多くのIT企業を見てきて、そろそろ止めた方が良いのでは?と思うことがあります。
原価を元にして価格を決めることです。
モノ売り時代の価格設定
原価を元にした価格設定は、モノを仕入れて売るときの基本的な考え方です。
100円で仕入れたから150円で販売しよう、と。
今、これほど単純な商売をしているIT企業は多くありません。
クラウドサービスを提供している企業であれば、原価は簡単には算出できません。
システムインテグレータは人件費を原価にしていますが、
「時間がかかるほど高額」なのは、昔から賛成できません。
短い時間で作ってくれた方が嬉しいのに、安くなるのは矛盾を感じます。
まずは価値を先に考える
私は価格を設定するなら、まずは顧客に提供できる価値から算出すべきだと思っています。
例えば、私が提供する個別コンサルティングは、90分で3万円(+税)をいただいています。
この金額を決めるに当たって、原価のことは基本的に気にしていません。
競合他社がいると仮定して、競合の価格を調べたか?というと、こちらも調べていません。
それよりも、90分という限られた時間の中で、私が顧客に提供できる価値はどのくらいか?
ということからスタートしています。
90分に3万円投資していただき、それで30万円のリターンを得ていただければ、
十分な投資です。
例を挙げますと、2回のコンサルティングを通じて、採用に成功した顧客がいます。
それまで、何度も何度も面接を繰り返し、徒労に終わる時間を繰り返していたのです。
貴重な経営者の時間が足りなくなり、小さな会社ゆえに現場も業務がまわらなくなりかけていました。
そんな悪循環を90分2回のコンサルティングで断ち切ったのです。
まず良い人材を1人採用でき、そこで得たノウハウを活かして、さらに数人採用できたのです。
しかも広告宣伝費は1円もかけていません。
3万円を2回投資しただけですから、
(自分で言うのはおこがましいのですが)実に効果の高い投資だったのでは、と思います。
この顧客は、テーマを変えて、引き続き仕事を依頼いただいています。
このように、私は中小企業が投資できる金額で、
自分が提供できる価値を元に、サービスの価格を決定しています。
IT企業も同じように決めれば良いと思うのです。
その商品・サービスによって顧客が得られる価値はなんでしょうか?
それは金額換算するとどのくらいでしょうか?
原価はチェックツールとして後から考える
価値を元に価格を決めたら、後から原価を考えます。
「価格-原価」が粗利益ですから、それで商品・サービスの収支計画が立てられます。
仮に粗利益が少なすぎたら、もっと価値(=価格)を高くするか?原価を低くするか?あるいは両方の手を打つ必要があります。
このように原価は価格を決めた後のチェックツールとして使う程度で良いのでは、と考えています。
今、多くのIT企業が単なるモノを売ることを止め、サービスへシフトしています。
このサービスの価値を明確なものにするためにも、
原価から価格を求めるのではなく、価値から価格を求めるのは、
真の価値について徹底的に考える良い機会だと感じています。
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【編集後記】
数ヶ月振りに夜、自宅でバイク(ローラー台)に乗ろうと思っていたのですが、
時間が足りずに断念。。
年が明けても、なかなか時間が上手く使えていません。
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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