システムを導入する現場を数多く見てきて感じることがあります。
新たにシステムを導入しようとする人も、それを利用する立場の人も、
そのシステムを「魔法の杖」だと思っていやしませんか?と。
既存の業務フローを変えずにシステム導入?
新しいシステムを導入するときには、必ず何らかの目的があります。
最も消極的な目的は、既存システムの延命でしょうが、
一般的には、もっと積極的な理由があります。
例えば、営業部門と生産部門のリアルタイムな連携、などです。
しかし、新システムの導入に向けてヒアリングをすると、
「現状の業務フローを変えたくない」
「だから新システム側で上手く吸収して」
という声を聞くことが多いです。
ただ、本当にそれで良いのでしょうか?
システムは魔法の杖ではありません。
無理難題を押し付けるほど、複雑なシステムになり、使い勝手は悪くなり、開発コストも跳ね上がります。
システムはあるべき姿を作り出すために
上に挙げた例で言えば、システム導入の目的は営業部門と生産部門がリアルタイムに、
そしてスムーズに連携することです。
顧客とのやり取りで、営業はいつでも納期をリアルタイムに伝えたり、
顧客の要望をそのまま生産現場に伝えることで、顧客ニーズに応えること。
それがシステム導入の目的になります。
しかし、営業部門、生産部門が共に既存の業務フローを変えようとしなかったら?
どんなに良いシステムを入れたところで、効果は現れません。
システムを入れることは、あくまでも手段です。
ですので、システムに対する要求以前に「あるべき姿」「ありたい姿」を関係者全員が共通して持たなければなりません。
システム以外の思想が大事
そして、その「あるべき姿」「ありたい姿」を実現するためには、システム以外のことについても真摯に取り組む必要があります。
上述の例で言えば、
- 営業部門、生産部門ともに業務フローを変えること
- 営業部門は顧客情報、顧客ニーズ、案件情報、受注情報などをリアルタイムにシステムに入力すること
- 生産部門は生産状況をリアルタイムにシステムに入力すること
- データを元に営業部門と生産部門がスムーズなコミュニケーションをとること
- 営業部門、生産部門が共通の目標を持つこと
(部門別に目標が違うというのは良くある話です。売上を目標にする営業、生産コストや歩留まりを目標にする生産などです)
というように、システム以外でやるべきことが多々あるのです。
もっとハッキリ言えば、上記の意識を持ち続けることの方が、システム自体より何倍も重要です。
これらを前提として、システムはようやく動くことができるのです。
システムは何でも叶えてくれる「魔法の杖」ではありません。
依存するのではなく、有効に活用すべく、自分たちのやることを根本から見直す姿勢が必要です。
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【編集後記】
昨晩、新しいランニングシューズを買ってきました。
レベルは変わらずサブ4狙いのシューズですが、今までよりも薄型・軽量になっています。
はやく使ってみたいです。
(あとはバラモンキングで落として割ったサングラスを新調しないと。。)
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!