IoTシステムを設計していると、機械やシステム面の部分ばかりに目が行ってしまいがち。
システムである以上、人と接する部分の重要性を忘れないようにしましょう。
世界最大クラスのIoTシステム「緊急地震速報」
地震大国である日本では、緊急地震速報がガッツリと浸透しています。
日本中に配置されたセンサーが揺れを検知。
各地のセンサーから集められたデータを瞬時に分析して、震源地や震度を推測。
震源地の周囲に対して、ラジオやスマホを通じて「震度いくつの地震が何秒後に来る」かを通達します。
地震という極めてシビアなものですから、誤報が起こらないようにするのは当然です。
(3.11の後しばらく、あまりに小さな地震でも緊急地震速報が鳴りすぎて、問題になったことがありましたね・・)
ですからセンサーの感度や、分析するシステムが大切であることは、疑いようもありません。
しかし、それでも私は、このシステムが最も大切なところは、人間に地震情報を通知するところだと思います。
人が気づいて動かなければ、被害を極小化することはできないからです。
高度に自律化されたシステムでも人間との接点は肝
同じようにIoTシステムでは、人とのインターフェースが肝だと考えています。
例えば、自動運転車です。
自動運転が完全に実現した世界においては、人間が車の運転に介在することは、ほぼゼロになります。
車が信号や周りの車、歩行者・自転車・オートバイなどの周辺情報をお互いに交換しつつ、街全体で最適化されるように、車は自動運転されるでしょう。
このように「自律化」された世界では、人間は運転に介在しません。
そのような場合でも、人との接点は大切だと思います。
- 本当に車は正常に運転されているのか?
- 目的地に正しく向かっているのか?
- 予定通りの時間で進んでいるのか?
- 車に異常はないか?
- 周辺に異常はないか?
etc
全てが自律化されていても、人は「知りたい」と感じているからです。
同じことが、他の自律化された例でも言えます。
自動で作物を育成してくれる農場では、予想収穫量を知りたいでしょう。
在庫が減ってきたら自動発注してくれるシステムでは、本当に発注して良いのか、人間が確認したいこともあるでしょう。
高度に自律化されたシステムであればあるほど、人間はその状態を知りたいと感じるでしょうし、
ビジネスにおいては、その状態を知ることこそが、意思決定の重要な判断基準になるでしょう。
IoTシステムは「モノ」だけでなく、「人」を考える
IoTは「モノのインターネット」ですから、ついついモノに意識が行ってしまいがちです。
しかし、ここまで書いてきましたように、システムを使う人をハッキリと認識しておく必要があります。
このインターフェースは、様々な形が模索されています。
古くからあるパソコン画面とキーボード・マウス、という形もあるでしょうし、
スマホやタブレットがインターフェースになること、メガネなどのウェアラブルデバイスということもあるでしょう。
さらには声によってやり取りすることも増えていきます。
人工知能ベンダー各社が「スマートスピーカー」を競って開発しているのは、そういう理由も含まれています。
Amazonは、Amazon Echo。
Googleは、Google Home。
LINEはWAVE、と言ったように。
IoT時代になり、ますますシステムは賢くなっていきますが、それを使う人間には、より優しいインターフェースが求められます。
よりシステムが社会に溶け込むにつれて、誰でも使えるものが求められるからです。
音声操作はその一例として期待されています。
今後も様々なインターフェースが模索されていくでしょう。
単に新しいインターフェースができた、という話ではなく、
システム自体に大きな変化が起きているので、インターフェース(UI/UX)も進化しているのです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】
昨晩は四半期毎に行っている目標設定・振り返りの会でした。
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【Facebookページはこちら】
「いいね!」すると、ブログ更新のお知らせを受け取れます。
たまに気になるニュースなども通知しています。
ブログ村ランキングに参加しています!
応援のクリックをしていただけると、嬉しいです。
にほんブログ村