情報・データ活用

新商品・サービスを展開するなら、まずは既存顧客から

新しい商品やサービスを企画・開発すると、いきなり新規顧客の開拓から始めようとする例が後を絶ちません。
様々な企業の新商品・サービス展開の場にいますが、私の感覚では、約9割のケースで新規顧客の開拓から始めようとします。
ただ、それではなかなか上手くいきません。

 

新商品・サービスと顧客の軸で考える

アンゾフの成長ベクトルというものがあります。
商品・サービスの軸と、顧客の軸で事業の方向性を分析するのに使います。

既に展開している主力の商品・サービスには、当然ながら顧客がいます。
このマトリクスで言えば、左上のものです。

何らかの理由で新規商品・サービスを開発したときには、

  • 既存顧客に対して展開する(図の左上から右に向かう)
  • 新規顧客に対して展開する(図の左上から右下に向かう)

の2通りがあります。
ただ、冒頭に書いたように、なぜか多くの企業が深く考えずに新規顧客に向かうのです。

 

既存顧客から始める3つのメリット

私はそのようなとき、必ず既存顧客から新商品・サービス展開する提案をするようにしています。
言うまでもなく、アプローチするために掛かる時間・お金が少ないからです。
結果として、新商品・サービスの受注が早まることになります。

この効果は考えている以上に大きいものです。
1つ目は小さな成功を得られることで、社内の雰囲気が良くなることです。
新商品・サービスの企画・開発に関わっている人達は、
誰もが「早く1件目が欲しい」と思っています。

しかしリリースから1ヶ月経ち、3ヶ月経ち・・と時間が経っているにも関わらず、
最初の受注を獲得できないと、モチベーションが下がってきてしまうのです。
それを避け、いち早く最初の成功を得るには、既存顧客から攻めるのが良いのです。

2つ目はフィードバックが得られやすいことです。
最初の商品・サービスは、長く提供してきたものに比べると、未熟な点が残っているものです。
特にソフトウェア系では、そういう面が多いでしょう。

このようなとき、新規顧客からは悪い点のフィードバックが得られにくいのです。
まだ顧客との間に信頼関係が構築しきれていないためです。
それが長年お付き合いしてきた既存顧客であれば、全うなフィードバックを得ることができます。
それを元に、より良い商品・サービスにしてから、新規開拓しても遅くはありません。

3つ目は、繰り返しになりますが、アプローチに掛かる時間・お金が少ないことです。
一定期間以上、事業を続けてきた会社であれば、必ず既存顧客がいます。
その既存顧客は連絡先も、社風や文化なども分かっていることが多いでしょう。

そのような既存顧客をすっ飛ばして、新規開拓を始めるのは、実にもったいないことです。
早く結果が出やすいのですから、その分、キャッシュフローも良くなります。
開発した商品・サービスによっては、それなりの投資をしているでしょうから、
早く回収するためにも、既存顧客にしっかりとアプローチしたいものです。

言葉を変えると、新商品・サービスを提供する体験をして、既存商品・サービスに変えてしまう。
それから新規顧客にアプローチしていく、という流れが良いと思っています。
(図の左上から左下へと下がる流れになります)

 

顧客との接点はWebだけではない

新商品・サービスをリリースするとき、Webに掲載することしか考えない、というケースも多く見受けられます。
これも実にもったいないことです。

顧客との接点はWebだけでしょうか?
特に既存顧客との接点はWebだけでないことが多いでしょう。

ゆくゆくはWebで広げるにしても、
その前に既存顧客にアプローチして、フィードバックをもらう。
それによって、顧客に「刺さる言葉」が分かってくるのです。

その刺さる言葉が分かってから、Webを作っても遅くはありません。
売り手の視点だけで書いたWebは、どうせ大した反応がないので、
言葉の精度を上げてからWebで広く展開する方が、効果があるのです。

新規顧客だけでなく、しっかりと既存顧客にもアプローチするように、
顧客との接点もWebだけではなく、あらゆる現実性や効果を考えつつ、
あらゆる可能性を、まずは確認してみましょう。

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【編集後記】
Garmin Connectで外部データをインポートするボタンが消えてしまいました。
Zwiftのデータが取り込めない。。
(マニアックなネタですが)

今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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