を見逃す

「Virtual」を何でも「仮想」と訳すのは、間違いとは言わないものの、
本質を見逃しやすい危険な状態だと感じています。

 

「Virtual(ヴァーチャル)」が日常用語になってきた

私が初めて「Virtual」という単語に出会ったのはいつでしょうか?
ハッキリ覚えてはいませんが、少なくともITインフラエンジニアだった頃、
「Virtual LAN(VLAN)」や「仮想マシン(Virtual Machine)」を学んだことは間違いありません。

この単語は、物理やコンピュータ分野で多く使われる傾向があり、
その場合においては「仮の」とか「仮想の」とか、さらには「虚の」というような意味合いに訳されてきました。

コンピュータが私たちの日常生活やビジネスに当たり前の存在として浸透するにつれて、
この「Virtual」という単語も日常用語になってきたように思います。

  • Virtual Currency(仮想通貨)
  • Virtual Reality:VR(仮想現実)
  • Virtual Assistant(仮想アシスタント)

のように。

ただ、このように日常用語として使われるほど、
「Virtual」を「仮想」と訳してしまうことで、
本質を見逃しやすい危険な状態に陥っていると感じています。

 

「Virtual(ヴァーチャル)」の本当の意味は?

Virtualと言うと、何でも「仮想」と訳しがちですが、辞書(英辞郎)で調べてみると

実質上の、事実上の、実際上の、実質的な◆実体・事実ではないが「本質」を示すもの。

が1つ目に出てきます。
物理やコンピュータで多く使われる「仮の」や「仮想」は2つ目、3つ目に出てきます。

Virtualの本当の意味は「本質を示すもの」なのです。
日本語の字面だけ捉えてしまうと、「仮想」と「本質」は真逆の印象を与えてしまいます。

下手すると「仮想」は現実ではないがために、あくまでも補助的な存在として、
あるいは現実よりも軽い存在として、理解されてしまうのではないでしょうか。

 

「Virtual」を「本質」と置き換えると、より物事の理解が進む

その代表例が「仮想通貨」ではないでしょうか。
リアルな紙幣などの通貨は歴史が長く、手に取ることで「持っている実感」も得られます。
一方で仮想通貨は歴史が浅く、眼に見えないために、良く捉えても電子的な銀行残高と同等の存在感しかありません。

ただでさえ、新しいIT系テクノロジーを受け入れるのが苦手な日本人なのに、
「仮想」と名付けられてしまったことにより、さらに軽んじて見られてしまうのです。
私は「仮想通貨」よりも「本質通貨」と名付けた方が、その実態を示しているように感じます。
(それと、本当に仮想通貨が世の中に広く浸透するかは、また別の問題ですが)

「仮想アシスタント」も同様です。
目の前にいるリアルな人間が「アシスタント」。
そのアシストしてくれる範囲は多様です。

一方、ネットやアプリで人間を支援してくれるが「仮想アシスタント」です。
その内容はスケジュール調整などの秘書的なことから、取引支援やマーケティング支援など、多岐に渡ります。
この「仮想アシスタント」の存在が増すにつれて、リアルな人間の「アシスタント」との違いが分からなくなりつつあります。
「Virtual(仮想)」は「本質」だからです。

Virualと名の付くもの全てにおいて、

「ネットやアプリで実現されるものだから、現実世界に存在するものより『下』である」
「仮想なんだから、あくまでも現実の補助でしょ」

というような捉え方をしている限り、そのものの「本質」を捉えることはできません。
名前に踊らされず、一度、見方を変えてみましょう。

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【編集後記】
昨日の仕事後から妻の実家に移動しました。
今日と明日は、妻の実家で過ごします。
午前中は家族3人でプールに行ってきました。

今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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