こんにちは、渋屋です。
クラウド上でシステムを稼動させるに当たって、注意すべき点をご紹介しています。今日はその第4回です。
第1回:クラウドが抱える問題点
第2回:クラウドの情報セキュリティリスク
今日はクラウドがある場所に起因するリスクについてです。
クラウドはどこで動いているのか?
クラウドというと名前の通り、雲のようにふわふわとしていて、どこでそのシステムが動いているのか?想像がつきにくいかもしれません。
しかしコンピュータである以上、どこかにはハードウェアがあり、電源供給され、ネットワークにつながって動いているのです。
これらの機器が動いているデータセンターはどこにあるのでしょうか?
クラウドという概念が広がり始めた頃、日本国内にデータセンターを持つクラウド事業者は稀でした。
日本は土地代も電気代も高いので、データセンターを開設するには、敷居が高い地域なのでしょう。(ネットワークの高速性や電気が安定しているのがメリットですが)
国外にデータセンターがあるリスク
国外にデータセンターがある場合、考えなければならないことが多々あります。
まず考えるべきことは、国外に保管されたデータが、その国の法律から影響を受けることでしょう。
著作権には著作権法、営業秘密には不正競争防止法が関係してきます。
また、個人情報保護法や、会社の帳票類を保存するために規定された法律もあります。
これらの法律が日本ではなく、その国のものを適用されるのです。
クラウド事業者が提供するサービスのSLAを確認し、許容できるものなのか?を検証する必要があるでしょう。
また、国の捜査当局が、その権限を振りかざして、データを閲覧されてしまう懸念もあります。
結果として、自社のコンプライアンスが守れなくなるという可能性も検証しておくべきでしょう。
ただ、これらの心配は、その国に営業所を出したり、法人を立てたりすれば、確認すべき項目です。大きなコストにはならない場合もあるでしょう。
一方、日本だけでビジネスをして、(例えば)北京のデータセンターを利用する場合には、クラウドのためだけに確認をする手間が発生してしまいます。
なお、企業向けサービスでは少なくなってきていますが、コンシューマ向けのクラウドサービス事業者の中には、データセンターの所在地を公開していない事業者もありますので、注意が必要です。
日本も選択できるように
この数年程度で、ようやく日本でデータセンターを持つクラウド事業者も増えてきました。
Amazon Web Servicesの日本進出は比較的早く、2011年でした。
Microsoftも今年の2月、東日本(埼玉県)と西日本(大阪府)にデータセンターを開設しています。
法的な心配を減らすのであれば、日本を選ぶことで、トータルコストが減る可能性があります。
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【編集後記】
今日は仕事後に、事業プランについて、コンサルティングを受けてきます。
月に1度受けているのですが、その4回目です。
第3者の、しかも経験豊かな方の眼で診て頂くのは、本当に重要だと痛感しています。
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!