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企業におけるデータ活用の段階とIoTの関係

「モノをネットワークにつなげればIoTだ!」という粗い論調を目にすることがあります。
しかし、IoTの価値はデータを活用したときに生まれます。
企業におけるデータ活用の段階と、IoTの関係について考えてみました。

 

中小企業はデータ活用が進んでいない

少し古い資料ですが、ものづくり白書2015年版に企業におけるデータ活用段階が書かれています。リンクはこちら

ステージ1の分析力に劣る企業から、ステージ5の分析力を武器とする企業と、段階分けされており、
それぞれの組織戦略・人・技術の視点で発展過程が書かれています。

そして、この白書を読み進めていくと、企業規模300人以下の企業の大部分(約97%)はステージ1・2に位置付けられています。
つまりデータの活用がほとんど行われておらず、顧客・市場・競合についてすら知らないか、
データ分析ができていたとしても、ごく狭い範囲でしか行われていないのです。

2013年〜2014年頃の調査結果ですので、もう少し上のステージの企業が増えているのかもしれませんが、
データ分析できていないという状況は、私が中小企業の支援をしている実感と一致します。

 

IoTの活用段階=データ活用段階

多くの中小企業では、IoT云々以前に、ITの導入が進んでいません。
IT(情報通信)業に次いでデータ活用が進んでいると言われている製造業ですら、
生産現場に行くと、生産指示・出荷指示などが紙でやりとりされているところが大半です。

「IoT」などと大げさな言葉を使っていても、
今からやろうとしていることは生産機器をネットワークに接続する程度。
それが現実です。
国が推進するIoTを進めていくためには、段階的にステップアップしていくしかないと感じています。

そのためには「IoT」というふわっとした言葉を使うよりも、
しっかりと「データを活用する」ことを意識づけた方が、良いと考えています。

冒頭ご紹介した通り、中小企業はデータ活用の段階が低いままです。
その理由は紙(FAX含む)・口頭(電話含む)のやり取りを続けているからではないでしょうか。

まずは紙と口頭でのやり取りを減らして、ITに置き換えていく必要があります。
ここがスタートでしょう。
顧客、案件・見積、受注、開発、設計、製造、検査、出荷、商品、販売、請求・入金・・etc
これらをしっかりとデータ化できている中小企業がどれだけあるでしょうか?

しっかりデータ化して、データ活用ステージを上げていく。
すなわち企業におけるデータ・リテラシーを上げていく。
このことがIoTを推進していく以前の前提条件だと考えます。

 

IoTの成功は、非IoTデータとIoTデータの融合にある

いきなり「IoTだ!」と声高に叫んでも、それが中小企業にとって「何のこっちゃ?」になっている理由は明らかです。
上述のデータ・リテラシーが上がっていないから、モノをネットワークにつなぐことの真価が想像できないのです。

しっかりとデータが活用できれば、

  • まず、紙や口頭でやり取りされていた既存業務をITに置き換え、
  • 次にデータ分析することで効率化が推進され、
    (データを分析すれば、業務のボトルネックになっているところが分かります。
    生産効率の悪いところはどこか?、しっかりと関係構築すべき顧客が誰なのか?も分かります)
  • 最後にデータ分析した結果が、組織や商品の競争力向上につながる

と、ステップアップすることになるのです。
その過程で、モノからも情報を集められるIoTの真価に気付くことでしょう。

IoTを推進する背景は、これまでに取得していた顧客情報や生産管理などのデータ(非IoTデータ)だけでは、不足しているデータがあるからです。
非IoTデータとIoTデータを統合させることによって、新たな価値が発見できます。

例えば、顧客が何を買ったのか?はPOSデータなどから分かりますが、
何を買わなかったのか?は従来、ECサイト運営者でなければ分かりませんでした。
実店舗では、一度は商品を手に取ったものの棚に返した商品は、POSデータからは分かりません。
IoTを活用して棚に返した商品まで把握することで、新しいビジネスが生まれるでしょう。

このようにIoTの成功の前提になるのは、社内業務のIT化であり、その先にあるデータ活用のリテラシー向上です。
まずは足元からしっかりと固めていきましょう。

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【編集後記】
日曜日のバイク練習時に登り坂で踏みすぎたのか?右膝が不調。
初めてのトライアスロンレースの直後も右膝が痛くて動けなくなりました。。
少しずつ横浜・五島のレースが迫ってきていて、焦るばかりです。

今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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