中小企業診断士

何よりも中小企業診断士に求められるチカラとは?

先週行ったセミナーで、質問をいただきました。

中小企業診断士でよく言われる仕事の分類、「診る、話す、書く」の仕事の割合をどう考えていますか?と言う質問でした。

この質問への回答はここではいったん置いておきます。
ただ、質問をいただいて以来、「私が追い求めている価値・スキルは何なのだろう?」と自問していました。

 

中小企業が求めているチカラ

少し古いですが、「2013年版中小企業白書」にある要因別倒産件数構成比を見てみます。
それによると、倒産理由は

1位 販売不振 (70.7%)
2位 既往のしわ寄せ(10.9%)
3位 その他(7.8%)
4位 連鎖倒産(5.9%)
5位 放漫経営(4.7%)

となっています。

実は「販売不振」は、この統計でずっと圧倒的な1位です。
つまり、中小企業が望んでいることは、販売(売上・利益)を伸ばすことなのです。
コスト削減でも、業務プロセス最適化でもありません。(もちろん需要はあります)
このことから、単純に「売上を作るチカラ」を、私は追い求めたいと考えています。

これはサポートさせていただいている顧客に対しても言えることですし、
自分自身の事業についても言えることです。

本ブログでも過去に何度か書いてきましたが、
自分自身の事業が売れていない経営コンサルタントに仕事を依頼したいと思う人は居ないだろうからです。

安心して仕事を依頼していただくためにも、まずは自分の事業でキッチリと成果を出す。
そして、顧客にも結果を出していただく。
そういう方針で突き進みたいと。

 

「先生面」をしていたら徹底的に売れない

ここで冒頭の質問に戻ります。
私は「診る、話す、書く」の割合は、極論、どうでも良いと思っています。

ちなみに「診る」はコンサルティングをすること。
「話す」はセミナーや講演など。
「書く」はもちろん執筆です。

なぜ、どうでも良いのか?は、顧客にとって最適な方法を使えば良いからです。
もちろん、自分の事業を設計するにあたって、例えば

  • 自分が書いた記事や書籍で自分を最初に認知してもらい、
  • 次にセミナー(話す)で、初めて顧客と物理的な接点を持ち、
  • 最後にコンサルティング(診る)で、価値の高い(=利益の高い)商品を活用いただく

のような考え方は必要です。
ただ、これはあくまでも売り手の都合なので、必要以上には拘らず、
むしろ顧客の状態と向き合いながら、最適な方法でサポートしていきたいと思っているのです。

一方で、自分のやり方に拘り過ぎてしまうと、顧客の結果にコミットすることができません。
「先生面(づら)」をして、自分の都合に合わせてしまって、顧客と向かい合えないことのないように気をつけたいです。

 

マーケティングとセールス(営業)は分けない

なお、中小企業においてマーケティングとセールス(営業)の垣根は不要と思います。
大企業においては全社マーケティング部門と事業部門に分かれていることが多いですが、中小企業にとって、マーケティングもセールスも一貫した活動です。
(本来、大企業にとっても一貫性が求められますが、なかなかそうも言えない会社が多いようです、、)

したがって、それを支援する診断士もマーケティングとセールスを分けない方が良いと思っています。
「マーケティングは支援するけど、最後のクロージングは現場で頑張って下さい」というコンサルがいたら、私はその人のことを信じることができません。

確かに最後の最後は、その会社が自分の力でクロージングすべきなのですが、ハナから自分の範囲外ですと宣言するコンサルからは、覚悟が感じられないからです。

マーケティングもセールスも関係なく、考えられるあらゆる手段を尽くすサポートを行う。
ひとつの目指す姿は、そんな方向性なのではないか、と考えています。

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【編集後記】
新しい顧客からコンサルティングの依頼をいただきました。
以前から存じ上げている会社なのですが、初回のミーティングが楽しみです。

今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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