こちらの記事でご紹介した通り、スモールビジネスをITで元気にする会を行いました。
ここで、面白い話がありました。
システム開発をする会社の社長曰く、
「カレーを注文されたとき、言われたまま出したら怒られるんですよ」と。
システムを提案・開発する会社には、「通訳する力」が必要であることを示す言葉です。
欲しいものなんか、最初から分かっているわけがない
飲食店でカレーを注文されたらカレーを出すでしょう。
それで全く問題なしです。
しかし、システム会社は、「カレーが欲しい」と言われたことを鵜呑みにしてはいけません。
上述の社長曰く、「カツカレーですらない。ラーメンだったりする」と。
ということは、注文を受けた瞬間につくりはじめてしまったら、悲劇が待っているということです。
カツカレーくらいの間違いだったら、後から修正ができるかもしれません。
でも、カレーをつくってから「あ、ラーメンだったわ」と言われても取り返しがつきませんね。
飲食店で問題ないのは、最初からカレーもラーメンも完成イメージがあるからです。
注文者も受注者も、イメージにズレがない。
だから最初から言われたとおりにつくれます。
でも、システムは違います。
最初に欲しいと思っていたものを掘り下げて聴いてみると、本当に必要なものはそれではない、と変わることが多々あります。
専門外の分野だからこそ、完成図を見せる
別に中小企業の社長のITリテラシーが低いから、そういう問題が起こる、と言いたいのではありません。
そりゃあ、ITリテラシーは低いより高い方が良いですが、社長が何でも知るには限界があります。
私自身、不動産や金融商品を買おうと思ったら、素人同然になります。
社長にとって、ITとはそういう専門外の分野です。
だから、「カレー」と言われても、本当はこういうの(ラーメン)が欲しいんじゃないですか?とヒアリングするのです。
家を買うときも、完成イメージを模型や3D、あるいは図面で見せてもらえます。
季節ごと、時間ごとの日当たりがどう変わるか?などもシミュレーションしてくれます。
駅からどれくらい歩くのだろうか?
- 治安は悪くないか?
- 子どもが大きくなったら通う学校はどこにある?
- 病院やコンビニ、スーパーはまでの距離は?
- 誰がどの部屋を使う?
- 将来、子供部屋はどこに独立させる?
利用シーンをああでもないこうでもないとイメージし、それがしっくりとハマったときに、ようやく建築に入るのではないでしょうか。
完成イメージとしてのラーメンを早めに見せることによって、「あ、こっちだったわ」と気づいてもらうのです。
良いシステム会社の選び方
このように一般企業の社長にとって、最初から欲しいものをイメージするのは容易ではありません。
ですから、良いシステム会社とは、「本当はこっち(ラーメン)なんじゃないですか?」と提案してくれる会社です。
言われたままにつくろうとする会社は、あまり良い会社とは言えません。
こういう会社は、「まず要件を下さい」と言います。
しかし、ITの素人がシステム要件など整理できるはずがありません。
家を建てたいとき、図面を下さい、という会社はないでしょう。
家族構成やペットの有無など、様々なとヒアリングをしてから、「こういうのはどうですか?」と提案してくれるはずです。
「まず要件を下さい」というシステム会社は、そういうヒアリング・提案をやらない会社ということです。
良い会社は、何のためにシステムが必要なのか?
誰がどういうシーンで利用するのか?どんな成果が欲しいのか?など、様々にヒアリングをしてくれます。
じっくりと話を聴いてくれ、経験に基づいた提案をしてくれる会社を、まずは選びましょう。
こういう良い会社の方が、間違ったものをつくって修正する工数が発生しない分、
実はコスト的にも安かったりします。
最初は細かなことまで聴かれるので、苦労するかもしれません。
しかし、その細かな質問が、システムをつくる本質を突くものだったりします。
時間・お金を無駄にしないためにも、良いシステム会社と、二人三脚で頑張りましょう。
私も今、とある組織のシステム全面入れ替えのヒアリング・企画を行っているところです。
既にカレーが牛丼くらいには変化しているような気がします。
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【編集後記】
今日は東京八峰マウンテントレイルです。
去年、リタイアが何度もよぎったレース。
1年でどこまで成長できたか、戦いに行ってきます。
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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