初トライアスロン(久米島)、いよいよレーススタートです。
長い文章で恐縮ですが、ご興味のある方は読んでみて下さい。
以下、一緒にレースに参加したチームメイトです。
- 元帥:チーム「ポセイ丼」主催。
既にトライアスロンを何年もやられている。私のラン&トライアスロン師匠。
アイアンマンを含め、数多くのレースを経験されている。絶対服従。 - 羅王:「ポセイ丼」1期生。
私とほぼ同時にマラソンを始めたはずのに、
フルマラソンでのサブ4をいち早く達成し、ウルトラマラソン(2回)、アイアンマンを達成した猛者。 - ザック:「ポセイ丼」2期生。
同じく元帥主催のランニングチーム「Admiral」での最速男。
つい先日まで全く泳げなかった。今回、生き残るか最も心配された男。 - みよっしー:「ポセイ丼」2期生。
1月の勝田マラソンで初めてフルにチャレンジしたばかりなのに、トライアスロンに参加したツワモノ。
泳げなかったはずなのに、あっという間に泳げるようになり、バイクも同時に始めたはずなのに速い。
伸びしろがありすぎて末恐ろしい。 - 私:「ポセイ丼」2期生。
フルマラソンのサブ4くらいしか実績がない。
濃い漢が集まる「ポセイ丼」において、最も味付けの薄い男。
スタート前、とにかく落ち着かない
レース当日は、とにかく慌しかったです。
元帥が計画を立ててくれているにも関わらず、
トランジットの準備をするだけで、アワアワと(挙動不審)。
本当なら準備を終えたら、さっさと準備運動をすれば
良かったのですが、気持ちが慌てるだけで、
出来たことと言えば、トイレに行くくらい。
直前の試泳では、昨日よりも波が高いことを感じ、さらに焦ります。
ただ、もう行くしかありません。
チームメイトで円陣を組み、掛け声をかけます。
トライアスロン特有の、「プワァ~」というスタート合図を生で聞けて、
少し嬉しくなりつつも、恐る恐る最後尾から海に向かいます。
人とのぶつかり合いを避けるためです。
スイムは波と潮との戦い
「海で泳ぐのは、プールで泳ぐのとは別物」と
チームメイトからも聞いていましたが、本当に違いました。
波が来るたびに揺らされます。周りの人がガツガツぶつかってきます。
慣れない波に揺られすぎたのか、途中、軽く酔った状態になり、
立ち泳ぎや平泳ぎで気持ちを落ち着かせました。
1週目の後半、沖から陸へ向かう方向へ泳いでいるつもりが、
どんどん左に流されていきます。
明らかに潮に流されているのでした。
1周目が終わり、自分の番号を告げると、すごい応援が!
ただ、ここでは返事をする余裕もなく、2周目となるコースに近付きます。
この波と潮、体感的には2周目の方が強さが増していました。
それと同時に恐怖心も増してきます。
トライアスロン初戦で、荒れまくった海に揉まれた
チーム1期生のことを改めて尊敬しました。
大して荒れてもいない海で、恐怖も何もないだろう。
死ぬことはないし、さっきやったことを、もう1周。
淡々と自分のできる泳ぎをするだけ、と言い聞かせるのでした。
コースを2周する間、時計を見る余裕は全くありませんでしたが、
浜に上がってみると、時計は45分ちょうど。
自分にとっては、予想外に良いタイムでした。
プールなら45分は切れますが、海で同様のタイムを出せるとは
思っていなかったのです。
自分が感じている以上に、ペースを上げて泳いでいたのでしょう。
とにかく、とりあえず生きて海から上がれたことを感謝するのでした。
第4の競技、トランジット
トランジット地点に着いたのは48分を過ぎた頃。
海を上がった時点から、バイクのある場所までは少し離れていました。
そのため、砂浜を走っていく選手も周りに居たのですが、
私は最初は歩いて、徐々に小走りで進みました。
この時点で、かなり体力を消費していると感じていました。
ここで無理して心拍数を上げたら、最後までたどり着けません。
私も目標は完走。
まだまだ先の長いレース、初めてで先の読めないレース。
焦る必要はありません。
ようやく自分のバイクのある場所に着いて、
前日のイメージ通りにバイクの道具をつけて・・・のつもりが、
全く上手くできません。
全身ずぶ濡れな上、寒さでカラダが冷えてしまい、指先が動かないのです。
とにかくタオルでカラダを拭いて、
冷えないようにアームウォーマーを着けることにしました。
事前に左右を分けていたバイクグローブを、
勘違いして左右間違えてつけてしまう始末。
(元帥のアドバイスで、靴下もアームウォーマーも、全て左右に分けて置いていたのですが)
そうこうしているうちに、周りの選手は次々と進んでいきます。
明らかに自分だけ動きが遅いのでした。
私がトランジットを終えてバイクに乗り始めたのが、確か55分頃、
移動と合わせて10分も使ってしまったのです。。
トライアスロン、第4の競技と言われるだけのことはあります。
次のレースでは、もう少し上手くやりたいものです。
ひたすら我慢のバイク
バイクに乗ろうとすると、元帥に声をかけられます。
そのまま、元帥は颯爽と先を行ってしまいました。
さすがトライアスロン30戦目の元帥。
私のようにトランジットで手間取ったりしません。
そしてバイク開始から、ほんの10分程度の間に、
同じくチームメイトの羅王・みよっしーに軽く抜かれます。
羅王はスイムで先を行っていると思っていたので、驚きました。
みよっしーは私と一緒にバイクを始めたばかりです。
ただ、練習のときから、いつも彼の方が速かったのです。
「おぉ~、すげぇ~!!」と思いつつも、
私は軽めのギアをクルクルと回し続ける作戦を続けました。
バイクは、ほぼ同じところを3週する66km。
ノンストップでこの距離を走ったことはないので、
とにかく抑え気味に行きます。
その後も、周りの選手にガンガン抜かれていきます。
前から自覚していましたが、私のバイクはまだまだ遅いようです。
まぁ、これが今の自分なので仕方ありません。
筋肉を疲労させないように、重たいギアは避け、
心拍数は上がっても良いので、軽いギアをはやめの回転数で回し続けます。
しばらくして、折り返しを過ぎるとみよっしーが1位に。
元帥と羅王をかわしたのか!快調に飛ばしていました。
その後、スイムを苦手としていたザックを後ろに発見!!
