ITを導入する際、業務プロセスの見直しを同時に行うと、効果が高いという記事を書きました。
https://biz-it-base.com/?p=4632
その一方で、
- ITの知識が不足していた
- 推進できる人材がいなかった
- 見直し方・相談相手が分からなかった
などの理由により、業務プロセス変更を同時に行えなかったという例も多いようです。
今回は、少しでもIT導入と業務プロセス変更をセットで考えられるよう、
いくつか例を挙げてみたいと思います。
実は業務プロセス変更は、身近なもの
「業務プロセス変更」というと、なにやら難しいもののように感じるかもしれません。
でも、実は私たちの身近に分かりやすい事例があります。
ホームページやブログの導入です。
今までホームページがなかった企業にとって、ホームページが導入されると、どうなるでしょうか?
急にホームページからの問い合わせが増えて、営業活動が必要なくなって、
・・・なんてことは起こりません。
ごく稀に問い合わせが来れば良い方ではないでしょうか。
とは言え、しっかりと設計されたホームページであれば、時間の経過とともに
アクセス数が増え、問い合わせも増えてくることでしょう。
そのときまでに、業務プロセスを設計しておかないと、
「誰が問い合わせに対応するのか?」という共通認識すら社員間で持つことができません。
ホームページやブログの設置に伴って、
- どのような業務が新たに追加されるのか?(例:記事の更新、問い合わせ対応)
- それを誰が対応するのか?
を決めておく必要があります。
「業務プロセス変更」というよりも、「追加」な感じですが、
事前にこれらを決めずに、「とりあえずホームページを設置 」してしまっている
小規模事業者(フリーランスを含む)が多いように感じています。
ホームページ設置に関しては、別途、記事を書く予定です。
国レベルでの業務プロセス変更
こちらも以前にご紹介したエストニアの記事。
国レベルで業務プロセスを大きく変えてしまい、税金の申告が不要になった例です。
https://biz-it-base.com/?p=4506
この例では
- 個人や法人にとって、税金の申告を無駄な作業と定義づけた
- 税金の申告を支援、監査する税理士・会計士も不要とした
- この考え方を実現する仕組みをITを使って構築した
のではないか?と思います。
この考えの上位概念として、
各行政機関が持っているデータベースを連携させて、
行政サービスを、もっと便利に提供しよう、という考えがあります。
ITは手段であり、後に考えるもの
大事なことは、このエストニアの例からも分かるように、
ITは何かを実現するための手段である、ということです。
システムを導入し、運用することは、目的ではありません。
ですから、実はIT導入の前に、業務プロセスがどうなれば良いか?を検討する必要があります。
そこで考えられた理想の業務フローを実現するために、ITというツールを利用するのです。
決して、ITが先にくるべきではないと思います。
しかし、実際にIT導入のプロジェクトを見てみると、
IT導入自体が目的化されていることが非常に多いです。
ITは手段である、ということを肝に銘じておきたいですね。
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【編集後記】
昨日は、自業自得なのですが、大変な目に遭いました。
ちょっと気を緩めすぎました。。
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!