「社内で出世しても生存確率が上がらない」という議論が盛り上がっています。
https://mirai.doda.jp/theme/promotion/promotion-21st-century/
面白い論点ですので、私なりの考え方を述べたいと思います。
社内での出世を目的にすると落ちていく
「社内で出世しても生存確率が上がらない」という意見には賛成であり、反対でもあります。
賛成の理由はシンプルです。
「出世”のみ”を目的にしている人」が出世しても、生存確率は上がらないからです。
- 出世するために上司にゴマをする
- 出世するために飲み会に行く
- 出世するために自分の存在や成果をアピールする
- 問題を避けるために、リスクを感じることからは身を遠ざける
- 同じ理由で「事なかれ主義」
こんなことが仕事のメインになっている人が、たまたま出世したからと言って、マーケットにおける生存確率は上がらないでしょう。
いえ、もっとはっきり言えば、マーケットでの価値は日に日に落ちているのです。
こう書くと当たり前のことなのですが、大企業の優秀な頭脳を持った人に、こういう人種が多いのです。
反対の理由は、目の前の仕事を大切にし、顧客や自社のためにしっかり成果を上げた人が「結果として」出世したならば、生存確率は上がっていくと思うからです。
仕事における視点をどこに置くか
生存確率を語っている人は、仕事における視点をマーケット全体に置いていると感じます。
市場の変化が激しくなり、会社の寿命は縮んでいく。
医療の進化によって、個人の寿命は伸びていく。
結果として、個人の寿命が会社の寿命より長くなり、人生を1社で終えることはなくなっていきます。
それを前提と考えている若者ほど、「労働市場全般」の視点で、自分がどうやって生き延びていくか?を考えざるをえないのです。
一方で大企業・大組織の一定層より上は、「ここに居れば安泰」という守りモードに入っていることをひしひしと感じます。
視点があくまでも「自社内」なのです。
マーケット全体の視点を持っている人から見ると、社内での出世に血眼になっている人は、滑稽に見えてしまいます。
「何であんな下らないことに時間を費やしているのだ?」と。
どんなに社内で出世しても、その母艦自体が沈没してしまったら、何の意味があるのだろうか?
社内のポジション以上に、その母艦(会社)の市場価値がどうなっているのか?を冷静にウォッチする必要があるでしょう。
外との他流試合を通じて、マーケットでの価値を高めていく
そういう意味では「複業」の流れが進んでいることは、素晴らしい流れだと思います。
外部との「他流試合」が増えるからです。
外との交わりが増えるほど、個人としての自分の実力が明らかにされます。
自分は何で貢献できるのか?自分は何者なのか?
一方、自分が属している会社はどういう価値を提供しているのか?も、今までとは異なる視点で見えるでしょう。
同業だけでなく、今まで接したことのない業界・職種と積極的に交わりましょう。
今や他流試合は「やった方が良い」ものではなく「必須」であると思います。
社内だけに留まっていては、上記の視点が得られないからです。
ですから「複業」時代に対応できない会社は、弱体化が進むでしょう。
対応できないこと自体が、その会社にマーケット感覚がないことを示していますので。
一方で、目の前にある社内の仕事ももちろん重要です。
私が会社員時代に複業していた頃、自分の会社を「重要な顧客の1社」と定義していました。
詳しくはこちらの記事をご覧下さい。
https://biz-it-base.com/?p=5128
https://biz-it-base.com/?p=6227
会社との関係を雇用関係ではなく、パートナーとした方が、健全な姿勢で働けると言えます。
そうして自分の会社の仕事で成果を上げつつ、マーケット内での自分のポジションを上げていく。
それが理想の姿だと私は考えています。
マーケットでの価値と、社内のポジションが比例するのが良い会社
そう考えると、マーケットでのポジションと、社内のポジションが比例するのが、良い会社だと思います。
決して社内の人間関係(好き・嫌いとか、派閥とか)で人事が決まるのではなく、
マーケットでより高い価値を提供できる人が、社内でも権限と責任を与えられる。
それが良い会社なのではないでしょうか。
となると、評価する側の管理職にマーケット感覚が求められるのは、言うまでもありません。
マーケット感覚のない人が、大企業の管理職に就いてはいけない、とも言えるでしょう。
ちなみに私の場合は、色々と悩んだ結果、理想の仕事環境を整えるために独立しました。
仕事の全てが他流試合の要素を含み、
マーケットでの自分の価値が嫌でも分かってしまう。
自分の価値を高めることができれば、比例して収入も上がっていく。その逆も然り。
そういうフェアな環境に身を投じることができました。
安定した給与はなくなり、厳しい思いをすることもあります。
それでも、上司の顔色をうかがったり、無意味なミーティングで人生の貴重な時間を奪われることはなくなりました。
自分の意思でやる仕事や働き方をデザインできるようになりつつあります。
会社に行って、そこで成果を上げれば良いという時代は終わりました。
これからは、一人一人が自分の理想の仕事環境を作り上げていきましょう。
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【編集後記】
今日は久しぶりにしっかりとトレーニングをしたいです。
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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