こんばんは、渋屋です。
一昨日から、クラウド上でシステムを稼動させるに当たって、注意点をご紹介しています。今日はその第3回です。
第1回:クラウドが抱える問題点
第2回:クラウドの情報セキュリティリスク
システム(アプリケーション)単体で考えない
システムを設計するとき、ついウッカリと後回しになってしまうことがあります。
他のシステム(アプリケーション)との連携です。
勤怠システムであれば、社員データベース(人事システム)と連携するでしょうし、
経費清算システムであれば、交通費を算出するために「駅すぱあと」と連携しているかもしれません。
見積システムと、顧客情報管理のシステムが連携しなければ、いつ?どの見積を顧客に提示したのか?手作業で確認が必要になってしまいます。
システム・アプリケーションという大袈裟なことを言わなくとも、デスクトップとファイルサーバも連携をしているわけです。
つまり、単体で動くシステム・アプリケーションは限られており、企業で使われる多くのシステムは、他のシステムと連携をすることが多いと感じています。
にも関わらず、システム設計をするときには、そのことで頭が一杯になってしまい、他システムとの連携については、後手に回ってしまうことが多いのではないでしょうか。
そのような場合でも、システムがオンプレミス(自社内で管理)であった場合には、さほどの問題にはなりませんでした。システム連携させる手法は、数多く存在するからです。
しかし、クラウドの場合にはそうはいきません。
クラウド上のシステム連携時の注意点
まず、ネットワーク帯域の問題があります。
オンプレミスのシステム間連携であれば、それは物理的にも同じ場所にあることが大半です。
同じデータセンター・マシンルーム内にシステムがあれば、LANで接続されていることになります。少なくとも企業内WANで接続されています。
しかし、クラウド上のシステムと、オンプレミスのシステムが連携するときには、インターネットを経由するのが一般的です。LANのように十分な帯域は確保できませんし、遅延も大きくなります。
つまり、大容量のデータを交換したり、高トランザクションのシステム間連携が難しくなるのです。
データを圧縮したり、不要なデータを送信しない仕様に変更する必要があるでしょう。
次にセキュリティの問題があります。
LAN上でシステム間連携をするときには、セキュリティを強く意識する必要は無かったかもしれません。
しかし、インターネット上をデータが流れるとなったらどうでしょうか?
機密データ等が流れる場合、平文で流すわけにはいきませんから、VPNを張るなどの対策が必要になってくるでしょう。
このような性能・信頼性・セキュリティを考慮した上で、最適なシステム間連携の設計をすることが求められます。
アーキテクチャレベルから変更になることも多いでしょう。
クラウド事業者が提供するシステム間連携方法は、(オンプレミスに比べると)限られた方法であることが多いためです。
このようにシステム連携(データ連携)実現に向けた制約条件やコスト増の可能性を考慮した上で、そのシステムをクラウド上で動かすか?を検討する必要があります。
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【編集後記】
今日は仕事の後に、とある打ち合わせ。
このところ定期的にお会いしている方々で、毎回、刺激を頂ける場です。
私ももっと力をつけて、もっと貢献していきたいと思っています。
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!