おはようございます。渋屋です。
システムを(パブリック)クラウドで動かすか?それとも自らシステムを保有して維持管理するオンプレミスにするか?管理者にとっては悩みが増えていることでしょう。
間違いなくクラウドは破壊的なテクノロジーであり、従来のシステムには無かった恩恵を受けることができます。
その一方で、リスクとして意識しておかなければならないことが、(パブリック)クラウドにはあります。
今回はクラウドが抱える問題点を挙げてみました。
少し前の資料ですが、『クラウドコンピューティングの利用における利点と問題点(2012年2月)』や『中小企業のためのクラウドサービス安全利用の手引き(2011年4月)』を参考にさせて頂きました。
システムを自ら管理しないことによるリスク
(パブリック)クラウドにシステムを預けるということは、その基盤の運用(例:ハードウェア保守)を自ら行わないことになります。それによって迅速なシステム展開ができたり、運用コストの削減などのメリットがある一方で、以下のようなリスクがあります。
・メンテナンス時期が選択できない
メンテナンスが行われる時期はクラウド事業者が決定するものです。自社にとっては繁忙期で、システム稼動が重要な時期であったとしても、変更してもらうことは(一般的に)できません。
・障害時の復旧目標時間がコントロールできない
クラウドサービスには、障害が発生したときの復旧目標時間が掲げられています。
その目標時間が、期待値よりも長いものであったとしても、短くしてもらうことはできません。
また、発生した障害によっては、目標時間を上回ってサービスが停止することもあります。補償を受けることによって、経済的なリスクは押さえられるかもしれませんが、システム停止による業務へのインパクトは日に日に増しており、補償だけで十分とは言えません。
ただ、障害発生はオンプレミスのシステムでも起こり得ることです。
プロが運用している大規模なクラウドシステムと、素人が運用している自社システムと、どちらがリスクが高いのか?は天秤にかけておく必要があるでしょう。
ネットワーク切断のリスク
クラウドは大規模なものになると、それだけで経済圏を形成するようになります。すると、サービス停止によって経済的に事業継続を困難にするような攻撃が発生しつつあります。EDoS(Economic Denial of Sustainability)と呼ばれるものです。
また、クラウドの利用はネットワーク接続が前提となります。
ネットワークに障害が発生したとき、そうでなくとも海外等でネットワーク接続が不安定になる場合には、必ずしもクラウドが利用できるわけではないことを認識しておく必要があります。
日本の安定したネットワーク環境で満足したクラウドサービスも、ネットワークが不安定な国で利用すると、利用に耐えられないことが起こり得るでしょう。
長くなってきましたので、明日に続けます。
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【編集後記】
昨日は息子の入学式でした。
スーツ姿にピカピカのランドセル、新しい活動って良いですね。
しばらく緊張するでしょうが、きっとすぐに慣れるでしょう。
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!