IT・システム関連

改めて「クラウドとは何か?」を考えてみる

クラウド(コンピューティング)が生まれて、もう10年以上経ちました。
そしてクラウドは、既に私たちの生活基盤(インフラ)となっています。
そこで、改めてクラウドとは何か?を考えてみました。

 

電気や水道に見るインフラの変化

クラウドの登場当時に最も言われた言葉が、「所有から利用」への転換でした。
何のことか良く分からないので、電気と水で考えてみましょう。

現在、私たちは電気を使おうと思ったら、電力会社と契約して、機器をコンセントにつなぐだけです。
よほどの理由がない限り、発電機と燃料を買ってきて、自分で電気を作り出す人は、そうそう居ません。
(屋根にソーラーパネルを付ける人は増えているかもしれませんが)

水も同じです。水道会社と契約したら、水道をひねるだけ。
わざわざ井戸を掘る人はいませんし、水を汲みに行く人もません。
電気と共に、使った分だけ料金が請求されています。

自分で電気や水を安定的に使おうと思ったら、機器の安全管理や水の品質管理など、やらなければならないことが多いのです。
しかし、私たちはその分野を仕事にしているわけではありません。
ですから、そういう業務をプロの手に任せるのです。

プロは1戸だけでなく、市や県という大きな単位でその仕事を請け負うことで、高品質な仕事を効率的に行ってくれます。
私たちは、そのプロに対してお金を払っているとも言えるでしょう。
電気や水道という社会インフラは、自ら環境を構築して整えるもの「所有」ではなく、サービスを「利用」するものに変わってきた、と言えます。

 

ITインフラを所有から利用へと変化させたクラウド

ここでようやくシステムの話に戻ります。
システムを使いたいと思ったら、クラウド会社と契約して、使いたい分だけ使う。
使った分に対してのみ、課金されます。

そして、システム運用は、その道のプロが行ってくれています。
ハードウェアが壊れたら直し、ソフトウェアに不具合があれば修正し、セキュリティ対策も施してくれています。
利用者の私たちが知らないうちに。
これがクラウド(コンピューティング)です。

このようにクラウドの登場によって、システムの基盤(ITインフラ)も所有するものから利用するものへと変化しました。
これがクラウドの本質です。

一方、わざわざシステムを動かすためのサーバを購入して、その運用を自社で行うのは、
自分で井戸を掘って、その水質管理を自前で行うようなものです。
従来はこうしてシステムを「所有」していました。
クラウドと比較して「オンプレミス(On-Premises)」と呼ばれます。

ただ実際には、まだまだクラウドを活用していない会社も多くあります。
クラウドの利点を理解していなかったり、システム屋さんからクラウドを提案されなかったり。。

会社の外に情報資産を出すなんてセキュリティ的に不安だ!というようなことを言われていたのですが、
ついに三菱UFJですら、その基幹システムを含めてクラウドにする方針が出されました。
もはやクラウドを利用しない理由はない、と感じています。
(もちろん、オンプレミスの方が適しているケースもあります)

 

新しいテクノロジーを生み出す基盤としてのクラウド

ここまではクラウドの概要でした。
クラウドが登場してから10年経ち、私は改めてクラウドが果たしている役割の重要性を感じています。

最近、新たに生まれるテクノロジーは、ほぼ例外なくクラウドが前提になっています。
一番身近なところはスマートフォンです。
スマホのアプリはクラウドからダウンロードされて、アプリと裏側で動くクラウド側の仕組み(かつてはMobile BaaS:Backend as a Service と呼ばれていました)が連携しています。

人工知能は、クラウドにおける大量のコンピューティングパワーがなければ、ここまで発展していません。

人間と人工知能(アルファ碁)をエネルギー効率から比較してみる

ビッグデータは、大量のデータを置く場所と、その大量データを分析するだけのコンピューティングパワーが必要です。
これもクラウドの上で実現しています。
昨今、話題の絶えないIoTは、クラウドであるIoTプラットフォームなしには語れません。

VRコンテンツを作るにもクラウドは活用されています。
仮想通貨で有名になったブロックチェーンのような大規模分散技術は、クラウドなしでは実現しません。

また、少し技術的な話に突っ込むと、既にクラウド上に数多くのシステムが実装され、その制御はAPI(Application Programming Interface)で行われています。
あるシステムAと、別のシステムBが連携するには、一方が他方のAPIを活用しているのです。

このようなAPIをそれぞれのシステムが公開することによって、ますます複雑な処理を簡単に行えるようになりました。
会計システムが銀行口座の動きと連携したりするのは、その一例です。

新しい技術や、新しいシステムは、このようにクラウドを前提に進化しています。
インターネット同様、既に社会インフラ化しているからこそ、クラウドを正しく理解する必要があると感じています。

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【編集後記】
トレーニング用の腕時計、新しくGarmin ForeAthlete 935が25日に
発表されたのですが、未だに「近日発売予定」のまま。
早く売ってくれないと、今シーズンのレースに間に合わない。。

今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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