IT・システム関連

創業期・新規事業とシステムの関係を考える

会社の創業期、あるいは新規事業の立ち上げ時期、
今の時代だと何らかのシステムが必要になることが多々あります。
このような時期に、従来型のシステム開発をしていると、事業の足を引っ張ることになってしまいます。

 

従来型のシステム開発とは

かつてシステムを開発すると言えば、下記のような手順で開発をしていました。

  1. 要求定義
  2. 外部設計(概要設計)
  3. 内部設計(詳細設計)
  4. 開発(プログラミング)
  5. テスト
  6. 運用

大事なポイントは、まずシステムに求める要件を決めることです。
そして、その要件にしたがって設計や開発を行っていきます。
逆戻りできない、滝を落ちていく水のようなプロセスであることから、「ウォーターフォール型」と言われています。

かつて、システムと言えば、このような作り方ばかりでした。
余談ですが、みずほ銀行が次期勘定系システムの「開発」を終えたことが、先月ニュースになっていました。
これからテストに移るようです。

みずほ銀行が次期勘定系システムの開発を完了、8月から受け入れテストへ

このニュースから、みずほ銀行の次期システムは、ウォーターフォール型で開発されていたことが分かります。
あれだけの大規模システムですから、当然と言えば当然です。

 

創業期や新規事業のシステム開発とは?

一度でも創業や新規事業の立ち上げに関わったことがある方でしたら、既に予測ができるかもしれませんが・・

この従来型のシステム開発手法(ウォーターフォール型)と、創業・新規事業の相性は、かなり悪いです。
というのも、新たな事業を立ち上げるときには、必ず変更が伴います。
銀行のシステムのように、最初から要件は決まっていないのです。

  • ターゲットとしていた顧客像が間違っていた
  • 課金モデルを変えるべきと判断した
  • 顧客の望んでいることと提供するものがズレていた

こんなことから、計画変更するのは、普通にあることです。
つまり、創業期や新規事業におけるシステム開発は必ず変更が伴うのです。
しかし、最初に要件定義をした後、前にプロセスには戻れないウォーターフォール型では変更を受け入れられません。

中途半端に開発まで進んでいたりすると、
まだ完成していないにも関わらず、そのシステムが重荷(ハッキリ言えば負債)になってしまうのです。
できあがった途端に仕様変更をしなければならず、お金と時間が追加で掛かってしまいます。
まだ1円も売り上げていない新規事業にとって、この制限事項は、とうてい受け入れられるものではありません。

このような時期には、変更を受け入れられやすい「アジャイル開発」の方が相性が良いでしょう。

https://biz-it-base.com/?p=8043

 

システムを外注するときの会社の選び方

このように、創業期や新規事業のシステム開発を行うときには、
「変更を受け入れられる作り方」をしなければなりません。
ですから、会社を選ぶときに「変更を受け入れられるかどうか」を必ず確認するようにしましょう。

なお、世の中の受託開発をしてくれる会社の多くは、未だアジャイル開発に対応できていません。
日本のアジャイル開発を牽引する方にお話しを伺ったときも、
「ニセモノのアジャイルが多い」と、アジャイル開発の本質が理解されていないことを嘆いておられました。

新事業に「ウォーターフォール型」での開発提案をしてくる会社は、
「新規事業に関わるシステム開発をやったことがない」と宣言しているようなものです。
昔ながらの作り方しかできない体質なのでしょう。

私の考える良い会社の条件は、以下の通りです。

  • 顧客の事業そのものに強い興味・関心を抱いてくれること
  • システム要件の前に、事業のことを深く理解しようとしてくれること
  • 新しい事業を通じて、顧客と共に成果を上げたいと考えてくれていること

2点目とは全く逆のパターンは、実に良く見ます。
「事業そのものは顧客の問題だから、ウチは知らない。
そんなことよりも早くシステム要件を教えてくれ」
こんな会社とは、絶対に付き合わない方が良さそうです。

でも、システム会社には、こういう姿勢の会社が多いんですよね。
余談ですが、何のためにシステムがあるのか?を無視して、
技術的なことにしか興味がない、という会社・エンジニアは、
これからの時代、長くは生きられないと感じています。

これらを踏まえた上で、「いい人」を選ぶようにしましょう。
自社と相性の良いエンジニアが担当になってくれれば、
それだけで事業にかける想いなどをちゃんと伝えられます。

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【編集後記】
昨日は某所で脳の思考限界(リミッター)を外すセミナーに出てきました。
その余興として、週刊誌の引き裂きとスプーン曲げができるようになりました(笑)

今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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