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【アップグレード!!ネットワークエンジニア】
(毎週月曜日発行)2009.03.30 Vol.7
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◆INDEX◆
1.はじめに
2.LAN案件で基礎技術を身につける
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◆はじめに◆
おはようございます。Ritzです。
先週、世間はWBC日本連続優勝などで、盛り上がっていましたね。
このメルマガでも、何かネタに出来れば良いのですが、、、
ゴメンナサイ。
私は普段、テレビを一切見ないし、新聞もスポーツ欄は飛ばすのです。
休日に少しラジオを聞くだけですので、スポーツに関しては
全く分からないのです。。
それでも、日本がなんだか盛り上がったことだけは、
周りの雰囲気から察することが出来ました。
キッカケはどんなことでも、気持ちが上向きになることは
大事ですね。
明後日から新年度、気持ちを新たに、将来へ向けて
上向きの気持ちでスタートしましょう!!
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◆LAN案件で基礎技術を身につける◆
今回は、LAN案件について考えてみます。
私はLAN案件を、エンジニアが一人前になったかどうかを判断する、
一つの物差しと考えています。
すなわち、そのエンジニアが中心となって、
LAN案件を完遂を出来るようになれば、
そのエンジニアは一人前になったと考えています。
以下のような理由です。
○ネットワークの基礎技術力が求められる
○ネットワーク技術以外だが必須のスキルが身につく
○管理・調整能力が求められる
詳細は追って記載しますが、このような理由により、
LAN案件を通して、
【バランスの取れたエンジニア】
になることが出来ます。
○ネットワーク技術だけに特化(オタク化)するわけでもなく
○現場を知らない、形だけのマネージャになるわけでもなく
ネットワークエンジニアの泥臭い部分を含めて、
業務を良く知った、バランスの取れた・底力のあるエンジニアに
なることが出来るのです。
結果的に、LAN案件を中心的に完遂出来るエンジニアは
一人前、と考えられるわけです。
もし、身の回りで携わることが出来そうなLAN案件があった場合には、
積極的に手を上げてみましょう。
さて、LAN案件の特徴を3つ書きました。
○ネットワークの基礎技術力が求められる
○ネットワーク技術以外だが必須のスキルが身につく
○管理・調整能力が求められる
これらを1つずつ掘り下げてみます。
今回は最初の1つ目です。
○企業ネットワークの基礎技術力が求められる
一般的なLANを構築するために必要なネットワーク技術は、
VLAN/VTP/STP/802.1q/EtherChannel/HSRPを中心とする
スイッチ技術が必要です。言い換えると
【 CCNAあるいはCCNP(BCMSN)レベルの知識 】
と言えます。
これらの技術は、LANに限らず、WANでもデータセンターでも、
企業ネットワークのあらゆる部分で必要となってきます。
すなわち、
【ネットワーク技術のコア中のコア】
と考えることが出来ます。
つまり、LAN案件を通して、他の案件にも通用する
基礎技術力を身につけることが出来るのです。
もちろん、CCNAやBCMSNの試験に合格すれば、
LAN案件を一人で完遂出来る、というわけではありません。
前回までに紹介した、色んなアプローチを通して、
資格の勉強で得た知識を、LAN案件という実践を通して、
本当の基礎技術力に変えていくのです。
基礎技術力がついたと自分でも感じることが出来る、
一つの基準は、
【物理構成図を見るだけで、論理構成も見えてくる】
ことだと思います。
【データがどこを流れるかが見える】
と言っても良いかもしれません。
慣れないうちは、スパニングツリーとHSRPの関係が
ゴチャ混ぜになったりして、どこが使われる経路で、
どこが使われない経路なのか分かりません。
これらの判断が、物理構成図(と設計の簡単な説明)だけで
分かるようになれば、だいぶ慣れてきた、と言えるでしょう。
データセンター等の、より高度なネットワーク技術が求められる
案件の前に、出来る限りLAN案件を通して、基礎技術力を
身につけることをお勧めします。
なお一点注意ですが、もちろんLAN案件においても、
お客様の要件によっては、高い技術力が求められることがあります。
これらの要素を含む案件の場合には、それなりに経験を積んだ
ネットワークエンジニアが担当する必要があるでしょう。
以下に例を挙げておきます。
・大規模な無線LANが必要である
もちろん、無線LANの知識が必要になります。
自宅で構築するアクセスポイント1台のネットワークと異なり、
電波設計等の知識が必要になります。
電波サーベイをするためのノウハウが必要ですし、
目に見えないものだけに、『上手く接続出来ない』・『何だか遅い』と
いうときに、有線LANよりも障害切り分けの難易度が高くなりがちです。
・IP-Phoneが利用されている
QoSの知識が必要になります。
また、IP-Phoneを接続するスイッチのポート設定が、
通常のLANとは変わってきます。
スイッチからIP-Phoneに給電する場合には、
PoE(Power over Ethernet)の知識も必要です。
・LAN接続時に認証が必要である
IEEE802.1x等の知識が必要になります。
認証サーバを自分でセットアップする場合には、
サーバ(Windows/Linux等)の知識が必要です。
また、認証される側である端末(サプリカント)で
問題が起こるとも予想されます。
これらが混合している案件(無線LAN環境でIP-Phoneが利用されていて、
さらにスイッチ認証を行っている)は、難易度は相当高いです。
次回はLAN案件の2つ目の特徴である
○ネットワーク技術以外だが必須のスキルが身につく
を考えてみたいと思います。
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<今号のポイント>
○LAN案件を経験すると、基礎技術力を身につけることが出来る
○基礎技術力は、他のより高度な案件を担当する前に身につけたい
今回(Vol.7)の内容はいかがだったでしょうか。
是非、こちらまでご意見をお願い致します。
http://form.mag2.com/thapitraph
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ネットワークエンジニアとして、最も押さえるべき基本は
やはりTCP/IPです。出来るならば、資格勉強に入る前に
一通り読破しておきたいです。
●マスタリングTCP/IP 入門編
http://www.amazon.co.jp/dp/4274066770/ref=nosim/?tag=ritz0c-22
今回紹介しましたLAN案件の前にも、一度確認しておきたいです。
LAN案件では、お客様で設定変更を行うことになりがちな
DHCP/DNSがありますが、この辺りのプロトコルについても
お客様と会話が出来なければなりません。
Cisco系資格の勉強だけでは身に付かない、
だけどネットワークエンジニアとしては必須の知識が紹介されています。
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◆編集後記
冒頭で、私はテレビを見ないし、新聞のスポーツ欄も見ないと
書きました。とにかく時間が欲しいのです。
私自身が、まだまだスキル不足で、技術面・管理面・その他の
ビジネススキル、どれも満足な状態ではありません。
そのために、削ってもマイナスにならない時間は、
徹底的に削ることにしているのです。
空いた時間を少しでも、勉強や運動などの自己投資に使っています。
そんな私が偉そうにこのメルマガを書いていることに
抵抗感が無いわけでもないのですが、自分の経験や知識を整理しながら、
読者の皆さんと一緒に、成長していければと思っています。
ご購読、ありがとうございました。