IT・システム関連

新技術が出まくりですけど、別に使わなくても良いんです

「ここは人工知能(AI)を使うところですかね〜」
「こういうときは、拡張現実(AR)ってのが良いんですかね?」
「この問題はIoTで何とかしたいです」
「マーケティングオートメーションってどうなんですか?」

このところ、中小企業の経営者から立て続けに聴いた言葉です。
トレンド的なキーワードを把握していること自体は良いのですが、一方で私は危機感を覚えました。

「別に無理して新技術を使わなくても良いんですよ」
その理由をお伝えします。

 

華々しい事例の裏側を読むべし

冒頭のようなトレンド用語は、大企業の華々しい事例と共に紹介されます。
しかし、事例はあくまでも事例です。
世に知らしめるために、泥臭い作業などは割愛されて、良いところだけにスポットライトを当てるのは、良く行われることです。
(私自身、会社員時代には、そのような仕事にも関わっていました)

しかも、このような華々しい事例の裏には、大企業じゃなければ出せないお金・人的リソースなどが投下されています。
オマケにその新技術を提供する会社がガッツリとサポートしていることも多いのです。
そう、中小企業がおいそれと真似できるものではありません。

本当に新技術を使うのであれば、事例をそのまま真似ようとするのではなく、中小企業である自社が使えるようにカスタマイズした上で、その本質部分だけを真似る(模倣する)のが良いと感じています。

 

新技術に夢を見過ぎていませんか?

「データ分析を人工知能にやらせよう」

なんだかもっともらしい発言ですが、現実的には、ほぼ何も考えていないに等しいです。
既に人工知能は様々な商品・サービスが百花繚乱です。
もしこのような提案するのであれば、どの商品・サービスをどんな形で使うかを含めて提案したいものです。

多くの中小企業にとって、新技術を使うことは目的ではありません。
何かを成し遂げるための手段にすぎないのです。
であるならば、その何かを成し遂げるためには、新技術だけでなく、もっと一般的な方法も選択肢に入れた方が良いでしょう。

データ分析であれば、普通にExcelでできることも多々あります。
何10年も使われてきた統計ソフトが役立つかもしれません。
そういう基本も抑えていない状態で、突然「人工知能が何とかしてくれる」というのは、あまりにも虫のいい話に感じます。

既に世の中に広く浸透している商品・サービスが使えれば、その方がコスト的にも安くなることがあります。
実績もあって安いのだから、それが有効なら、使わない手はないでしょう。

 

中小企業の対応は、地に足をつけて行おう

私が支援することの多いマーケティングについても同様です。
マーケティング・オートメーション、SEO、コンテンツ・マーケティング、etc
流行り言葉に踊らされるケースを良く見ます。

しかし、問題の本質は、ちゃんとマーケティングのことを考えて、実践する担当者がいないという問題です。
高度なことをやる以前に、基本的なことをやれる状態になっていないのです。

ですから、中小企業にとって大切なことは、地に足をつけた対応をすることです。
やるべきことに優先順位をつけて、本当に必要なことには担当者をアサインします。
もちろん、現状業務に付加するのではなく、現場業務を整理した上で。

小さくても良いので、必要な予算をつけましょう。
Webマーケティングで言えば、月に1万円を使えるかどうかだけで、それなりに成果は変わってきます。

新技術や流行り言葉を追いかけるのは、世の中の変化を捉えることですので、経営者にとっては素晴らしいことです。
その一方で、流行り言葉に余計な夢を見て、無駄に振り回されないようにしましょう。

最後に、念のためですが、私は新技術に価値がないとも、使わなくていいとも、思っていません。
むしろ、ちゃんと使うことで中小企業が強くなって欲しいと切に願っています。
しかし、特にIoTなどは、完全に言葉遊びにされている感が拭えないので、敢えてこのような記事を書きました。

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【編集後記】
3連休は、ずっと雨になりそうです。
明日はよこはま月例マラソン、月曜日は鎌倉でトレイルランニング練習会の
予定だったのですが・・
月17時間のランニングに向けて計画を修正せねば。

今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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