━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【アップグレード!!ネットワークエンジニア】
(毎週月曜日発行)2009.03.16 Vol.5
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆INDEX◆
1.はじめに
2.「書く」ことを考えてみる
----------------------------------------------------------------------
◆はじめに◆
今週は仕事が忙しく、夜更かしが続いてしまいました。
なかなか朝起きられず、毎朝出勤前に続けている勉強が
止まってしまっています。
『継続は力なり』ですから、このままズルズルと
勉強を止めてしまわないよう、今週からはキッチリ早起きします!!!
----------------------------------------------------------------------
◆「書く」ことを考えてみる◆
今回は、「書く」ということについて考えてみます。
仕事をしていると、書く機会は非常に多いと思います。
ネットワークエンジニアであれば、例えば
○提案書
○設計書
○構成図
○パラメータシート
○ラック搭載図
○案件スケジュール
○作業手順書
○作業時のタイムチャート
○作業報告書
等、挙げれば切りがありません。
また、ビジネスパーソンとして一般的な
○メール
○週報
○議事録
も含めると、書くということは、常に行っている行為だと言えます。
しかしながら、「書く」ということについて、
深く考えている人が、まだまだ少ないように思います。
先日、こんなことがありました。
『お客様にネットワークの構成を考えてもらいたいので、
自分の考えを参考資料として、定例会で見せたい』
という方がいました。
この行動は、前回まででお話ししてきました通り、
『構成やパラメータを、何も考えずに決めてもらう』のではなく、
『自分の奨める構成を提案する』行為ですので、
素晴らしいことです。
しかし、その高い志を持って作成された資料は、
残念ながら、すぐにはお客様の心に響きませんでした。
口頭を交えながら、何度も説明し直し、ときには同じ会社の仲間に
横槍を入れられながら、ようやくお客様に真意を汲み取って
頂けたのです。私はその場に一緒に居合わせ、
『本当にもったいない』
と、思いました。
実は同じようなことを、私は頻繁に体験しています。
何故、こういうことが起こるのでしょうか?
もっと簡単な例で考えてみます。
あなたが自席に戻ったときに、メモが置いてあったとします。
『A社のB様からお電話ありました』
どう感じますか?
これではどうすれば良いのか、分かりません。
○こちらから電話すべきなのか?
○またかけ直して頂けるのか?
○至急なのか?
○B様はA社内にいらっしゃるのか?外出先なのか?
○相手の電話番号は?
しかも、これらを確認しようと思っても、
○誰が残したメモか分からない
のです。
すなわち、何故、このメモがダメなのかと言いますと、
『目的が分からない』
からです。このメモを見ても、動くことが出来ないのです。
実は、電話メモ等の単純なものから、提案書・設計書まで含む、
全てのビジネス文書には、【目的】があります。
【人を動かす】
ということです。
そのビジネス文書を見た人が、動けなければならないのです。
上述の電話の例であれば、
『A社のB様よりお電話がありました。
連絡が欲しいとのことです。
外出中なので、携帯080-1234-5678まで。 3/16 9:15 Ritz』
とすれば、すぐに動くことが出来ます。
この電話メモの例は簡単な例ですので、こんなミスはしない、
と感じる方が多いかと思います。
しかしながら実際には、このように【目的】が感じられない
ビジネス文書が、非常に多いのです。
上述の定例会でのネットワーク構成提案の例に戻ります。
この資料のどこがいけなかったのでしょうか?
実は、提案の内容そのものは良かったのですが、
○いつまでに決定して欲しいのかが分からない
(定例会の中で決めてほしいのか?今月中で良いのか?)
○誰に検討して欲しいのかが分からない
(設計担当者なのか?運用担当者なのか?
あるいは上司に上げて欲しいのか?)
という2点でした。結果として
○あるお客様は、定例会の場で決めなくて良いと思っているので、
いつまでも結論を出さない
○運用担当者は自分の担当範囲ではないと思い、席を立ってしまった
のです。これでは結論はなかなか出せません。
中身が充実していた資料だっただけに、本当に残念でした。
皆さんも日々書いている文書(1通のメールや、簡単なメモを含む)
に対して、
○その文書から、目的は感じられるか?
○それを読んだ人はすぐに動けるか?
を確認するようにしてみて下さい。
それを注意するだけで、出来上がる文書の質が、
一気に上がってきます。
その文書を読んだ人がすぐに動けるようになるので、
動きが早くなります。
これは常に厳しい納期と闘っているエンジニアにとっては
非常に有効です。是非、試してみて下さい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<今号のポイント>
○すべてのビジネス文書には目的がある
○それを読んだ人が、動くことの出来ない文書はダメ
○あらゆる文書で、それらを確認してみよう
今回(Vol.5)の内容はいかがだったでしょうか。
是非、こちらまでご意見をお願い致します。
http://form.mag2.com/thapitraph
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
[PR]
Cisco社のスイッチであるCatalystの基本を一通り押さえるなら、
この本です。
●改訂新版 Cisco Catalyst LANスイッチ教科書
http://www.amazon.co.jp/dp/4844319736/ref=nosim/?tag=ritz0c-22
機器の詳細設計や設定を行う人におススメです。
シリーズ(6500,3750等)毎にアーキテクチャが分かります。
ただ、ネットワークをゼロから学ぶ人は、他書で基本を
押さえてからにした方が良いと思います。
(機器のアーキテクチャの前に、どのメーカ・どの機器にも
当てはまる、基礎理論を固めた方が良いからです)
[PR]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆編集後記
今回の内容は、ネットワークエンジニアに限らず、
全てのビジネスパーソンに意識してもらいたい内容でした。
「書く」機会は日々ありますので、それを改善出来れば、
非常に効果は大きいのです。
本文で書きましたように、あと一歩足らないために、
なかなか目的を達成出来ないことが、頻繁に起こっています。
すれ違いを無くす文書を作成して、どんどん改善していきましょう!!
ご購読、ありがとうございました。