おはようございます。渋屋です。
引き続きサンフランシスコ出張中です。
今日は捨てることができる組織・人は強いということを書きます。
イノベーションのジレンマ
イノベーションのジレンマという有名な言葉があります。ハーバード・ビジネス・スクール教授のクレイトン・クリステンセンが提唱したものです。大企業は既存事業の規模が大きいために、新規事業や技術が魅力的に見えません。また新規事業や技術は既存事業とカニバリゼーション(同じ市場を食い合ってしまうこと)を起こすこともあるため、余計に新規事業や技術に取り組まなくなってしまいます。
そうしているうちに、既存事業を抱えていない新興企業が、新規事業や技術を拡大し、その大企業は大きく遅れをとってしまうのです。グーグルが台頭してきた頃に出遅れたマイクロソフトなどは、分かりやすい事例ではないでしょうか。
捨てられるという強み
世の中の変化がより速く、より大きくなる中で、変化を妨げるイノベーションのジレンマは、より強く意識しておかなければならないでしょう。私は今、サンフランシスコで、あるIT企業のイベントに参加しています。非常に多くの企業が集まっていて、スタートアップから大企業まで集まっています。
色々な企業の出展や製品・ソリューションを拝見していて感じるのは、正にイノベーションのジレンマを乗り越え、「これからの顧客」が望むものを作っている企業がある一方、既存のビジネスにこだわってしまう企業もいるということです。ちなみに「これからの顧客」は既存顧客が持っている潜在的なニーズも含んでいます。
こうしてみると、勇気を持って捨てられるというのは、1つの強みではないかと思います(戦略BASiCS的に厳密に言うと、強みではなく独自資源ですね) 。もっと言えば、変化が恒常化する世の中において、捨てられないという企業文化は、組織の死に直結するのではないか、と思うのです。
私たち個人はどうか?
視点を変えて、私たち個人はどうでしょう?企業がイノベーションのジレンマに悩むのと同様、私たちも既存の習慣やスキルをなかなか捨てられません。私の場合は、20年近いIT企業での経験が、良くも悪くも中心に居座り続けています。もちろん活かす分には良いのですが、過去へのこだわりが出るようであれば、早く捨てなければならないでしょう。
スキルだけではありません。付き合う人もそうです。私の場合、2次会・3次会へと飲み会を続ける場に参加することは、明確に捨てています。こちらのサンフランシスコでも、私だけ2次会に行かなかったりするのですが、それで人間関係が切れるくらいなら仕方ない、と割り切っています。
昨日(自分で起きるか?他者に起こされるか?)書きましたように、1日の主導権を握るためには、夜遅くまでお酒を飲むことを止めて、早起きして、自分の長期的な変化・成長になることに時間を使いたいからです。
ただ、私もそうは言いつつ、捨てきれないものが山ほどあります。捨てなければ新しいモノは入ってきませんので、積極的に捨てられる意識を身につけていきたいと思います。
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【編集後記】
急遽、こちらで面白い話が入ってきました。チャンスを活かします!
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!