全員が無事であることを喜びつつ、淡々と進・・・もうとしましたが。
3周目に入る頃には、腰痛とお尻の痛みが限界に達してきます。
バイクの乗り方が下手なので、まだ上半身にガチガチの力が入っています。
正しい重心でサドルに乗れていないので、その反発でお尻が痛くなってしまうのです。
下り坂でペダルに立ち上がってみたりしながら、腰とお尻を休ませます。
そして、本来、トライアスロンの中で最も補給ができるバイクで、
ほとんど補給ができないのでした。
上半身ガチガチなので、持っている補給食を取り出し、封を開けて飲むなんて。
私には芸当以外の何ものでもありません。
(補給不足が後に、ランでのガス欠につながります。。)
腰痛でフラフラになりながら、3周目最後の折り返しの前に元帥を発見。
とんでもなく引き離されているわけではないと自分を慰め、
最後のトランジットに向かいます。
感動のラン、過去最も短く感じた20km
ランへのトランジットは、スムーズにできました。
(基本、ヘルメットを脱ぐ程度ですので)
しかし、長時間バイクを乗ってきた後、脚が思うとおりに動きません。
ただ、これは事前にチーム1期生である兄さんから聞いていたことでした。
「2~3kmも走れば、いつもの感覚に戻るよ」と。
もう1つ問題だったのは、バイクで痛めた腰。
一歩一歩、衝撃が伝わってきます。
果たして完走できるのか?
とにかく、最初の数100メートルは、キロ8分ぐらいの小走りでした。
エイドで水を飲み、トランジットで持ってきたジェルを飲み干すと、
徐々に脚が慣れてペースが上がってきました。
腰もどうやら大丈夫のようです。
徐々にいつものランニング速度へ上げていきます。
気付けば、キロ5分前半で走れているようです。
ランのコースは同じところを2週、20kmです。
前を行くチームメイトにどこまで迫れるか?楽しくなってきました。
しばらく進むと、前の選手が良く見えるポイントで、羅王と元帥を発見します。
みよっしーは、まだまだ先か。
もう少しすれば、きっとチームでのラン最速、ザックもやってくる。
チームで、こんな真剣に抜きつ、抜かれつのレースをできていることが
楽しくて仕方ありません。
そんな思いの中、元帥・羅王と言葉を交わしつつ、先を行かせてもらいます。
このとき、羅王は脚がつって動けなくなっていました。
羅王は、自分が先頭を行くみよっしーを抜きたかったようなのですが、
その想いを、なぜか託されました。
そしてもう少し進んだ頃、なぜか急に、自分がとても恵まれていることに気付きました。
こんなに楽しいチャレンジをさせてもらっている。
チームの仲間はお互いを応援し、ライバル視し、尊敬している。
私の独断で勝手に遠征したのに、家族からも応援のメッセージが。
沿道の方は、見ず知らずの私に、こんなにも温かい応援をして下さる。
胸が熱くなり、感動で涙が溢れてきて、嗚咽が止まらなくなりました。
でも、この時点でランは、まだ3km程度。
嗚咽で呼吸困難に陥っている場合じゃありません。
今の気持ちは大切にしておきつつ、残り17kmをしっかり走ろう。絶対できる。
気を取り直して、先を目指します。
すると、折り返ししてきたみよっしーが。
自分がその場所に戻ってきたときに確認すると、差は3~4分。
いける、きっと追いつける。
結局、みよっしーをかわしたのは、約7km地点。
温かい応援と、仲間と何度もすれ違える嬉しいコース設定のおかげで、
集中力を保って進むことができました。
私が1周目を終える前に、軽快に飛ばすザックが現れました。彼も元気そうです。
ただ、13km地点で急にガス欠になります。
バイクでほとんど補給ができていなかったので、エネルギー切れです。
空腹を感じている時点でアウトです。
それまで、キロ5分前半だったペースが、キロ6分近くまで落ちます。
でも、苦しくありませんでした。
このレースを走れていることが嬉しくて仕方なかったのです。
ラスト2kmは残ったエネルギーをかき集めてスピードアップ。
「Admiral」らしく、しっかり走ってゴールしようと。
結局、今までで、一番短く感じた20kmでした。
ゴール前で自分のゼッケン番号と名前が呼ばれ、ゴール!!
今はまだ、このときの感動・達成感を現す、適切な言葉が見つかりません。
そんなわけで昨年末から練習を始めたトライアスロン。
何とか3ヶ月で、トライアスリートの仲間入りを果たしたのでした。
応援して下さった皆さま、本当にありがとうございました!
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【編集後記】
要点を絞ったつもりが、、それでも長い記事になってしまいました。。
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!