私の現在の仕事の中心は、小さな会社の経営支援や、
中小企業診断士などの士業・コンサルタントなどの独立支援です。
私は元々、20年近くの間、超大企業ばかりを相手に仕事をしてきました。
私が担当していた顧客を挙げると、年間売上は10兆円超、社員数も数10万人は確実です。
自分が所属していた会社も、顧客ほどの規模ではありませんが、一部上場企業です。
そんな名の知れた超大企業ばかりの世界から、
独立して、スモールビジネス中心へとシフトした理由をお伝えします。
動きのはやさが面白い
最初の理由は、とにかく意思決定がはやくて、ダイナミックなところが面白いからです。
大企業の意思決定は、本当に遅いです。
小さな会社のそれを体験してしまったら、その遅さは我慢できなくなります。
そのスピード格差は、10分と1年くらい違います。
小さな会社で、社長に説明した瞬間、「いいね!やろう!!」と10分で決まることが、大企業だとどうなるでしょうか。
最初に説明資料を作り、課長に相談したら資料を修正するように細かく言われ、
資料を修正して課長を説得したら、今度は部長相手に同じことを繰り返し、
部長を説得したら、部長ともども役員に下ネゴをして、
ようやく役員へのプレゼンの機会を得る。
そこまで数ヶ月かけてたどり着いたとしても、プレゼン後の一言で一蹴されてしまうことも多々あります。
仮に認めてくれたら、今度は役員が経営会議や役員会で説明するための資料を作成し、
稟議を通す場合には、その資料作りに追われ、
・・と書いているだけで、気持ち悪くなってきました(笑)
私自身、このようなプロセスで数ヶ月の努力を水泡にされたことが何度もありますし、
顧客が同じような目に遭っているのを見たことも数え切れないほどあります。
このように、痛い目に遭っている本人達はうすうす気づいているのですが、
承認する側の管理職は、この長い長い無駄な意思決定プロセスが、
会社の実力や価値を、確実に毀損し続けていることに気づいていません。
正直、私は本当に実力のある会社以外の一般的な大企業は、
(本当に実力のある大企業は、小さな会社のメリットを残しています)
この無駄だらけの構造によって、衰退・沈没していくと考えています。
そんな重々しい泥舟に乗って、抵抗できずに沈むくらいなら、
小船で大海に出て、波に流されたり遭難しかけたりするかもしれないけど、
自分で自由に行きたい場所に進んだ方が、人生楽しいじゃないか。
そう思ったのです。
とにかく、小さな組織のスピーディーな意思決定は楽しすぎます。
私自身の例で言えば、年明けから始めた士業・コンサルタント向けの独立支援。
これは既存の企業支援事業に対して新規事業として始めたものですが、
既にこの新規事業が全売上の20~25%を占めるようになってきました。
大企業だったら、まだ新規事業を始めるGOサインすら出ていないのではないでしょうか。
足を引っ張るのではなく、先に進む
それから、官僚とかに見られがちな足を引っ張る文化。
足を引っ張る側の人は、リスクを調査し、リスクを極小化すべく、前向きに提言してくれることも多々あります。
善意の塊で、「足を引っ張る」つもりなど、毛頭なかったりします。
分かりやすく極論で説明します。
働かない・成果を上げない社員が居て、色々と働きかけてみたものの、一向に改善しない。
そんな社員が居たときに、社長が我慢できなくなり、降格したりリストラしようとしたとします。
このときに、法令順守や社員からの訴訟対策に向けて、頑張って動き続ける人が、
上述の「足を引っ張る」人です。
もちろん、法に触れるようなことをするのは問題外なのですが、
小さな会社にとって、遊んでいる社員にお給料を支払うほどのゆとりは、事実上ないのです。
ダメ社員に必要以上の気を遣うあまり、会社そのものが沈没してしまったら、何の意味もありません。
だからこそ、スピーディーな判断が求められますし、小さな会社では、実際に即・決断されることが多いです。
しかし、大企業や公務員には、どうやらそういう文化は稀なようです。
なまじ体力があるので、遊んでいる社員をそのまま遊ばせて続けてしまいます。
腫れ物に触るのは面倒くさいから、という一面もあるでしょう。
そうやって問題から目を背けているうちに、
遊んでいる社員が、その組織の雰囲気や活力を、日に日に奪っているのです。
足を引っ張られるリスクを残すくらいなら、前に突き進んで発生するリスクを負う方が、
よほど健全だと感じています。
全体が見える気持ちよさ
小さな会社では全体が見えやすいものです。
その一方で、大きな組織ほど、部分しか見えなくなってしまいがちです。
昨日の記事で書いたように、一例を挙げると、ITだけを問題にするなどの発想に陥ってしまうのです。
https://biz-it-base.com/?p=6546
本当はITだけの問題なんて、ほぼありません。
同じように売上が上がらない理由は、営業だけの問題ではありません。
本当の問題は外にあることが分かっているのに、
一部の範囲でしか思考できないのは、ストレスです。
私が支援しているある会社では、全部門の売上が詳細に渡って全社員に共有されています。
固定費も共有されているので、何が好調で何が赤字かが、一目瞭然です。
ここまで情報共有されたら、一社員でも自然と考えるようになるでしょう。
小さな会社では、これらの問題を全体から見渡すことができます。
一気に問題の本質にたどり着き、半年後には売上2倍なんてことも、普通に起こっています。
全体を見て、スピーディーに判断する。
本当に小船で大海を進むような難しさがあります。
その分、スキルが求められるので、成長することもできます。
ダイナミックで自由で、楽しい世界です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】
なんだか大企業の悪口のような記事になってしまいましたが、
もちろん、大企業にしかできない事業が、世の中には確実に存在します。
そういうところで大企業の良さを発揮してもらいたいものです。
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【メルマガ 『非常識なコンサルタント』】
独立・起業を目指す方、特に自分らしく働き・生きたい方。
コンサルティングを事業の軸にしたい方に向けたメルマガを配信しています。
こちらから登録できます。
【Facebookページはこちら】
「いいね!」すると、ブログ更新のお知らせを受け取れます。
たまに気になるニュースなども通知しています。
ブログ村ランキングに参加しています!
応援のクリックをしていただけると、嬉しいです。
にほんブログ村