IT・システム関連

IT企業で働くなら、実はオススメ、中小企業担当

私が会社員時代の大半を過ごしたのは、いわゆる「エンタープライズ市場」です。
この由来がどこにあるのか?は知りませんが、外資系メーカを中心に、顧客を市場別に

  • エンタープライズ(大企業)
  • パブリック(公共)
  • SMB(中小企業)

などと分けていました。
私は長年、エンタープライズのビジネスに関わっていました。

 

IT企業の花形だったエンタープライズ市場

私が属していた会社も一部上場企業でしたが、私の入社時は700人程度の規模。
その10数年後、退職したときでも3,000人未満の規模でした。
ただ、顧客企業は日本を代表するマンモス大企業ばかりでした。

転職したばかりの頃、最初に担当した案件も、数1,000人が働く工場のネットワーク案件でした。
システムの規模、プロジェクトで動く金額と人数、どれもが莫大でした。
ネットワークエンジニアだった当時、成長するには最高の環境。
システムの大半がそうであるように、ネットワークも大規模環境だからこそ学べることが多かったのです。
一般企業のエンジニアと比べたら、3倍速で成長している実感がありました。

私がいた会社に限らず、当時はエンタープライズ担当と言えばIT業界の花形でした。
上述のように動くお金も半端ないので、多くの会社にとってはドル箱だったのです。
他の業界は分かりませんが、少なくともIT業界ではエンタープライズが面白い市場でした。

ただ、今は事情が変わってきているように思います。

 

出遅れたエンタープライズ市場

かつて、新しいテクノロジーはエンタープライズから広がっていきました。

最初にメインフレームなどのシステムが導入されたのはエンタープライズ。
パソコンが1人1台配置されたのも。
LANがつながってファイルやプリンタを共有し始めたのも。
グループウェアを使ってメールや文書、スケジュールをやりとりしたのもエンタープライズ。

エンタープライズで採用された新技術が、他の市場に広がっていくのが、それまでの流れでした。
ですから、エンタープライズ市場は、規模が大きいだけでなく、新しいテクノロジーが学べる場でもあったのです。

しかし、そのうちに潮目が変わってきました。
セキュリティ事故を恐れて、Wi-Fi(当時は普通に「無線LAN」と呼ばれていました)の導入を渋り続けたエンタープライズ。
それを横目に、あっという間にコンシューマー市場に便利なWi-Fiが広がっていったのです。

そして、コンシューマー市場の方が新しいテクノロジーの導入が早くなっていきました。
ここからは記憶されている方も多いと思います。
スマホも、ソーシャル(SNS)も、VRだって、コンシューマー市場から先に展開されています。
今は完全に入れ替わってしまいました。

今や、頭がガチガチのエンタープライズは、新技術へのチャレンジが遅れている市場の1つです。
当然、企業ごとに差はありますが、市場全体としてみたときには、面白くないことの方が多いでしょう。

 

オススメはズバリ!中小企業担当

エンタープライズ市場がつまらなくなってきている理由がもう1つあります。
意思決定速度が遅くて、1つのプロジェクトの立ち上げから終了までに何年もかかることです。

1つの仕事に何年もかけていたら、ドッグイヤーと呼ばれるIT業界においては、全く世の中が変わってしまいます。
その仕事が終わる頃には「浦島太郎」状態になってしまい、進化や変化から取り残されてしまいます。
かつてはそのマイナス面を差っ引いても得られるものが多かったのですが、スピードの重要性が増した現代においては、無視できない一面になっています。

そんな状況において、私のオススメは、優秀な人ほど中小企業担当を目指して欲しいということです。

エンタープライズ担当だと、お会いできるのはせいぜい情報システム担当役員(CIO)まで。
それですら、年に1度あるかないかの稀な機会でしょう。
しかし、中小企業においては、最初から意思決定者である社長とやりとりできることが多いのです。

しかもエンプラ担当はチームを組まれることが多く、社内でもやることが多いです。
一方、中小企業担当であれば、1人で多くの企業を担当するので、自分で意思決定することができます。

ただ、1点注意を。
SMB(Small and Medium Business)と言いつつ、普通に従業員数1,000人以下の企業とかがSMBに入っています。
「1,000人のどこがSmall や Medium やねん!」と突っ込みを入れたくなる規模です。
1,000人規模になると、そう簡単には社長に会えないかもしれません。

意思決定者である社長と話ができると、スピード感が全く異なります。
それに意思決定者と直接やりとりすることで、彼らがどのような基準で意思決定しているのかを垣間見ることができます。

さらに社長たちは個性豊か。
多様性のある社長たちと接し、揉まれ続けることによって、自分自身を鍛えることもできます。
これはビジネスパーソンとして、非常に貴重な機会でしょう。

IT業界で会社員をやるなら、今の時代はエンプラ担当よりも中小企業担当。
絶対にオススメです。

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【編集後記】
汗をかいたまま冷房に長く当たったのが良くなかったようで、
一昨日から微妙に風邪っぽい感じです。(軽いですが)
運動を控えて、睡眠を優先します。

今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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