多くの企業と接していて、大企業の致命的弱点とも言える部分が気になってきました。
「スピード」です。
中小企業にとってはチャンスとも言える市場環境になってきた、と感じています。
スピードが全てを決する市場
言うまでもなく、市場の変化はますます速くなってきました。
情報が氾濫し、顧客心理の移ろいも激しいなか、企業は戦い抜いていかねばなりません。
このような状況で、組織において最も大切なのはスピードです。
業績が伸びている会社の社長は、そのことを深く理解しています。
私が日々接する、成長企業の社長たちは、意思決定が本当にはやいのです。
自分の意思決定が遅れることが、その会社の衰退につながることを本能的に理解しているようです。
「巧遅は拙速に如かず」を体現しているかのように、「まずやってみよう」と次々にチャレンジしていきます。
大企業は致命的な弱点を抱えている
一方、数多くの大企業は、意思決定スピードを速められない状況です。
上記の「即決社長」と比べると、最低でも1,000倍は差があります。
即決社長が1分で決断するところを、大企業では1ヶ月たっても決められないのです。
大企業では、一般的に以下のような形で意見が通されていきます。
- 担当者がアイデアを思いつく
- 直属の上司(ボス)に相談して、進めるよう指示を受ける
- さらに上の上司(大ボス)を説得するための資料を作り、大ボスとのミーティングをセットする
- 大ボスに説明する
- 大ボスから出てきた意見を取り入れ、さらに資料を修正する
- 大ボスにもう1度説明する
- 大ボスが役員に説明する
- 役員から出てきた意見を・・・
もう書いているだけで嫌になるので(笑)、この辺でやめておきます。
意思決定プロセスが、半永久ループのようになっているのです。
そして、ボス・大ボス・役員の中に、1人でもリスクを取れない人がいる場合(=ほぼ100%)、斬新な意見は通りません。
もう10年近く前の話になりますが、私自身、大企業の社員だった頃、組織のオペレーションを変えようと思って取り組んだことがあります。
週に2回も3回も就業時間後にミーティングを繰り返し、ボスを巻き込み、大ボスを巻き込みました。
半年以上たって、ようやく説得した大ボスが役員に上申したのですが却下され、私の半年以上の苦労は泡と消えました。
このとき私は、「この組織で2度とこんな無駄な苦労はしない」と誓ったのでした。
このような意思決定プロセスになっている限り、大企業のスピードは上がらないでしょう。
そして、スピードの上がらない企業は、ジワジワと衰退していくと思います。
市場の変化についていけませんし、私自身の例のように、若手が組織についてこなくなるからです。
大企業にとっては、意思決定プロセスを根本的に見直すことは、生死に関わる問題です。
組織のあり方から見直す大手術を覚悟しなければなりません。
大事なことなのでもう1度書きますが、スピードの速い企業と比べると、一般的な大企業は確実に1,000倍は遅いです。
この事実をちゃんと直視して欲しいと思っています。
中小企業はチャンスを活かせるか?
一方、この状況は、小さな組織にとってはチャンスです。
小さな組織であれば、意思決定プロセスは必然的に簡素になるからです。
このチャンスを活かすために、社長は自分自身の意思決定スピードを上げるようにしましょう。
最後に一点、気になることを述べておきます。
それは、大企業の真似事をしている中小企業の存在です。
社員が10名、20名しかいない組織なのに、取締役・部長・課長と組織階層が深くなっているような。
組織が小さいことは、これからの時代、武器になります。
それなのに大企業の悪いところだけ真似することは、百害あって一利なしです。
組織が小さいのに管理職を増やすことの無意味さは、現場の全員が分かっています。
社員のモチベーションを下げないためにも、市場変化に対応するためにも、
中小企業にはチャンスを活かしていただきたいです。
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【編集後記】
今朝は4時に起きて、妻と一緒にランニング。
このところトレーニング不足なので、たった4kmで疲れてしまいました。。
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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