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中立に、相手が望んでいることを伝えることの価値

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一昨日、IT系書籍3名の方が行ったパネルディスカッションに参加してきました。
書籍の中身よりも、仕事に対する姿勢が何よりも学びになりました。
登壇者は以下の3名。

まずは『未来を味方にする技術』の斎藤さん。
ITトレンドの本を一緒に書かせて頂いたり、同じ案件に携わらせて頂いたり、元々お付き合いのある方でした。
「IT業界の池上彰」と呼ばれている?通り、難しいことを分かりやすく伝えて下さることに定評があります。
今回の著書は、IT業界ではない人に分かるIT解説本ということで、新しいチャレンジだったようです。

続いて、NTTコミュニケーションズの林さん。
初めてお会いしましたが、これまでに著書を何冊か拝読しており、一方的に知っている方でした。
イノベーターやアーリーアダプターではなく、マジョリティに向けてのクラウド解説本を書かれたとのことで、そこからの学びを共有いただきました。

最後はマイクロソフトの蔵本さん。
ガチのセキュリティ専門家です。
マイクロソフトに転職されて以降、経営者にセキュリティの説明をすることが増えて、とにかく苦労されたそうです。
その苦労を乗り越えた知見を詰め込んだのが、こちらの本。

なお、モデレーターはアスキーの大谷イビサさんでした。

相手に伝わるように伝える工夫

3冊に共通しているのは、「畑違いの人に伝える」こと。
斎藤さんはIT業界30年以上のベテランですが、IT以外の人に伝えています。
林さんはクラウドの専門家ですが、伝えるのは素人。
蔵本さんはセキュリティの専門家ですが、伝えるのは社長。

3名が共通して仰っていたのは、とにかく「相手が期待する言葉で伝える」こと。
蔵本さんが面白い例を挙げていました。

化粧品屋さんにて・・

お客さん「この化粧水、どのくらい入っていますか?」

店員「50mlです」

こういうダメな返しをしてしまうのが、IT業界の典型例です、と。
当然ながら、お客さんは厳密な容量(スペック)を知りたくて「どのくらい?」と聞いたわけではありません。
コストパフォーマンスを気にしていたり、どれくらいの頻度で買えば良いのか?を判断するためでしょう。

店員「約30日分です」

というような返事が、相手が期待する回答ではないでしょうか。

専門家は、どうしても自分たちの仕事を説明したくなります。
セキュリティの専門家であれば、いかにマルウェアに感染しないか?が大事で、そう力説してしまいます。
でも、経営者からすれば、マルウェアに感染しようがしなかろうが、経営が上手くいっていれば、それで良いのです。

もし社長に「そのセキュリティ対策(投資)に意味はあるのか?」と聞かれたら、どのように答えますか?

 

自分なりのアウトプットをし続ける

もう1つ学んだのは、自分なりのアウトプットの方法でした。

斎藤さんはブログで「コレ1枚」シリーズを書き続けています。
「コレ1枚で分かるIoT」
「コレ1枚で分かるブロックチェーン」
「コレ1枚で分かる人工知能」
といった感じです。

毎朝2時間、学びの時間を20代の頃から保ち続けているようで、
その時間に大量に学び、「コレ1枚」の下書きを紙とペンでし続けます。
形になってきたら、PowerPointを立ち上げてデータ化。

「図にするということは、本質を抜き出し、枝葉を切り落とす抽象化の作業である」とのことでした。
これまで何100枚も「コレ1枚」を描いてきたからこそ言える、重たい一言でした。

また3名とも仰っていたのは「例え」の重要性です。
蔵本さんはセキュリティ対策の重要性を伝えるときに、まずガンの話をするそうです。

(確か)青森県と長野県では、ガン発見から5年生存率の差がとてつもなく大きいそうです。
青森は初期発見しやすい仕組みづくりができているから、5年生存率が高く、医療費が抑えられる。
だから初期の検査などの仕組みに一層投資ができる。
一方、長野県は初期に見つける仕組みが整っていないので、5年生存率が低く、医療費も高騰してしまっているのだとか。

「セキュリティも同じです。先に投資しておくか、後手に回って大変な目に遭うかです。」

確かにこうやって説明されたら、問題が大きくなる前に叩き潰しておきたくなりますよね。
蔵本さんは、このような事例を他業界(特にマーケティングと医療)から学んでいるとのことでした。

他者に伝えるために、とんでもない努力・インプットをしていることが分かります。
図でも言葉でも良いのですが、私たちも自分なりのアウトプットを続けることで、本物に近づいていけるのではないでしょうか。

 

中立に、分かりやすく伝えることの価値

世の中は、より複雑性を増しています。
専門分野は細分化し、外のことをゆっくりと学ぶほどの余裕のない世界。

何かが目についたと思えば、そのほぼ全てがポジショントーク。
要するに自分が売りたいがために作られた文章や広告です。

そんな中で3名の方々に共通していると感じたのは中立性と分かりやすく伝えること。
斎藤さんはご自身の会社ですので、当然ながら中立に色々と意見を述べられています。
林さんはNTTコミュニケーションズに属しつつも、まずは中立な立場で話をされるそうです。大学の客員教授という立場を上手く使っているそうな。
蔵本さんもマイクロソフトに居るものの、まずは中立に一般論を中心に話をされるそう。

話をすると言うよりも、話を聴く。
相手が何を望んでいるかを聴き、その後で相手が望んでいることを中立に伝える。
それが結果として、その組織から買うことにもなるそうです。
(仮にそうでなくとも、業界全体が成長するので良いという意見も)

というわけで、書籍の中身の話よりも、仕事術的な話であり、もっと言うとコミュニケーション術の話でした。
だからこそ学ぶことが多く、改めて大事なことを認識できました。

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【編集後記】
週末にトレイルランニングのレースなのですが、しばらく走っていません。。
少しでも走りに行きたいのですが。
(なんか毎回、同じようなことを書いている気が・・)

今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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