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PDCAをまわせない3つの理由

ビジネスの世界で生きているなら、1度は聞いたことのあるPDCA。
Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)のサイクルを繰り返すことで、業務を継続的に改善していくものです。

しかし、言葉を知っていても、実際にPDCAサイクルがまわっている組織は驚くほど少ないです。
なぜ、これほど浸透した言葉にも関わらず、実行されないのでしょうか。
3つの理由を挙げてみます。

 

最初のP(計画)までで燃え尽きる

1つ目の理由は、最初の計画時点で燃え尽きてしまうことです。
中期事業計画だったり、IT投資計画だったり、あるいは大規模なシステムリプレースのプロジェクトなど。
企業の運命を決めることですから、簡単には決められません。

しかし、私がこれまでに見てきた経験から言えば、計画に時間を使いすぎていることが大半です。
何ヶ月も、場合によっては年単位の時間をかけて計画(P)を練るのです。
関係者が増えすぎて、「船頭多くして船山に登る」状態になることも。
来年度の組織に直接影響する中期事業計画などは、幹部役員が自らのポジションを確保するために必死になったります。

このように社内政治もうごめくなかで計画をつくり上げた瞬間、全員、燃え尽きるのです。
そして、計画は絵に描いた餅になります。
迷惑を被るのは、そんな餅に踊らされる現場の社員達。
計画作成中は居なかったお偉いさんが、暇を持て余して戻ってきて、業務をひっくり返します。

そうやって現場と役員クラスの溝が深まり、実行(D)どころではなくなっていきます。
仮に実行されたとしても、役員クラスの言う計画は方針レベルのことが多く、行動計画に落とし込めません。
つまり、きちんとした定義がされていないので、評価(C)ができません。
評価できないのだから、改善(A)もされない。

こうしてPDCAサイクルは、まわるどころか、最初の計画(P)で終わってしまうのです。
非常に多くの「大企業あるある」ではないでしょうか。
この問題を避けるためには、最初の計画を最小限にすること。
それよりも、実行(D)すること、そして評価すること(C)に組織の時間を割くべきです。

pDCAと表現した方が良いかもしれません。
また、今までに行われていることを正しく評価することから始めるなら、CApDの順序に変えた方が良いのかもしれません。

 

有期限の罠

2つ目の理由も大企業あるある、そしてそれ以上に「公務員あるある」です。
それは全ての活動が「年度」という期限に依存していることです。

年度があり、その年度に依存した予算がある。
翌年度は、自分のポジション・所属部署すらどうなるか分からない。
だから、全ての行動が「今年度を乗り越えれば、それでいいや」になるのです。

PDCAはサイクルです。
継続的に改善していくことが目的で、期限はありません。
(ゴールに達成して、プロジェクトが終了するという意味での期限はあるかもしれませんが)

上述の大企業における中期事業計画も、表面上は中期事業計画なのですが、
実態はお偉いさん方のポジション取り・組織決めだったりすることが多いもの。
つまり向こう3年間の組織・椅子取りゲームが終わった時点で、実質的に終わってしまうのです。
だから、燃え尽きてしまい、行動につながりません。

言うまでもなく、事業に期限はありません。
そして1年という会計年度は、国の指示によって生まれただけのものであり、事業の実質的なサイクルはまちまちです。

私のようなスモールビジネスは、短期サイクルです。
新しい商品を企画してから生み出すのは数日、長くても1ヶ月程度。
かたや、製薬などは研究開発から臨床実験を通じて、世の中に新薬が出るまでに10年以上掛かります。
それぞれの事業に応じたサイクルがあるべきで、年度などという実態のないものに振り回されるのは止めたいところです。

 

測定する手法が分からない

1点目、2点目の理由はスタートアップの経営者などからすれば、「舐めてんのか!?」と言いたくなるような理由でしょう。
組織内の都合によるお遊びでしかないからです。

計画書に何ヶ月も何年もかけて戯れるような、時間的・人材のゆとりはありません。
年度が変わろうと、社員に給料は払い続けねばならないし、何よりもお客様・市場は待ってくれません。
スタートアップの社長は、それを実感しています。

3点目の理由は大企業だけでなく、中小企業にもリアルに関係することです。
それは「測定する手法・方法が分からない」ことです。
意識している・いないに関わらず、正しく測定(つまり評価C)が行われないため、改善(A)が行われません。
計画(P)→実行(D)まではまわったとしても、評価(C)で止まってしまいます。

ただ、特に中小企業の社長は「上手くいっている・いっていない」が、これまでの経験から感覚的に分かってしまいます。
ですから、その感覚を元に次の計画を立てるのです。

しかし、社員にはその感覚がないため、「また新しい計画(P)が始まった」ということになってしまいます。
いくつもの計画(P)→実行(D)がひたすら繰り返されるため、社員は疲弊してしまうのです。
そうならないためには、社員も含めて全員が評価(C)→改善(A)に取り組める手法・方法が必要になります。

PDCAサイクルを提唱したデミング博士は言いました。

「定義されていないものは管理できない。管理されていないものは測定できない。測定されていないものは改善できない」

つまり、きちんと定義して、管理すること。
それを測定すること。
こういう仕組みづくりが必要なのですが、長くなってきましたので、別の機会に続けます。

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【編集後記】
一応、病院の先生に「軽いジョギング程度ならOK」と言われているのですが、
まだまだ足首をひねると痛みが出ます。
サポーターをしながら、ゆっくりとジョグを再開しようかと。

今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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