書籍(紹介)

「商人道」を学ぶ『「商い」で成功した江戸商人 「ビジネス」で苦しむ現代人』

欧米型「ビジネス」を学ぼうとするほど、何か自分の中に違和感を感じる。
そんなことありませんか?
今回は、ある方からオススメしてもらい、深く考えさせられた本のご紹介です。

 

幼い日の商売の思い出

私が幼い頃、父親は酒屋で働いていました。

店舗で働くだけでなく、配達もしていました。
父の運転するトラックに乗り込んで、一緒にお客さんのところに行きました。
重たい酒や米を担ぎ、それでもお客さんと笑顔で元気に会話する父の姿は、今も覚えています。

「働く」ということがどういうことなのか?初めて意識したのは、この頃です。
そういう商売の思い出があったからなのでしょうか、
自分が働き始めてから、どこかに違和感のようなものを感じ続けていました。

当時よりも、今のビジネスは論理優先です。
理念やビジョンがあって、戦略があり、戦術があるみたいな。
特に会社が大きくなると、組織はロジックでしか動かなくなります。

そういう世界に長くいて、この違和感が、ますます気になるようになっていたのです。

 

近江商人からの学びは、「三方よし」だけにあらず

その違和感に対する回答が、本書で得られたような気がします。

近江商人と言えば、「三方よし」が有名です。
「売り手よし、買い手よし、世間よし」、ですね。

売り手が儲けるだけではダメで、お客さんにも喜んでもらわなければならない。
それでも足らなくて、商売をすることで世間が良くならなくちゃいけない。
ちなみにここで言う「世間」とは、今、私たちが使っている言葉とは少し異なります。

人間だけではなく、鳥や魚、昆虫や樹木のように、あらゆる生きとし生けるもの。
さらには、生き物を取り巻く山や川、海や空。
あるいは人間社会を支える橋や道路。
そういう全ての環境を包含して、「世間」と言っているのです。

利益至上主義は、良い商売ではない。
お客さんを騙して売りつけることは、良い商売ではない。
環境破壊をしてまで利益をぶんどることは、良い商売ではない。

 

私が大事にしていきたいこと

冒頭に書いた、私の「違和感」は、こういうところにあったのではないか、と思います。

本当にお客さんのことを考えた結果がこれ?
この取り組みは世間を良くする?
それ以前に、父親が持っていたような温かさを感じる?と。

欧米のビジネス文化も、最近では良い方向に向かっていると思いますが、
日本においては、江戸時代の頃から、このように高い人格を持って
商売が行われていたのです。
このような文化を大切にしたい、と素直に思ったのでした。

私には世間を一気に良くするような力も能力もありません。
ですので、今できることは、目の前の顧客一人ひとりを大切にして、精一杯貢献すること。
そのときに、正直に、誠実に対応すること。

正直と誠実が私の特長になるくらい、取り組んでいきたいものです。
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【編集後記】
今回、ご紹介した本は、Amazonでは既に中古品だけが取り扱われています。
私も珍しく、今回は中古で買いました。

今日も素晴らしい1日になります。感謝!!

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