前々回、現場レベルの提言として、IoTやAI以前に中小企業が取り組むべきデータ活用について述べました。
そして前回、今後は国レベルの戦略として、「インダストリー4.0」「スマート工場」について述べました。
これら2つの話は全くかけ離れた話ではありません。
1つ1つの企業がデータをしっかりと把握し活用すること。
それとマスカスタマイズ生産(多品種少量生産)に対応し、工場同士がつながっていくことは、相反する話ではなく、むしろ同じ方向に向かった話です。
経営データを活用する
前々回の話で、まず中小企業は、自社にあるはずのデータをしっかりと収集し、活用することを提案しました。
例えば、以下のような情報がすぐに把握できない企業は、未だ数多くあります。
- 売上実績
- 売上予算(目標)
- 商談(受注金額、請求時期から売上予測を立てる)
- 製造原価(製造業のみ)
- 商品仕入
売上実績は把握できているけれども、商談(つまり売上予測)は分からない、という企業は多いと感じています。
現場のデータを把握する
一方、現場のデータも、まだまだ眠ったままです。
製造業では、未だに記録が手書きだったりして、記録の抜け漏れが多いようです。
また、何らかのシステム化がされていても、人が介在することが多く、業務が多いと記録をついつい忘れてしまうのです。
さらに、飛び込みの生産依頼が入ったりすると、もう記録どころではなくなるでしょう。
そのため、未だに信頼できる記録が取られず、各プロセスにおける標準作業時間の設定がままならない、ということもあります。
基準がないのですから、価値を生み出す作業の割合(正味率)も分かりません。
データを連動させる
全くデータが取れていない場合、いきなりシステムを使う必要はないでしょう。
私がお客様に提案するときも、まずはExcelやGoogle スプレッドシートで十分です、と話をしています。
本当にデータが活用できてきて、その価値を理解できたら、初めて使いやすいシステムを探せば良いのです。
大企業の場合には、経営者・工場長などの工場管理者・実行者が異なるために、このような3階層のシステムになります。
経営者が把握したいのは人・モノ・カネの情報です。
それを把握するにはERP(Enterprise Resource Planning)という基幹情報システムが使われます。
工場管理者が把握したい情報は人・設備・モノが中心です。
それを最適に運用し、生産性を高めながらQCDを管理します。
製造実行システムMES(Manufacturing Execution System)が使われるのが一般的です。
そして現場の制御を行なうのがPLC(Program Logic Controler)です。
ただ、国内工場の多くは三菱製品が入っていることが多く、その商標である「シーケンサ」と呼ばれていることが多いです。
目指すは、これら3階層システムを動かすことではありません。
そもそも管理者が重複する中小企業では、ここまで複雑なシステムが不要なことも多いのです。
大切なことは、経営レベルから現場レベルのデータを連動させることです。
ですから、IoTやAI云々以前に、まずはデータを活用しましょう!と提案しているのです。
これがIoTを活用したり、「インダストリー4.0」「スマート工場」へ変化するための土台です。
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【編集後記】
久しぶりに妻と早朝ランニングに行ってきました。
やっと五島トライアスロン以来のダルさが抜けつつあり、
キロ5分台でようやく走れるようになりました。
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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