マーケティング

商品企画の全体像とシミュレーションの意義

商品企画をするとき、どのような流れで進めるのでしょうか。
また、その際に行う、売上目標や収益予測のシミュレーションには、どのような意義があるのでしょうか。

 

商品・サービス企画のコンセプトづくり

新たな商品やサービスを考えるとき、まずはコンセプトから考えます。
具体的には、誰に?何を?提供する商品・サービスなのかです。

自社にとって末永くお付き合いしたい顧客はどんな顧客なのか?
顧客像を明確にすることについては、こちらの記事でご紹介しました。

そして、その顧客に対して提供する価値は何なのか?
具体的な商品・サービスを考える前に、価値について深く検討することをお勧めしています。

  • Before / After
  • Q(品質)C(コスト)D(納期)
  • P/L
  • B/S
  • 使い方(TPO)

などのいくつかの切り口から、価値を書き出すのです。

 

実行計画は定量的(シミュレーション)に考える

そしていよいよ、具体的な商品・サービスの検討に入ります。
実際には上記のコンセプト(顧客像・価値)と商品・サービスを
行ったり来たりしながら、何度も何度も考えます。

大事なことは具体性と一貫性です。
顧客像があいまいだと、商品・サービスもあいまいになります。
顧客・価値・商品の3つを通して一貫性がないと、実行計画が立てられません。

一般的には、この3つの間をグルグルと、何度も何度も考えることになります。
商品・サービスを企画する上で、最も大切なフェーズだと思います。
ある程度、具体性と一貫性を感じられた時点で、定量的なチェックを行なって、アイデアの精度を上げていきます。

  • コストはどれくらいかかるのか?
  • 値段はいくらに設定するのか?
  • どれくらいの初期投資が必要なのか?
  • どれだけ売れば黒字になるのか?(単月黒字)
  • 累積で黒字になるまでの期間(投資回収期間)

などなど。

月額課金型Webサービスの企画を支援したとき、こんな感じのシミュレーションを行いました。
このシミュレーションを行ないながら、商品・サービスの4P(商品・価格・流通・プロモーション)を固めていくのです。
例えば、自社だけでは目標の売上数に達する見込みがないとき、代理店を活用できないか?(流通)を検討します。

定性的なコンセプトだけでは、予算や体制を組む意思決定もできません。
このように定量的にチェックすることで、アイデアレベルの企画を実行レベルに落とし込んでいくのです。

 

売れていく様を楽しく想像しながらシミュレーションする

シミュレーションをするとき、最近大切だと感じていることがあります。
それは「数字の積み上げを楽しんで行えるか?」です。

自分たちの考えたアイデアが、本当に顧客にとって価値のあるものであれば、売ることにワクワクするはずです。
心から良いと思っている商品・サービスであれば、売れないことに罪悪感すら覚えるはず。
自社だけで売れないなら、どうやって売れる体制をつくれるのか?広くアンテナを張れるようになるでしょう。

旨いラーメン屋を見つけたとき、それを友人に教えることに抵抗感はないはず。
しかし、自社の商品を売ろうとした途端に抵抗感を感じるのであれば、心のどこかに「売りつける」感覚があります。

もし、売れていく様を想像したときにワクワクしない、ノルマが与えられたように感じるのであれば・・
顧客に対して価値を提供する商品・サービスではなく、自社のために存在する商品・サービスになっている可能性があります。
論理的なことではなく、感覚的なことですが、非常に大切なことです。

商品・サービス企画は、新しいものを生み出す楽しい仕事です。
(当然、大変なことも多々ありますが。)
まずは自分たちが徹底的に楽しんでいるか?感覚を大事にしましょう。

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【編集後記】
今日は、IT企業にて終日、商品・サービス企画の研修講師をします。

今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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