色々なIT企業(サービス提供事業者、パッケージ提供事業者、システムインテグレーター)を見ていて、
強い疑問を感じることがあります。
システムの価値が発揮されるのはいつか?
システムにはライフサイクルがあります。
導入を検討し始めてから、導入が決定し設計をして、次に開発をして、利用開始します。
続いてユーザがシステムを利用して、ときには不具合があったり、改善要求があったりして、システム改修を行います。
何年か使う頃には、システムが老朽化したり、ビジネスニーズと合わなくなったりして、次のシステムに置き換えられていきます。
企画→設計・開発・導入→利用→廃止というライフサイクルの中で、
システムが価値を発揮するのはいつでしょうか?
言うまでもなく、システムが「利用」されるときです。
しかし実際には企画や設計フェーズに携わるコンサルティングなどのサービスは多々あれど、
「利用」してもらうためのサービスが充実している会社を、私はあまり見たことがありません。
売る側のIT企業にとっては、まずは導入してもらわなければ話が始まりません。
ですから導入してもらうまでのフェーズに優秀な人員を投入し、サービスを充実させているのでしょう。
その事情は、私もその立場にいましたので、良く分かります。
しかし、顧客にとって、お金や時間を投資したシステムが本当に価値を発揮しているのか?
という視点を忘れてはならないと感じています。
システムを導入するためのサービスではなく、利用してもらうためのサービスを
というわけで、私はシステムをちゃんと利用してもらい価値を生み出すためのサービスを、もっと拡充すべきだと思っています。
例えば、以前、私が関わったことのある某大企業。
業界大手のCRM(顧客関係管理)システムを導入していました。
しかし、その利用状況を見て驚いたのです。
事業部門にはアカウントが付与されているのに、
全社マーケティング部門にはアカウントが付与されていなかったのです。
事業部門には、CRMを管理するための基本的なこと(例:RFM分析やデシル分析)ができる人材はいませんでした。
システムを有効利用できない、価値を生み出せないことは明白でした。
結果的にこのシステムは、単に案件を受注するまでの案件管理、
それから受注予測、売上実績管理システムとしてのみ利用されていました。
これでは、わざわざ高いCRMを導入した意味がなく、投資対効果がでていないのは明らかでした。
案の定、数年後にこの会社のCRMシステムは撤廃されることになりました。
CRMベンダーにとっては痛手だったでしょう。
「ちゃんと使ってもらうためのサービスを提供しておけば良かったのに」と考えたのでした。
一方、私が使っている会計ソフトfreeeは、操作が分からないときなど、
チャット等で質問をすることが可能です。
これまで3回ほど質問をしていますが、すぐに回答を頂けるので助かっています。
(まぁ、基本的なことを質問しているというのもありますが)
https://biz-it-base.com/?p=5645
運用を「やらされ仕事」から「価値を生む仕事」へ
このようにシステムを一度導入してくれた顧客が継続利用してくれるか、
あるいは利用を止めてしまうか?は、
IT企業にとって収益に大きな差を生みます。
さらに、差を生むのは目先の収益だけに留まりません。
- 利用者がシステムをどのように使っているのか?
- どういうところに困っているのか?
- どうやって活用すると価値を生むのか?
という情報を掴むことは、次のシステム企画・開発に活かされます。
つまり、いままで「やらされ仕事」「システムのお守り」だった運用は、
実は「価値を生む仕事」なのです。
このパラダイムシフトを行えている企業と、そうでない企業の間には
中長期で見たときに大きな実力差がついてくるでしょう。
(と言うより、ついてきているように感じています)
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【編集後記】
バイクに乗りはじめて2年。
初めてクリート(ペダルをシューズに固定するもの)を交換しました。
ついでに位置を2ミリだけ調整。乗りやすくなると良いのですが。
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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