中小企業診断士

専門知識を売ろうとするから失敗する

「コンサルティングに必要なのは、スキルではないのかもしれない」

私が初めてそう感じたのは、独立して半年ほど経ったときのことでした。

 

スキルは分かりやすい売り物であるが・・

士業やコンサルタントは、スキルを売る仕事だと考えられています。
そういう側面があるのは事実ですし、
特に独立直後は、分かりやすいメリットを掲げて、いち早く案件を獲得しなければ、資金がショートしてしまいます。

目の前の案件を獲得する、つまり売り物としては、スキルを示すのは便利です。

  • こうやれば売れますよ
  • こうすれば節税できますよ
  • こうすればホームページのアクセスが増えますよ

このように示すことでお客様に自分が何者であるか?何を提供できる人なのか?を覚えてもらいやすくなります。
ただ、このやり方を続けるからこそ、売れなくなってしまうのだと考えています。

 

スキルは継続しにくい

ただ、スキルは1回売るには便利ですが、継続して売れ続けるものではありません。
節税するにも、ホームページのアクセスアップにも限界があります。

つまり、お客様と長くお付き合いするには、スキルだけでは足りないのです。

先日、知り合いの中小企業診断士がボヤいていました。
「顧問契約を取りたい」
「でも、そんなに毎月、話すことがないですよ~」

別にアドバイスする義務はないので、サラッと聞き流していましたが・・
こちらから喋ろうとするから、継続できなくなるのです。

そうじゃなくて良いと感じたのは、独立して半年ほど経った、お客様からの一言でした。
「渋屋さんに話を聴いてもらうと、安心するんです」

偉そうに助言や指導する必要なんてない。
(最初から、それはないと思っていましたが)
ただただ、お客様の悩みを親身に聴くことに価値があるのだと発見した瞬間でした。

 

お客様の真の課題を発見する

人の話を最後まで聴かず、遮って発言する人を見るたびに、勿体ないなぁ~と。
どっかの国に洗脳されたからなのか?発言にこそ価値があると思っているのでしょうか。

少なくともお客様の経営を支援するコンサルティングを行うなら、
とにかくお客様の話を聴く。
表面上の言葉を聴くのではなく、お客様の背景にあるものを読み取ろうとする。
そして何よりも、お客様の気持ちを理解しようとし、共感する。

そういう姿勢が生み出す安心感が、雑多なことに振り回されがちな経営者の頭を整理していくのです。
安心して、なんでも話をしているうちに、思考が整理されていきます。
そしてスッキリすると同時に、自分のやるべきことが自然と見えていきます。

知識を詰め込むスキルを放り投げて、
もう1段、抽象度を上げてサービス提供できるようになれば、
お客様との関係性は、比較的長く続きやすいのでは、と考えています。

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【編集後記】
仕事の合間に横山大観展を観に行きました。
一人で美術館に行ったのは、初めてじゃないでしょうか 笑
お客様の話を聴き、対話をするためには、感性を磨く必要がありそうです。

今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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