IT・システム関連

「うちのエンジニアは高いですよ」と言えるまでの道

昨日は、30数社のIT関連企業、製造業が集まるイベントを運営していました。
今日はそのイベントでの社長の発言から感じたことを書きます。

 

「うちのエンジニアは高いですよ(ニマリ)」

昨日のイベントは、時間を区切って、2社が対面でお話しをする交流会でした。
1回1回の時間は短い(20分)ので、色んな会社が短時間でお互いを知るべく、ガッツリ会話します。
常に30社近くが10程度のテーブルに分かれて、ワイワイしているので、熱い場になりました。

私はその中で、会社間のフォローするコーディネータとして間に入らせてもらいました。
必要に応じて話を整理したり、追加で質問を促したり。

お互いの人間性を知るべく、フワッとした会話になる場合、
商談にするべく、ビジネスの話からガッツリ入る場合、
ときにはデッドボール近くの危険球(!?)が投げられる場合などもあり、

社長同士の会話(ときには駆け引き)を楽しませてもらいました。
そんな中で印象に残った会話が1つ。

「うちのエンジニアは高いですよ」と自信に満ちた顔をする社長がいらっしゃいました。
どうせIT企業を経営するのであれば、「目指す姿の1つだなぁ〜」と感じたのです。

 

強みは狙って磨かなければ築けない

そのコメントを聴いて、興味を持った相手が色々と聴いていくと、
ますますその会社の強みが分かるストーリーが展開されます。
たった数人の会社が、超大企業や官公庁から大きな仕事を獲得し続ける理由が見えてくるのです。

相手はなかなか理想と現実のギャップを埋められずに苦しんでいる状況の会社。
自信満々の社長の話に釘付けになっていきます。

20分間の話を終えた後、軽くその社長と雑談をしていると、
「まぁ、ここまで来るのに8年かかったんだけどね」と。

どんな会社であれ、顧客に選ばれる強みを築くのには時間がかかります。
(正確に言うと、強みを生み出す「独自資源」のことですが)
人数が増えて組織が大きくなるほど、その傾向は顕著です。
またモノやカネというハード資源よりも、人脈や技術力、組織文化というソフト資源の方が、より時間がかかります。

この社長は8年間、「ありたい姿」と「現状」のギャップを常に意識して、
少しずつ強みを磨き上げてきたのでしょう。

その蓄積があるからこそ、他社がそう簡単に真似できないことも分かっているはず。
また、自社の「勝ちパターン」を分かっているから、
「うちのエンジニアは高いですよ」と自信満々に言える。
(価格で顧客が逃げるならそれで良い、と確信しているのです)

理想を描き、積み上げてきたからこそ実現できる横綱相撲。
無理・無茶な案件は受注しませんから、エンジニアが満足する働き方ができるでしょう。
結果として、更にエンジニアの強みが増していくのです。

 

独自資源を磨くのは社長・経営者の仕事

目の前の案件を取りに行くことは、平社員でも誰でもできます。
難しいのは、案件を断ることです。

断るためには「意思決定基準」が必要だからです。
決断するための基準を作るには、会社が向かう方向性であるビジョンや目標が必要となります。
それらをしっかりと描き、決断をすることによって、案件を断る勇気が生まれます。
取るべき案件にリソースを注力することで、独自資源が磨かれていきます。

これは社長・経営者にしかできない仕事です。
繰り返しになりますが、案件を取りに行くことは、誰でもできます。

社長・経営者は、誰にでもできる仕事をするのではなく、
中長期で見たときに、自社の存在価値を最大化するための意思決定基準を決める仕事をしたいものです。
(もちろん、トップセールスとして取りたい案件を取りにいくことも、社長の仕事です)

それが上記の自信満々の会社のように、独自資源を積み上げることにつながるのでしょう。

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【編集後記】
昨日イベントの疲れを若干残しつつ(笑)、
今日も朝からフル稼働です。
夜にスイムトレーニングが入っているので、それまでは集中!!

今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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