昨日、非常に面白い記事を見つけました。
「身の丈IoT」というキャッチーなキーワードで始まる記事ですが、内容は非常に本質を突いています。
http://newswitch.jp/p/8195
この記事を読んで、私なりに感じたことや補足をしたいと思います。
株式会社みなと山口合同新聞社の事例を読み解く
この記事中にある、みなと山口合同新聞社の事例を、もう少し詳しく見てみましょう。
ネットで情報を探してみました。
「ロボット革命イニシアティブ協議会」の事例ページより抜粋
この会社(下関印刷センター)は漏水対策としてIoTを活用しています。
そのやり方が非常に安価で簡単にできる事例として、注目されたのです。
図中左側にある流量センサー(キーエンス製FD-Q50C)は、ネットで調べると価格は19万8,000円。
マイコン(Arduino Leonardo)は、3,132円。
イーサネットシールドモデルの方で、4,590円かもしれませんが、いずれにせよ、そのくらいの価格です。
そして何と、データを溜めるクラウドサービスであるIBM Bluemixはタダです。
無料枠で使える程度に、アプリケーションをコンパクトにしてしまったのです。
常に流量センサーで水の量をマイコンに送り、マイコンは社内LANを通じてクラウド上にデータを送信します。
そのデータに異常値が発生したときには、既に社内あるワイヤレスLEDを点灯させたり、メール通知したりします。
つまり、初期費用20万円ちょい。ランニング費用ゼロ!
これで必要とする要件を満たしているのですから、立派なIoTシステムを構築したと言えるでしょう。
しかもこのセンサー、配管に取り付けるだけなので、既存設備を痛めません。
取り付けが簡単で、リスクがないということで、正に中小企業にピッタリの事例と言えるでしょう。
新規プロジェクトは着眼大局、着手小局
私は、組織において新しい取り組みをするときに大切なことの1つは、
いち早く小さな成功をおさめることだと思います。
組織が長く続いていたり、過去の成功体験があったりするほど、
新しい取り組みに対する抵抗勢力は強くなりがちです。
そんな中で、膨大な投資をしたり、大きな体制を作って、
新しいことをやるのは、非常に困難です。
ですから、まずは最もやる気のある少数精鋭で、コスト・時間をかけずに、小さく・早くやってしまうのです。
そして、小さな成功を勝ち取るのです。
その頃には、抵抗勢力がおとなしくなっていたり、中には協力者も現れることでしょう。
(最初から賛成してたんだよ!などと言うコメントと共に。。)
そういう意味では今回紹介したような事例は、小さく・早く始めるのに最適なイメージです。
中小企業に限らず、大企業であっても、学ぶことは多いのではないでしょうか。
やりたいこと、やれることのイメージを具体化する
小さく・早く始めることには、もう1つメリットがあります。
「IoT」「人工知能」などという流行り言葉には、どうしても具体性に欠ける点があります。
したがって、実際に活用しようとする立場からすると、具体的なイメージがつきにくいのです。
ただ、活用する企業にとって大切なのは、厳密な言葉の定義よりも、そこから何を生み出すかです。
それがIoTかM2Mかというよりも、上で紹介した漏水対策のように、結果が出ればそれで良いのです。
そうやってやれることが分かってくると、
次にやりたいことも必然的に見えてくるものです。
そして、既に小さく始めているわけですから、費用対効果の感覚もつき始めています。
最初は20万円強でやったけれども、明らかに投資以上の効果があるから、
今度は30万円はOKだな、という話にもなりやすいのです。
分かりにくいものほど、小さく早く。
中小企業における投資の鉄則とも言えるのではないでしょうか。
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【編集後記】
昨日から明日までの3日間、とある重いプロジェクトの対応をしています。。
ようやく2日目。
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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