こんばんは、渋屋です。
毎日、IT(情報・通信)の仕事をしていて、つくづく感じるのが技術革新のスピードです。
加速するコモディティ化のスピード
4月9日、Windows XPのサポート終了が世間を賑わせました。2001年10月にリリースされたOSが10年以上にも渡ってサポートされ続けてきました。その間、2006年:Windows Vista、2009年:Windows 7、2012年:Windows 8がリリースされていることを考えると、その開発スピードが増していることが分かるでしょう。
3世代も前の製品をサポートせざるを得ないのだから、マイクロソフト製品が利用者に与える影響が大きいと改めて感じました。
私が普段、仕事で取り扱っている製品・技術は、もっとライフサイクルが短縮化してきています。今日も、2011年に出たばかりの製品(ハードウェア)の販売終了を知りました。恐ろしい短さです。さらにソフトウェア製品だと2年程度で終了することもあります。製品を開発して、販売する立場で見ると、製品開発コストを回収できる期間が、どんどん短くなっていくのです。
クラウド市場のリーダーであるAmazon Web Services(AWS)は、これまでに40回以上もの値下げを実施しており、CPU・メモリ・ハードディスクなどのリソース単価をどんどん押し下げています。これも分かりやすいコモディティ化の現象です。
コモディティ環境下の事業戦略
1月23日、IBMはコモディティ化したx86サーバ事業をLenovoに売却することを発表しました。そしてクラウドサービスのSoftLayerを12億ドルで買収し、人工知能「Watson」へ10億ドルの投資しています。低利益な事業から脱却し、あくまでも高収益事業に集中する戦略を貫いたのです。
一方、上述の通りAmazon(AWS)は価格を繰り返し下げていますから、いわゆるコスト・リーダーシップ戦略をとっています。さらに顧客に密着し、顧客の要望をかなえていく戦略もあります。私はシステムインテグレータ(クラウドインテグレータを含む)は、この顧客の要望をかなえていく顧客密着型の戦略をとるのが相応しいと考えています。
顧客密着型戦略に必要なスキル
それではシステム(クラウド)インテグレータに必要なスキルは何か?私は今まで以上に顧客の要望(潜在的な要望を含む)をシステム要件に橋渡しすることだと思っています。もう少し明確に書くと、まずは顧客の要望(それはビジネス用語で表現される)をモデル化できることです。そしてその要望や課題をアーキテクチャ(それはシステム用語で表現される)に落とし込むことです。
つまり、ビジネス用語とシステム用語をつなぐことが必要なスキルだと感じています。今まで、システムの専門家はシステム用語しか分からない。ビジネス側の人はシステムのことは良く分からない。ということで両者の間には高い高い壁が存在していました。今でも多くのプロジェクトは、この壁を抱えながら進んでいることでしょう。
簡単に壁を壊すことはできませんが、そのようなスキルを備えた人を育てたインテグレータから、ビジネスモデルを変革できるのではないか、と思っています。
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【編集後記】
ガマンの多い1日でしたが、ガマンしつつも未来のために打てる手をチマチマと打ちました。
こういう1日が良い未来の土台作りになると信じて。
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!