中小企業診断士

中小企業診断士は研究者か、それとも教育者か

私はITエンジニアだった頃、自分がITエンジニアと名乗ることが恥ずかしくなるような人たちが居ました。
1つ1つの技術を、どこまでも追究しようとする人たちです。

 

研究者としての挫折と、自分の存在価値

マニュアルを読み、RFCなどの国際標準を読み、ソースコードを読む。
自宅に大量の機器を買い込んで、実験する。
理解して、実践しないと気が済まない。
純粋な技術の話だけで、何時間でも何日でも会話できる。

そういう生粋のエンジニアと出会う度に、
私は自分のアイデンティティが、純粋なエンジニアではないことを痛感しました。

実は大学時代にも同じようなことがありました。
物理の話にのめりこんでいく、研究者気質の人を見るたびに、
「あぁ、自分はここまでは踏み込めないな」と感じて、
大学院進学を止めて、就職を考えたのでした。

私は自分の存在価値を、別のところに見出しました。
1つは、生粋のエンジニアとお客様の間の通訳になることでした。
純技術者は、正しい言葉を正確に使おうとします。
しかし、それではお客様は、話を全く理解できません。

その間に私が入ることによって、
両者のコミュニケーションを円滑にすることができました。

もう1つは、広さを身につけることでした。
ITと言っても非常に幅広く、様々な分野があります。
その複数分野に手を広げることで、異分野AとBの橋渡しになる。

あるいは、純粋な技術分野ではなく、
プロジェクトマネジメントやITILなどを学び、実践することで、
自社やお客様の仕事がスムーズに進むように邁進しました。

自分の存在価値は、その広さと、全体をコーディネートするところに
あるような気がしていました。
そのスキルは、部署異動して、マーケティングをやったときにも活かされました。

 

中小企業診断士という資格

物理でもITでも感じた、研究者としての適性のなさ。
それは中小企業診断士を取得し、独立した今も、自分の感じていることです。

診断士を取得して、どこかの研究会・勉強会に顔を出せば分かりますが、
この世界にも一定数、研究者気質の人がいます。

受験テキストには1ページしか書いていないようなことでも、
原典に当たり、その概念をゼロから吸収しようとする人たちです。
知識が豊富で、議論が始まると、ただただ圧倒されるばかり。

では、知識が足らない、研究者気質にもなれない私(渋屋)は、
存在価値がないのか?
なかったら、とっくに路頭に迷っているはずです・・

 

知識ではないところで勝負

ITエンジニアのときと同様、私は今回も、知識の深さではないところで勝負しています。
その最たる例は、分かりやすさです。

ITエンジニア時代、技術そのものを追究するよりも、
その技術を使うと、お客様にとって、どんなメリットがあるのか?を大切にしていました。

今も同じです。
理論を正確に、精緻に伝えようとはしません。(伝えられませんし)
それよりも、お客様にとってのメリットが何か?
具体的にどうすれば、お客様が使えるようになるのか?

そこを大事にしています。
もちろん、教える立場として、自分の理解が浅い部分は、できる限り学んでいます。
ただ、自分の知的好奇心を満たすよりも、お客様に理解して活かして欲しい、
という思いの方が強いのです。

私のアイデンティティは、研究者よりも、教育者に近いのかもしれません。
(そう言えば、学生時代までは教員か予備校講師になりたかったのでした)

両方の力を伸ばせれば良いのですが、適正もありますので・・
そんなわけで、私は研究者気質の理論派診断士が現れても、
(若干の引け目は感じつつも)恐れることなく、自分の立ち位置に、自信をもって仕事をしています。

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【編集後記】
我が家で今年初のエアコン投入。
(私が自分の部屋でバイク練習するときを除く)
やっぱり快適ですね。

今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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