クラウド会計ソフトを提供するfreeeが新たなプロダクト構想を発表したことが記事になっていました。
http://thebridge.jp/2015/04/freee-new-product-initiative-2015?utm_content=buffer98eed&utm_medium=social&utm_source=facebook.com&utm_campaign=buffer
この記事を読んで、freeeがここまで伸びてきたのは、偶然ではないと感じました。
世の中の動きを見て、しっかりとそれに対応しているからです。
freeeの新しいプロダクト構想、「クラウド完結型社会」
過去にfreeeは、「自動化」、「バックオフィス最適化」をプロダクト構想として唱えていました。
http://thebridge.jp/2014/11/freees-new-concept-for-small-company
ネットバンキングの口座、クレジットカードやAmazonなどと連携し、
経理の「自動化」を目指した頃から始まり、
その後、領収書・請求書の処理を簡略化する「バックオフィス最適化」を狙っていました。
そして今回、「クラウド完結型社会」を唱えたのです。
私の感覚だと、「自動化」はバージョン1.0、「バックオフィス最適化」はバージョン1.1。
今回の「クラウド完結型社会」はバージョン2.0と言っても良いジャンプアップだと思います。
外部環境変化を上手く捉えている
その理由は、freeeが描く世界の範囲が、格段に広がったからです。
「自動化」では、会社の経理部門や、個人事業主の経理作業が、主な対象でした。
「バックオフィス最適化」では、その範囲が総務などにも広がったと言えます。
ただ、どちらも1つの会社・個人の範囲を越えるものではありませんでした。
しかし、「クラウド完結型社会」は、構想の名の通り、「社会」を対象としています。
さて、そもそも「クラウド完結型社会」とは何でしょうか?
この2015年、政府は電子化に向けた舵を大きくきります。
マイナンバー制度を初めとして、様々な施策が実行されていくからです。
具体的には、利用者が特段のソフトウェアを必要とすることなく、
ウェブブラウザを利用して各府省に対する電子申請・届出などの手続を
一元的に行うことができる窓口サービスを提供しようとしています。
技術的には、APIを公開し、他のクラウドサービスとの連携を容易にしています。
ただ、APIを公開しただけでは、何の価値も生まれません。
そのAPIを利用してサービスを開発・提供する会社があってこそ、価値があるのです。
freeeは、その大きな流れに、いち早く乗った、ということです。
細かなシステム要件、技術トレンド以前の構想
このように、より便利な社会を目指して、商品開発の方向性を定めていることが読み取れます。
一方、一般的なシステム開発は、どのように行われるでしょうか。
お客様の言うがままに、システムを作っているだけの会社があります。
新しい技術を積極的に取り入れて、システム作りをしている会社もあります。
どちらも、しっかりやれば価値のあることなのですが、
このfreeeの事例のように、より大きな構想があった方が、より多くの価値を提供できるようになるのでは、
と感じます。
世の中の動きを見て(マクロな視点)、目の前のお客様の困りごとを見て(ミクロな視点)、
大きな視点で、商品の構想を練りたいものですね。
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【編集後記】
新しい仕事が始まりましたが、まだ何もできず、OJTを受けている状態です。
早く戦力にならないといけませんね。
今日はこの後、「企業内診断士のリアル」をお伝えするライブセミナーです。
ご興味ある方は、ぜひご視聴ください。
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!