新年度に入って、今までと異なる仕事をしています。
そんななかで、中小企業診断士の受験生との接点が増えてきました。
今回は、そんな接点を通じて感じたことを書きます。
合格までには1,000時間
中小企業診断士の試験を突破するための平均勉強時間は1,000時間と言われています。
私自身、自分の記録を見ると、2年間の受験生活で、1,000時間を少し超える時間を費やしていました。
大事なのは、この1,000時間は、受験生の平均ではなくて、合格者の平均ということです。
つまり、他の受験生と比較しても意味がないことが分かります。
1次試験、2次試験ともに20%程度の合格率。
つまり1次と2次を突破する人は、ザックリ計算でも上位4%です。
そこに入るためには、まず1,000時間をやり切る覚悟が必要なのです。
実際には、この時間は、あなたの現状によって、増えたり減ったりするでしょう。
例えば、既に簿記3級を持っているだけでも、
多くの人が苦手とする「財務・会計」に対する障壁が低くなります。
2級を持っていたら、かなり楽になるはずです。
私の周りでも、短時間にストレート合格している人は、会計士や税理士が多いです。
逆にとんでもなく苦手な科目があったら、必要な時間はもっと増やす必要があるでしょう。
私の場合は「財務・会計」に恐ろしく時間を取られました。
完全な素人から始めたからです。
週に20時間の壁を超える
その辺りの事情によって、合計1,000時間なのか、あるいは600時間で良いのか、
はたまた1,200時間必要なのか、は変わってくるでしょう。
あなたの状況が一般的(=1,000時間)だったとします。
もし、1年(約50週)で試験突破したいなら、週に20時間、勉強する必要があります。
「もっと効率的な勉強をして時間を短縮したい。ラクしたい。」
ここまでストレートに言われたことはありませんが、
そういうニュアンスで相談されたことは、数少なくありません。
ただ、そのときに私が考えるのは、
質を高める(=効率的な勉強をする)前に、
1,000時間は勉強する覚悟が必要ですよ、ということです。
これだけ情報が溢れた世界の中で、合格者の平均が1,000時間なんです。
何か特別なウルトラCがあって、あなただけ600時間で合格できる、
そんなことが簡単に起こると思いますか?
大事なことなので、もう1度書きます。
合格者になるのであれば、その平均くらいは勉強する覚悟を
最初にする必要があります。
もし、週に20時間なんて絶対無理、ということであれば、
今年の合格ではなくて、来年の合格を目指すのが良いでしょう。
質は量を確保しながら高めていく
とは言え、無駄な勉強はしたくない。
もっと上手い勉強方法があるはずだ、と考える気持ちは痛いほど分かります。
私自身、とても上手いとは言えない勉強方法をしてしまいましたので。。
私は受験勉強で最初にやるべきことは、全体像を把握することだと思います。
そのためには、テキストの全体を見通すことを、とにかく早く終えたいものです。
それと同時に、診断士に限らず、受験勉強にはコツのようなものがあります。
どんな試験だって、こういうやり方でやれば、大きな無駄なく合格できる方法です。
(今日は本題ではないので、これ以上は書きません)
ただ、それも、まずは週に20時間という勉強時間を確保した上での試行錯誤でしょう。
最初から週に10時間や2時間で済んでしまう世界がある、と思わない方が、
精神衛生上、良いと思っています。
週20時間を確保しつつ、勉強法を模索したら、結果として週15時間で済んだ。
その方が、健全なのではないでしょうか。
最初からラクしたい。と考えている方が少なからずいらっしゃるようなので、
今回は敢えて厳しい現実を書いてみました。
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【編集後記】
と、厳しいことを書きつつ、私も新しい仕事でスキル不足を実感する日々です。
興味の赴くままの学びだけではなく、体系だった勉強が必要です。
今日も素晴らしい1日になります。感謝!!